【CD】「風景描写 / 音速ライン」

風景描写

風景描写

今イチオシの「せつな系歌謡メロコア(?)バンド」音速ライン、メジャーからの1stフルアルバムがようやく発売されました。
特典にトートバッグが付くので、購入は久しぶりに新星堂で。

全12曲で40分弱と、最近ではめずらしいコンパクトさ。スピード感あふれる演奏に多彩なメロディを乗せ、潔くまとめられながらも捨て曲無しの充実した一枚。個人的には今年のベストアルバムになるかもしれません。
デビュー作にして早くもベスト盤的内容。実際、既発のシングル3曲「スワロー」「街風」「逢瀬川」に加え、初期の名曲「スローライフ」と「冬の空」も新録で収録されています。「ヒグラシ」も前2曲同様ミニアルバム「うたかた」に入っていた弾き語りのリアレンジなので、冒頭と最後のインタールード的な小品を除くと、純粋な新曲と呼べるのは4曲しかない。そこが多少物足りなく感じるのではと不安でしたが、いずれも異なるタイプのいい曲揃い。新たな方向性も感じさせてくれ、デビューアルバムとしてはほぼ満点の仕上がりでしょう。
特に「流星ライン」は、ディスコビートにファンキーなベースラインが絡み、そこに70年代の野口五郎っぽい歌謡メロディが意外にはまっています。「逢いたい」はストリングスアレンジを加え、よりメジャー感を強めたポップソング。スピッツを彷彿させるその歌メロは、「藤井のソングライティングもここまできたか!」と唸るほどの完成度。音速の楽曲の中で一番メロディアスで、シングルにしてもいい程のグッドチューンです。
音速ラインを未だ知らない人に薦める際に、「初期スピッツアジカンバンプのいいとこ取りをしたような感じ」と説明することもしばしばでしたが、まさにそれらのバンドを好きな人にはきっと気に入ってもらえるのでは?・・・とゆーことは、結構セールス的にも期待出来るのかなと、所属レコード会社の社員でもないのに余計な心配をしたりして。
しかしあの冴えないルックス(八嶋智人の兄?)で果たしてブレイク出来るのでしょうか(笑)
このアルバムをひっさげて登場する、12月10日の渋谷クアトロでのライブが今から楽しみでなりません。