「リーサル・ウェポン、大谷能生さん登場!」
スペシャルウィークの「粋な夜電波」第120回放送は、もうすぐ電波祭ということもあって、ついにあの方がゲストに満を持して登場。
菊地先生に天才と呼ばれる、著述業の相方でもある大谷能生さん。
数々のコンビ仕事の中で最新のものが、現在制作の真っ最中というジャズドミュニスターズのアルバムになりますが、そこからの曲を次々にオンエア。
まだ完成状態ではないといいながら、世界初で電波にのったトラックは激ヤバ最高でした。オンエアでしか聞けないその場でのミックスも凄かったです。
息ピッタリの二人のトークはもちろん爆笑もの。いやあ…すべてが面白い!
今回は初の2時間スペシャルということだったので、8時半をまたいだ後半のトークの一部を文字起こししてみました。
- 作者: 大谷能生
- 出版社/メーカー: 本の雑誌社
- 発売日: 2013/05/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (3件) を見る
菊地 はい、時刻は8時半を回りました。珍しい〜てか、初めて〜! ジャズミュージシャンの菊地成孔がお送りする「菊地成孔の粋な夜電波」、今週はジャズドミュニスターズのバリトン担当…
大谷 バリトン担当の(笑)…マ〜♪…大谷能生です。
菊地 大谷能生君と一緒に…
大谷 初めて?…初めて…ん?
菊地 この番組では初めてですね。
大谷 ですね。
菊地 まあ…ね。いつも一緒に仕事してるからね。
大谷 (笑)。
菊地 ほとんど一緒に仕事してるんですけど、この番組は初めてね。
大谷 そうですね。まずは…えーと…そうですね、呼ばれないし、来ない!という感じですね。
菊地 (笑)。まあ、そこは微妙なとこですよ。
大谷 はい。
菊地 お互い単独の仕事になるとさあ…。
大谷 そうですね。
菊地 大谷君はジャニーズの研究で…
大谷 ジャニーズ研究もやってるし、コンテンポラリー・ダンスの仕事もやってるし。だから、バラバラですよね。
菊地 そうだね。オレはハイモードやってるからね。
大谷 やってるしね(笑)。
菊地 お互い一人ずつになると、あんまり人のいない世界に…
大谷 そうそうそう。
菊地 ジャニーズはいるか!?
大谷 ジャニーズはいるけど…
菊地 ジャニーズ研究がいないんだ。
大谷 ジャニーズ研究はいない。
菊地 あんまいないよね。
大谷 「ジャニ研!」って本を出したんですよね。
菊地 あれは…名著ですよ。
大谷 俺、だから…去年から今年にかけて4冊ぐらい本出したんだよ。
菊地 出したよね〜。
大谷 「ジャズと自由は手をとって(地獄に)行く」って本を出しましたから。
菊地 (笑)…あれもスゴイよね。
大谷 (笑)。
菊地 あれはまあ…長いスパンのエッセイ集ですけどね。
大谷 ま、そうですね。
菊地 まあ…著述家であり、いろんな…大変な才人なんで中心がわかんないっていう、ほんとにボリス・ヴィアンみたいな人なんですけど。
大谷 (笑)。
菊地 オレが7、8年前からずーっと思ってたのは…
大谷 はい。
菊地 「ラッパー」にすれば、はっきりするんじゃないか!(笑)。
大谷 なるほど(笑)。
菊地 散らばって…散乱していた才能がひとつにこう…まとまってくるんじゃないか?
大谷 …その結果?
菊地 その結果こう…(ジャズドミュニスターズに)なってしまった…ということですね。
大谷 これもまたね…アッパーとダウナーじゃないけど…あ、そうだな…アッパーとダウナーって感じじゃないですもんね。何て言えばいいんだろ?
