「行きたかった、ピレキーニョ!」


第72回の「粋な夜電波」はジョン・ケージで始まり、ジョン・ケージで終わるという、非常に前衛的な内容の回になりましたが、久々のロイホ話も飛び出すなど、爆笑の回でもありました。
その中で、先日逗子海岸海の家・ピレキーニョで行なわれた「キラー・スメルズ復活祭!渚のハードコア・ラテン」の様子を伝えてくださったところも、聞きどころでした。参加された方の熱いメールを紹介しつつ、当日の録音を聞きながら解説されて、会場の盛り上がりをちょっとでも感じられて良かったです。
その部分を文字起こししてみました。
…行きたかったな〜、ピレキーニョ。その日自分は残念ながら出勤でしたので、また来年の開催に期待します!

はい。というわけで、まあ…毎週毎週ね、「ジャズミュージシャンの菊地成孔がお送りしております。」と申し上げておりますけれども、まあ…おかげさまで本業も活況ではあるのですが、副業の方も忙しくてですね。
これが「SNS代筆業」というね。まあ、代筆の仕事というのは、ほとんど明治時代からあったわけなんですけども、まあ…有名人、アイドルさんとか、あるいは政治家さんとかね、こう…忙しくてつぶやけない時に本人に成り代わってつぶやくというですね、ま、一種のテロリストですね、これね。…の仕事がありまして(笑)、こちらも繁盛しておりましてですね、金が儲かって儲かってしょうがないという……嘘ですよ全部ね、はい。43秒くらい前から嘘が始まってますけどね、はい。
え〜…そうですね、「100歳特集」ということで、もうすでに…今年生誕100年、ジョン・ケージ…。今日の番組テーマ曲は、ジョン・ケージの「4分33秒」だったんですけれども、ケージの生誕100周年…これはまあ、各地ですごいことになるでしょうね。あと3日ですね、9月3日ですから。
すでにもう、番組最初の30分で、4曲?…生誕100周年のミュージシャンの曲がかかりましたので、この後もその調子で行こうと思いますが。
え〜…その前にですね、生誕39周年(笑)…何年だっけな?あの人…生誕40周年になんのかな?…40だとキリがいいですけどね、39周年だったと思いますけどね、…菱田エイジさん(笑)。
キラー・スメルズのライブが昨日ありまして、たくさんの方に来ていただきまして。…え〜とですね、お知らせがあります。昨日のキラー・スメルズイベントで、あっという間に売り切れた、菱田エイジ氏デザインのキラー・スメルズTシャツですが、好評につきTBSラジオのサイトでの発売が決定いたしました。…なるほど。値段は昨日の3倍付けです!(笑)。まあ何て言ったらいいんですかね……鬼!(笑)。餓鬼ですよね、餓えた鬼と書きますけども。え〜…詳しくは…嘘ですよ(笑)。なんでしょう、価格とかワタシ何にも聞いてないんで、勝手にどんどんどんどん話が進んでますんで、…あ、3000円ですか。詳しくは明日「菊地成孔の粋な夜電波」の番組サイトをご覧下さい、という感じですね。
ええと…ま、ライブの感想ですね、数多く頂戴いたしまして。ま、昨日は…キラー・スメルズ…キラー・スメルズ自体は、ひとつのメッセージ体で、菱田エイジさんも末端構成員に過ぎないんですが、ワタシも末端構成員。一度でも聞いてしまったら全員末端構成員という、ものすごいですね、ラテンの混血文化の…嫌いな奴とか許せない奴すら一緒になって…混血してしまうという、この…恐ろしいですね、ひとつのメッセージ体なんですけども。
昨日はさらに、メンバーであります、ギャラクティカ・プッシーズっていうね、まああの…(笑)、実際の…なんつったらいいんですかね、この地球上での世を忍ぶ仮の姿としては、ゴーゴー・ダンサーの仕事をしてて、海の家とかで踊ってるっていう女の子達なんですけども、それを菱田さんがヘッドハントしてきたんですけど(笑)。ま、バンドのメンバーということでですね、一緒に登場しまして、ずっとステージ上で…。あの、生まれて初めてああいうものをご覧になったという方も多いと思うんですよね。…ああいうものってキラー・スメルズじゃないですよ、キラースメルズも生まれて初めてああいうものをご覧になった感じだと思うんですけども、ああいうその…何て言うんですかね、あられもない格好で踊る女性の方…というのを目の前で見るという経験をなされた若い方などもたくさんいらっしゃったようで。ええ…大変興奮された様子で(笑)、メールが寄せられておりますけども。
(イベントの感想メールを読む)
…ワタシね、体重2.5kg痩せました(笑)。あの…多分痩せると思ったんで、面白がってステージ立つ前に体重計乗ったんですよね。で、終わって乗ったんですけど、落ちてましたね。あの…全然換気がないところだったんで、もうすでに低音サウナともいえない、普通の高温サウナのような状況になってまして。あの、DJ機器というものはですね、皆様が思っているよりも高熱を発する物でして、触るともう手がアチチというくらいのね、物で。
菱田さんは、ワタシがDJやってる40分間のあいだ、隣のビーチでギャラクティカ・プッシーズのお三方と楽しくビールなんか飲んでて、涼しくていい感じだったんですけど、ワタシはライブが始まる40分前からDJ始めてまして、そのままライブがあって、ライブ終えましたんで。…まあ、汗腺を開く訓練ってよく言うんですよね、現代人は冷房で汗腺が開きづらくなってるんで、汗腺を開く訓練をしましょう、と。暑いところ入った方がいいですよ、と。それで長時間汗を流すと、新陳代謝が良くなりますという話がありますが、まあ…タダで汗腺を開く訓練をさせていただいたという感じで(笑)、非常に…2.5kgは確実にいきましたね、ほんとに。
