「2014年一発目は『戦前と戦後』特集!」

TBSラジオ「菊地成孔の粋な夜電波」第136回、2014年最初の放送は、前回放送の予告通り、ペペ・トルメント・アスカラール待望のニューアルバムをいち早く特集。
オンエアされた曲はどれも素晴らしく、3月の発売が待ちきれません。
アルバムを紹介された話の一部を文字起こししてみました。

戦前と戦後

戦前と戦後

BEAUTIFUL SCARS

BEAUTIFUL SCARS

え〜…今週は生放送ですね。
生放送であるにもかかわらず、全然生っぽくない内容になっておりますけれども(笑)。
ワタクシの…もう8年目になりますかね?…9年目か。結構長く継続してますね、「ぺぺ・トルメント・アスカラー」というオルケスタがありまして。それのニューアルバムが、満を持して完成しましたので、そちらをご紹介させていただきたく。
そのアルバムのタイトルが「戦前と戦後」っていうタイトルなんですね。
え〜…だいたい…音楽を作る時にですね、先に曲ができちゃう人とか、先に映像のイメージが決まっている人とか、先に詩ができる人とか、いろんなタイプがあるんですけども。
ワタシもまあ…アルバムによって、全然それは違うんですけども、このアルバムは最初に…「次このオルケスタ…」…まあ、もう長いんですけどね…既にご贔屓もたくさんいるオルケスタですけど、初めて聴くという方もいらっしゃると思うんですが…。
「次アルバム出すとしたら、どうしようかな〜」ってのを2年ぐらい前に考えてまして。
で、「『戦前と戦後』にしよう!」っていうふうに急に思い立って(笑)。思い立ったが吉日でですね、アルバムを作ったわけなんですけども。
昨年のクリスマスに情報公開しまして、ワタクシそれまで特別…どこのレコード会社さんともガッツリ契約してるってことはなかったんですけども。
あの…ガッツリ契約させていただくことになりまして。
まあ、日本の…メジャー・カンパニーっていうんですかね、今は音産ももう…盛り上がってるような、大混乱しているような、なんとなく盛り下がっているような(笑)、見ようによってはどうにでもとれるような状況に音産もなってるわけですけれども。


(中略)


