「なんとなく、重大発表。」

「粋な夜電波」2013年最後の放送は、エリントンをバックに文庫本の朗読とメールの紹介のみの一時間。
先日の「HARAJUKU PERFORMANCE + DOMMUNE 2013」でも披露された、「なんとなく、クリスタル」の朗読が、菊地先生が読むとなぜか示唆的に聞こえ、33年前のレトロな光景とは思えないような気がしてきます。
朗読部分を文字起こししても仕方が無いので(笑)、番組最後のお知らせと挨拶の部分を文字起こししてみました。
さらっと業務連絡した中に、実は重大発表も含まれていました。来年からの菊地先生の活動に、ますます期待せずにはいられません。

なんとなく、クリスタル (新潮文庫)

なんとなく、クリスタル (新潮文庫)

というわけで「菊地成孔の粋な夜電波」、今日はですね…「年の瀬に読みたい本と聞きたい音楽」という特集で、新潮文庫版、田中康夫さんの書きました「なんとなくクリスタル」、1980年の小説です…ね、これの一部を抜粋して読ませていただき、そして音楽はデューク・エリントン・オーケストラを、最初から最後まで…ま、一枚のCDからですね…ただ順番にスイッチを押すことで、ずっと聞く…ということをさせていただきました。
え〜、ライブのお知らせがあります。
…おお、なるほどなるほど。今、サブからですね…これワタシ知ってますけどね、「なんとなく、クリスタル」は河出書房新社より、今年11月に文庫本で発売、そして文芸誌で「33年後のなんとなく、クリスタル」が連載開始。
…ま、ま、このことを受けて、今日読んだわけですけどね。なんと「なんクリ」がまた始まるということなんですね。
今ワタシが読ませていただいたのは、もちろん33年前の(笑)…最初の「なんとなく、クリスタル」です。
え〜、手前事ではありますが、ここで業務連絡です。
来月の1月15日、昔は成人の日だったものですけど、今は何の日なんでしょうか。ジャズドミュニスターズのライブがあります。タイトルは「Birth of Dommunisit(ドミュニストの誕生)」リリースパーティー。出演はワタシと相方・大谷能生によります、ジャズドミュニスターズ。この二人がジャズドミュニスターズですけれども…はもちろん、ずっと参加が流動的だった、文科系ヒップホップの雄、Moe and gohstsのフィーメールラッパー・萌さんが正式に参加することが決定しました。これは分かりやすく言うとですね、萌さんはお仕事が忙しいのですが、この日休みが取れたのだ、ということを意味しています
これでですね、ビートメイカーの田中君、シンガーの市川愛さん、ラッパーSIMI LAB勢のOMSB'EatsMARIADyyPRIDE、そしてMoe and gohstsの萌さん、覆面フィーメールラッパーのICI。つまりファーストアルバム「ドミュニストの誕生」が完全再現できるメンツが全員揃いました
いろんな意味でのファーストチャンスということになります。ぜひご体験ください。
日時は来月の1月15日水曜、18時30分OPEN、19時30分START。会場は赤坂BLITZです。前売4500円、当日5000円です。チケットは各プレイガイドで発売中です。詳細は番組HPをご覧ください。
「萌さん出ないんだったら、どうしようかな〜!?」って言ってたサイドの方も、これで萌さんも晴れて出ることになりました。
萌さんから非常に殊勝なメールが届きまして(笑)、「ラッパーとしてのライブ経験は一番後輩になりますが、ぜひよろしくお願いします。」というメールが届きましたけれども、萌さんがいて、OMSがいて、MARIAさんがいて…という並びを想像するだけで、ヤバいパーティーになりそうですね。
というわけで、塀の中よりお便りを投稿したリスナーの)クロネコさんもいらっしゃる(笑)、「ドミュニストの誕生」リリースパーティーですけれども、皆さんどなたがクロネコさんか…「あの人がクロネコさんかな?」という感じで(笑)、当てるのもご一興だと思いますね。ぜひお越し下さい。
さらに重ねて私事になりますが、これは検索していただければわかりますけども…先月のクリスマスですね、ワタクシ、横浜でライブをさせていただいている間に、情報公開となりましたけれども。