菊地 そうね。だけど、これはあの…ポエトリーリーディングを復権させるアルバムでもありますね。
大谷 あ、そうですね。それは完全に思ってますね。
菊地 ヒップホップはもういまや、ポピュラーって感じ…オーバーグラウンドのポピュラーですけど。ほんとはアジテーションから上がってきた側面もあるので。
大谷 そうですね。そういう流れとも繋げたいな〜ってのはある。
菊地 繋げてる。
大谷 我々だと、ほら…やっぱりチャールズ・ミンガスとも繋げたいわけだし。
菊地 そうですね。あとシュールレアリスムね。
大谷 シュールレアリスムね。フランスとね。
菊地 繋げていくっていう。
大谷 そういった方向ではあるんだが、またこんな話しても誰も聞いてくれないんですよね〜。
菊地 (笑)。
大谷 本当に(笑)。
菊地 どうですか、「これは理解されないだろうな〜」と思いながら楽しく作業するっていうことに疲れる疲れない?…(笑)。
大谷 まったくありませんね。
菊地 まったく無いですよね。
大谷 ものすごい元気が出ますね。
菊地 いやあ…あの時間ほど楽しいもんないよね。
大谷 ないですね。
菊地 これ分かんねえだろうな〜。…でもさ、恐ろしいことに、それで興奮する人がいるんだよね。
大谷 ああ、そうなんですかね。
菊地 うん。
大谷 分かんない感じがいい!っていう…
菊地 いいんだよ!
大谷 それはオレもそれで興奮するタイプだから。
菊地 そうそうそう。オレもそうだもん。
大谷 何だかほんとによく分からないんだけれども、何だろう?ってのが…
菊地 一番興奮するのが「知らない言語」だからね。
大谷 あ、ほんとほんと!…うん、そうなんですよ。
菊地 外国で映画行くのすごい楽しい。
大谷 すごい楽しい、うん。
菊地 ね。…ここら辺がね、好みがね。
大谷 そうですね。
菊地 好みですよ、ほんとに。センスとかじゃなくて、好みの問題として「分かんないの嫌な人」と「分かんないの好きな人」がいるもんね。
大谷 えっと…古い雑誌を読むの、すごい好きなわけ。
菊地 はいはい。
大谷 もう、誰も知っている人がいない雑誌が…
菊地 (笑)。
大谷 …読んでるのが一番くつろぐっていうね。
菊地 ああ、そうね。「暮らしの手帖」ですね。
大谷 そうそうそう、「暮らしの手帖」の70年代60年代読むのが今の…
菊地 「銀座百店」ですね(笑)。
大谷 (笑)…今の唯一のホッとする時間。
菊地 癒しでしょ?
大谷 あ、そう。癒しってやつ。
菊地 大谷君にも癒しがやってきた!っていう。
大谷 そうそう、びっくりしましたよ。これが初老なのかと思いましたね。
菊地 41でしょ、まだ(笑)。
大谷 いやいやいや(笑)。「暮らしの手帖」読んで、お茶飲んでたら初老っぽいじゃないですか。
菊地 あ〜、そうね。
大谷 すごい、いいですよ。あの「ちょっとしたヒント」とかさ。
菊地 やばいね。
大谷 楽しい楽しい。
菊地 杖買おうか、杖!
大谷 杖ね(笑)。
菊地 そう、みうらじゅんさんみたいに(笑)。
大谷 あの、下が三つ又に分かれてるやつにしようよ。
菊地 (笑)。
大谷 あれ本気ですごいよね。
菊地 まあ…どんどん昭和に戻ってるっていうね。
大谷 うん。
菊地 すごい速度で、過去と未来と同じ速度で…ビッグバンみたいだよね。
大谷 (笑)…ドーン!って、過去と未来にね。
菊地 過去と未来にドーン!って、高速で…
大谷 戻ってますね。
菊地 だから「とどまる」「しがみつく」っていう運動に対するアンチテーゼですよね。
大谷 ですね。
菊地 過去と未来、そして過去未来軸と別の軸に…(笑)。
大谷 だって俺、今一番詳しいの1920年代だもん。
菊地 (笑)。今、AMラジオでさ、ゲストで来てさ、「俺、今一番詳しいの1920年代だ」って言った人いないよね。
大谷 ベーブ・ルースの打率とか覚えてるよ。
菊地 (笑)。
- 作者: 大谷能生,速水健朗,矢野利裕
- 出版社/メーカー: 原書房
- 発売日: 2012/12/10
- メディア: 単行本
- 購入: 4人 クリック: 49回
- この商品を含むブログ (16件) を見る
- 出版社/メーカー: 暮しの手帖社
- 発売日: 2013/07/25
- メディア: 雑誌
- この商品を含むブログ (4件) を見る
※文字起こしの「NAVERまとめ」あります。