「幸せ最高ありがとうマジで!」


職場に置いてあった本で、なにげなく手に取ってみると、表紙にもなっている永作博美が主演の舞台の脚本らしい。
この脚本家でもあり、時に小説も書き女優もやっている、本谷有希子のことは以前から気にはなっていたが、なんとなく川上未映子とごっちゃになっていて、「オヤジ達がこぞって評価したがる美人不思議ちゃん」とでもいうようなポジションの人なのかという偏見を持っていて、あえて避けていたようなところもあった。
でも読んでみたら、面白かった。
破天荒な言動の主人公が、平和な日常を過ごしている(かのような)一家のところへ突然現れて嵐を巻き起こすのだが、その過程で「実は全員病んでいる」ということがあらわになる。
6人という少人数で、ひとつの場面だけで成立させるという制限の下での舞台だったからか、会話中心で登場人物の関係性をわからせなくてはいけないのだが、あちこちで交錯する感情が火花を散らし、意外な展開もする内容。この舞台が観てみたくなった。
舞台用だからかなりデフォルメされているのだとは思うが、とても他人事とは思えない、核心を突いたところがあると思えたので、ドラマの作り手としての本谷有希子の能力の高さを自分なりに理解できたような気がしている。
かなり興味出てきた。