(イベントの感想メールを読む)
はい。まあ、こういったメールはまだ穏当な方でですね。え〜…かなりヤバイですね(笑)。まあ、AMラジオに落とす爆弾としては、ちょっと有毒過ぎると思うんですよね、キラー・スメルズはね(笑)。昨日はとにかく、普段ラジオばかり聞いていて、こういった場所に来慣れてない方、目の刺激に慣れてない方などなど…が倒れてしまうのではないかと心配しながら演奏したのですが、そんなこともなく皆さん元気に最後まで完走されて非常に良かったと思います。
音ちょっと聞いてみますか。…聞いてもしょうがないようなもんですけどね(笑)。…ま、そうですね、ライブに来れなかった方が大半ですからね。…だいたい(ピレキーニョのキャパが)300人くらいですか?…250か。250人以外は全員聞いてないわけですからね、ちょっと音聞いてみましょうか。
(当日の模様を録音したものを聞きながら実況)
…これはキラー・スメルズの入場テーマね。画伯が作った覆面をかぶって登場するんですけど。ワタシ、この日自分が覆面かぶって登場するのをアゲるために、前日に「みちのくプロレス」行きましたよ!(笑)…マネージャーと一緒に。それでもう、ソラールや…ね。初来日、ソラール、あとビジャノ・クアドロ…の姿を見て、ちょっと泣きましてね。明日オレもマスクをかぶって、ルチャ・リブレ、自由への闘いに参戦するんだ!という気持ちでですね(笑)、やったわけですけども。
…これでね、菱田さん入って来ます。外から。ワタシはステージ上にいて。
(歓声)…こんななってるわけでね。普通にプロレスの音ですよね、音だけ聞くと。で、ギャラクティカ・プッシーズと一緒に入って来ましたから。
…ま、ここ聞いててもしょうがないですね。今、菱田さんが人混みかきわけてるところなんですよ。
(歓声)…これプッシーズと一緒に、全員がセットアップしたところですね。一人がね、会場のポール・ダンサー用のポールに行って、二人がステージにいて、三人組のチームですけどね。で、ひとりが菱田さんに絡んで、もうひとりがワタシに絡むという…。
(「雨止んでくれてホント良かったよ。」という菱田さんのMCの後に、1曲目の「Blue Light, Red Light」)
…ま、こんなとこですかね。後、聞いててもね、「ウワァ〜ッ!」とか言ってるだけですから(笑)…あれですけども。
もう最後の方はね、「Sex On The Beach」なんか大合唱になったりして、なかなか楽しいもんですけど。…Sex On The Beachって、カクテルの名前ですよ。あの…キラー・スメルズって、カクテルの名前が曲名になってるの多いです、結構。Sex On The Beachって聞いてみんな、ビーチの上でセックスすることだと思ってる方も多いと思うんですけども、ま、そういう名前のカクテルがあるということですね。
…はい。え〜…非常に楽しゅうございました。次に…ま、当日も申し上げましたが、次のアルバムも構想しておりますので、お楽しみに!という感じですかね。
…サックスがね、サキソフォンっていう楽器…ワタシ、昨日吹きまくってたんですけど。あれね、金属…じゃないすか。全体が金属で、こう…パカンパカンって蓋が開きますよね、…タンポっていうんですけど。そこのね、裏側が羊の皮で出来てまして、いずれにせよですね、潮が絶対ダメなんですよ(笑)。…なんで、「ビーチで演奏していけない楽器・No.1」って言われてるんですけど。…どうしようかな?…っていうね。あの…セカンドカーもあるんで、ファーストカーじゃなくてセカンドカー持ってっちゃおうかと思ったんですけど、それじゃねえ…末端構成員として男がすたりますから、まあ…普段ライブで使ってるファーストカー持ってったんですけど、昨日のライブ1時間で、完全にダメになりまして(笑)。潮風と汗と…一回もう塩水に楽器をジャバッと浸けたような状態になりまして、パキパキになりましたんで、楽器屋にすぐ…全体のクリーニングにね、出さなければいけないという状態で。何日か放置すると、もうキーが動かなくなっちゃいますんでね。
菱田さんのギターもね、かなりヤバかったと思うんですよ。最後の方、どんどんどんどんチューニングが低くなってって(笑)、これ後で聞くとわかると思うんですけど、オケとチューニングがどんどんズレてって、下の方、半音下がってるんですけどね、感動的…っていうね、客が盛り上がってるから(笑)。ステージの上で「あ、やっべー、半音下がってる、半音下がってる」って思ったんですけど、もう戻んないっていうね。
あの…アンコールで「フーチークーチーマン」という…これ日本語でタイトル言えないんですけど、有名なブルースナンバーを…「フーチークーチーマン」からだんだんと「クロスロード」になるっていう、ブルースナンバーをふたりで演奏したんですけど。もうその時ね、ふたりともチューニング、グダグダで、菱田さん、ギターの音もだんだん小さくなってきたんで…、弦が鳴らなくなって。ワタシがササッと行って、なんか世話焼き女房みたいに、ギターのマーシャルのアンプをちょっと上げたんですけど、誰も気付かなかったすかね、あれね。
はい、まあ…そんな感じのイベントでしたよ。


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