「『1Q84』勝手にキャスティング。」

1Q84 BOOK1〈4月‐6月〉前編 (新潮文庫)

1Q84 BOOK1〈4月‐6月〉前編 (新潮文庫)

村上春樹氏の「海辺のカフカ」が蜷川幸雄演出で舞台化されて公演中ということを、今さらながら知った。
長年の村上春樹ファンではあるが、映画化されたり舞台化されたりという、他の人の手が加わった作品には、あまり興味が持てない。
近年では特に「ノルウェイの森」の映画が酷かったというのもあって、もうむやみに映像化してくれるな…と思っているのが正直なところ。
今まではそういう春樹作品を原作とした二次創作はあまり出なかったのに、年齢を重ねて春樹氏本人が軟化してきたのか、オッケーが出やすくなったのかな?
その「海辺のカフカ」の舞台だが、主人公・田村カフカ君を演じるのは、柳楽優弥氏らしい。
これは自分の過去のブログでも、「今、カフカを演じれるとしたら、柳楽優弥君しかいないのでは?」と、勝手にキャスティングしていたので、その予想が当たったといえなくもない。
しかしそれはあくまでも2005年当時の話。14歳の主人公を演じることができる若手俳優というのが、彼ぐらいしか思い浮かばなかったというのもある。もう今や彼も二十歳越えているわけだから、もう少し少年っぽい人の方が適役なのではと思ったりもする。
…そういうことを思っていたら、また勝手にキャスティングの妄想が広がったりして。
例えば「1Q84」。この作品も映画化は難しいとは思うが、無い話でもないかも。
人それぞれで、小説を読みながら、ある特定の俳優の顔を思い浮かべて、いわゆる「当て読み」をする方も多いと思うが、自分は読んでいる時はあまり特定しないようにしていた。
それでも「もし映画化されるとしたら…」と考えると、主人公・青豆はなんとなく「りょう」さんとか、細身で目のするどい女性が思い浮かぶ。江角マキコさんの若い時とか。…そう考えると、今がある意味、…じゃなかった旬の冨永愛さんでもいいような気もする。
川奈 天吾役は…正直、日本の若手イケメンといわれている俳優に詳しくないので、どんな人材がいるのかもよく知らないのだが、ガタイがよくて朴訥とした感じの俳優さんというのが極端に少ない気がして、適当な人が思い浮かばない。ガタイがよくて主役級というと小栗旬氏といったところになるのだろうか。
脇役はいろいろ当てやすいんだけどね。
強烈な個性の牛河役には、故・和田勉氏などという意見もあるようだが、自分は「ねじまき鳥クロニクル」の時から、斉藤暁(さとる)氏をプッシュしてる。…あの「踊る大走査線」のスリーアミーゴズの一人にいるメガネの人。
老婦人のボディーガードの「タマル」なんていうのは、スキンヘッドに口髭という特徴があるから、これはもうプロレスラーの武藤敬司氏しか思い浮かばない(笑)。
天吾に小説のリライトを薦める雑誌編集者の小松という人物には、なぜかテレビリポーターの阿部祐二の顔が浮かんだ。
戎野先生には故・吉本隆明氏の顔も…。
…そう考えると、自分は小説世界に当てはまる役者を探すのが好きなのではなくて、「この人、役者として映画に出たらどんな感じだろう?」と想像するのが楽しいだけなんだ…ということに気付くのだった。