長らくワタクシ、East Works Entertainment(ewe)という会社をベースメントにアルバムをリリースして、時折いろんなメイカーに出て作品を発表するというスタイルでしたが、来年から…世界のソニー!…S・O・N・Yさんですね(笑)…SONYさんと専属契約を結ぶことになりまして。
ま、来年からは「SONYの人」…そうですね…奥田民生さんとかでしょうか?…たまに労力士(ロレックス)だと言われることがありますけども(笑)…のような感じで「SONYの人」ということになります。
そしてSONYの中の「Village」というセクションの中に、ワタクシのレーベル…要するにワタシの作品だけではなく、プロデュース作、コラボレーション作等々…レーベルとして、年間に何枚も何枚もCDを発売するという体制が来年整います
レーベルの名前は「TABOO」というレーベル名になりました。
ま、こちら「菊地成孔/TABOO」で検索していただいても出てきますし、番組のHPもしくはワタクシのマネージャーのTwitterなどなどでも…今、出たての…まだ情報解禁されてから4日か5日目の情報ですので、そちらに行きますと、ワタクシがレーベルを立ち上げるに際しての所信表明のようなものと、レーベルの第一作ですね…これは「ペペ・トルメント・アスカラール」というワタクシのオルケスタのアルバムが、「TABOO」レーベル第一作となります。
「戦前と戦後」というタイトルで、全11曲中、完全なインストゥルメンタル曲が1曲だけ。つまり10曲はヴォーカル…ワタクシが…ワタクシだけじゃないんですが、歌っているアルバムでございまして…。
来週…そうですね、年明け一発目が生放送となります。1月5日?…ですね、狭い意味で言えば…じゃねえや、広い意味でか?…どっちだか分かんないな(笑)…えーと、松の内が明けた5日ということになりますけども、生放送になります。ここでまあ…この「戦前と戦後」特集をするか、新年の挨拶で、またデューク・エリントンだけかけて、お屠蘇を飲みながら酔っ払って「なんとなく、クリスタル」の続きを読むかは、今思案中ですけども(笑)。高い可能性で、まあ…「ペペ」の特集になると思いますけれども。いずれにせよ、サイトなどでご確認ください。
…はい、というわけで「なんとなく、クリスタル」、主人公がセックスをする直前のところで終わってしまいました。このまま…予定ではですね、エンディング…「なんとなく、クリスタル」の締めのところですね…これはもう「日本文学史に残るディスコンストラクション」と言われているエンディングですが、ま…買っていただいて読んでいただくも良し、そして、番組でいつかまた…1月5日とは言いませんが、「なんとなく、クリスタル」を少しずつ読んでいく…という形で、結局全部読むんだ、ということを目指そうかな(笑)と。これをシーズン6の残りの課題にしようかなと思っておりますので(笑)。
ま、これはもうすでに古典ですね。あの…「NOTICE/本文」と読み分けましたのは、この小説…今ワタシが手にしている新潮の文庫版で、あとがき除くとですね…全215頁。うち…ですね、右頁が小説、そして左頁が…中に出てくる単語の解説…これがNOTICEということで、全442の単語が解説されているんですが、そのひとつ目が「ターンテーブルだ、ということをお伝えしたくて(笑)…読んだのだと…いう感じですね。
え〜、というわけで、ジャズミュージシャンの菊地成孔がお送りしてまいりました「菊地成孔の粋な夜電波」、そろそろお別れの時間となりました。それではまた来週日曜の夜にお会いしましょう。…来年になりますね、お相手は菊地成孔でした。
本日からあと僅かな今年ですが、皆様にとって楽しく、刺激的で、そしておおらかな日々になりますよう。
そしてまあ…どうやら、いろいろ厳しそうな来年がくるようですが、皆様お一人お一人なり…のですね、「実は、素晴らしい年になった!」というオチになりますようこういった際のお決まりのフォーマットではなく、本気で思っておりますので、その気持ちを維持したまま、番組を続けて行く所存でございます。
今年もご愛聴ありがとうございました。
それではまた最後にデューク・エリントン楽団で「I Got it Bad and That Ain't Good」という曲を聞きながら、お別れしたいと思います。

※文字起こしの「NAVERまとめ」あります。