で、まあ…じゃあそれで、記念すべきレーベル立ち上げ第一弾のアルバムのタイトルが「戦前と戦後」っていうですね…もう危ないですね(笑)。大丈夫か?ってタイトルなんですけれども。
ま、ま、ワタシなりに何か意味の込めたものなんですけれども、あんまりそこら辺の能書きをね、作った本人が言うのも野暮ったいですから
ま、今日はとにかく…そういうわけで、SONYのプロモタの方にも「ラジオで年頭の一回目でボーン!といきましょう。」みたいな話になったんで。
発売はね(笑)…3月なんですよ。まだ正式な日程フィックスしてないよね?…ん?…あ、3・19でした。フィックスされてました。3月19日に発売で、2in1ていうかね、ハイブリッドCD…SACDとCDのハイブリッドCDと、DVDが付きます。
DVDは30分間…ん?…29分かな?…なんか規格があって30分以上作れないんですけど、30分のDVDがおまけみたいに付いてきて、これがなんとですね、過去のペペ・トルメント・アスカラールの…いつ出るかいつ出るか?と言われてた、ライブ映像をダイジェストしたものが、くっ付いてきますので。プロダクツとしても、なかなかいいと思うんですけどね。
1曲1曲解説してると、もうきりないですから…11曲入りなんですけどね。
で、まあ…よせばいいのにですね、これがね…11曲入りのうちですね、なんとですね…純インストが1曲だけっていう(笑)。ということは、10曲はヴォーカル・トラックなんですね。
ワタシが10曲歌ってます、これ。
こんなに歌ばっかり歌ってるアルバム出すのは久しぶり、もしくは初めてですね。スパンク・ハッピーだって、こんなに一人で歌ってなかったですからね。
というわけで、とりあえずどんな感じか聞いて…。いろんなもんが入ってるんですよ。ゲスト…客演も非常に多彩でですね。
まず最初に3曲…アルバムの曲順とは微妙に違うんですけど、3曲聞いていただきましょうかね。
すごい…こんなやり方も番組始めて以来ですね。
えーと…昔あの…Nで始まって間にHが入って最後にKで終わる(笑)…最近だとあまちゃん」っていう番組が有名になったテレビ局ありますよね?…あのテレビ局でテレビドラマの音楽やったことがありまして。
主題歌を歌ったんですよね。中の音楽も全部やって、主題歌も歌った。この例は非常にめずらしく、だいたい主題歌と中音楽っていうのは別にやるんですけど、オープニング/中音楽/エンディングの主題歌も全部やったっていうドラマがありまして。
「おお〜」…ジャズミュージシャンがそんなことすんのはね、結構初めての…あまり類例がないですから、「やった〜」…なんて思って、「うまくいっちゃったりなんかしたら、どうしましょうNHKだし。」…なーんて思ってたらですね。
「裏番組が…ちょっと…あるんですよね。」なんて言われて、「何ですか?」って言ったら、「怪物くん」って言われて(笑)。「あ、『怪物くん』ってあの『怪物くん』?」…なんて言ってたんですけど。
「何かな〜?…江川卓さんの自伝だろうか?」と思ったんですけども。まあ…アニメの「怪物くん」の実写でですね、まさか話を聞いたばっかりの時は、嵐の一番いい曲が当てられるとは夢思わずですね(笑)。
「オレの曲もそこそこ…」なんか思ってたんですけど、裏番組の「怪物くん」のテーマ曲が、「Monster」っていうね。…まあ、人によっていろいろ意見違うでしょうけども、「嵐の一番いい曲じゃないかな?」っていうのをぶち込まれまして。まあ、自分の運の悪さに「目眩するぜ。」って感じなんですけども(笑)。
この話はですね、「嵐にしやがれ!」って番組に出た時に、えーとね…非常に学歴の高い…オーラの…櫻井さん!…櫻井さんかな?…櫻井さんと仕事ご一緒させていただいて、まあほんとに…こんなに聡明でスマートでクールで使える方はいないって感じのオーラがビンビンに出てたんですけどね。
フリートークでね、その話して。で、「『怪物くん』に潰された。」っつって(笑)。…「水に流そう」っつって二人で握手するという。で、スタジオではボカンボカンきてたんですけど、O.A.では全カットになってた…というですね(笑)…ことがありましたけども。
ま、生放送ですから、喋ってると全曲かけられないことになりますから(笑)。さくさくいきましょう。
そんなこともありまして、テレビ番組上は番組用のサイズしか作ってなかったので、長らく「フルサイズ作ってくれ!」って言われてた曲がありまして、そのテーマ曲で「退行」っていうね。これは幼児退行の「退行」ですけども。
「退行」という曲。これはまあ…ラテンの…ムード歌謡ですね、簡単に言うと。
そしてその次は、どなたでも知っている昭和歌謡昭和歌謡って言っていいのかわかんないですけど、昭和歌謡って言うにはまだ新しいのかもしれないですけどね。ま、今80年代ぐらいも昭和歌謡って言いますからね。ま、昭和歌謡の名曲ですね…のカバー。
そして、キップ・ハンラハンっていう…ワタシの…何て言うか…悪友?…悪ダチがいるんですけど。キップ・ハンラハンの曲です。「カラヴァッジオ」という曲があって、この曲はイントロと実際の本体が別のトラックになってるんですけど、実際は1曲で、今も1曲としてプレイしますけども。
SIMI LABからOMSBとDyyPRIDEがラップで参加してまして、非常にかっちょいい、ドロドロした、ドープなトラックになっております。
え〜…「退行」、これは作曲・菊地成孔ですね。あと薬師丸ひろ子さんの歌唱でおなじみの「Wの悲劇」から「Woman」という曲。そして、キップ・ハンラハンの「カラヴァッジオ」ですね。
カラヴァッジオ」の最初に流れるナレーションは、なんとキップ・ハンラハンの娘だ!…という、好事家だけが喜ぶ事情が入っておりますけどね。
はい、それでは3曲続けてお聞きください。



※文字起こしの「NAVERまとめ」あります。