「オンリー・ゴッド」



UPLINKで「胸騒ぎの恋人」を観終わったのが、14時21分。
そこから急いでヒューマントラストシネマ渋谷に移動して、14時45分の回の「オンリー・ゴッド」を観る。
実はUPLINKに行く前に、テアトルシネマグループのカード会員に申し込みに、先にヒューマントラストの方に来て、そこからUPLINKまで徒歩でどれくらいかかるか下調べしておいたのだった。
なんとか間に合い、予告編の途中で入場。
なんせあの「ドライヴ」でのタッグ再び!ということで、ニコラス・ウィンディング・レフン監督&ライアン・ゴズリング主演とくれば、期待せずにはいられない。公開前から楽しみにしていた作品。

予告編を観て、殺された兄の復讐を命じられたライアン・ゴズリング…ということで、特に複雑なストーリーではなさそう。
ちょっとバイオレンス描写が激しそうだが、まあ、とにかくレフン監督のあの極彩色のドラッギーな映像が楽しめれば…と思っていた。
しかし…。
何だろう、観てる間中の居心地の悪さ。観終わった後のスッキリしない感じ。
やたらスローモーションを多用するので、テンポ的には眠くなってしまいそうな話運びなのだが、映像はやっぱりいちいちカッコいいので、退屈するというわけでもない。
寡黙なライアン・ゴズリングは、ただ観ているだけで十分絵になるから、それはそれでいいのだが、「ドライヴ」の主人公の時よりもさらに感情を表に出さないキャラクターで、行動に対する動機も掴めない。…ていうか、この主人公、最初からもう諦めの境地に達してるよね。
さらに仇役の、タイ人の橋爪功みたいな役者も冷酷無比ということなんだろうが、徹底的に無表情で。(だからこそ唐突にカラオケ歌うシーンは面白いのだがw)
意図的なのだろうが、あまりにも観客に不親切というか、カタルシスが無さ過ぎる。
これは賛否両論分かれるのも頷ける作品だ。
自分も正直、期待していた感じと大きく異なっていたし、「あー、面白かった!」とはとても言えない感想を持って帰って来た。
でも、つまらない作品と一蹴することはできないし、しばらく経ったらまた観返したくなるような中毒性を孕んでいるような気もする。
…カルトムービーってやつなんですかね。

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