日本3大ロックヴォーカリスト。

流星とバラード

流星とバラード

突然思い出したかのようにスカパラを聴き出したのは、「美しく燃える森」から8年ぶりに、再び民生をゲストヴォーカルに迎えた「流星とバラード」をたまたまラジオで聴いて気に入ったのがきっかけだった。
スカパラの歌モノのゲストヴォーカルの人選は、個人的にもなかなかツボを押さえられていて、田島貴男永積タカシなどを起用しているあたり「さすがわかってらっしゃる!」と喝采
それでもやはり民生なんだな。グッと引き込まれるのは。
ホーンバリバリのオケに対等に渡りあえる声の持ち主で、なかなかの難しい曲調を通好みとしてではなくて一般的にもポップとして響かせられる人は他にいないでしょう。
ちなみに。ずいぶん以前から、あくまでも個人的にだが、自分の中での「日本3大ロックヴォーカリスト」というのが決まってて、ゆるがないのだが。
それは「民生」・「トータス」・「YO-KINGのお三方です。
もちろんバンドとして好きなバンドはたくさんあって、好きなヴォーカリストも他にもたくさんいる。
例えばスピッツならあのマサムネの声でしか、BUMPなら藤原の声でしか成立しない音楽だし、くるりの岸田だって歌だけとっても相当うまいと思っているのだが、ただ純粋に声そのものの自分の好みというと、この3人になってしまう。
要は「地声で」「フェイクを多用せず」「がなって」「ハイトーンが声量落とさずにガツンと前に出る」という声が、やっぱり聴いた瞬間になんか元気が出るというか、パワーを感じる声なんですな。その声だけで「ロック」だと感じられる。
しかしこの「地声がなりヴォイス」が、絶滅危惧種になりつつあるような気がしてならない。
最近の新人バンドをなかなか好きになれずにいるのも、そこに要因があると思う。
9mmとか、きっとサウンドはかっこいいんだろうけど、いまいちハマらない。RADWINPSとかPlentyとかも独特の声だし表現力もあるし、今時の若者の共感を呼ぶヴォイスだとは思う。でもちょっと線が細い気がして個人的には好きになれない。
もっと、ガツンと腹から声だせよ!とフラストレーション溜まってしまうんだよね。
今流行りではないという点からすると、やはりこれはオジさんの意見になってしまうのかなあ。自分より上の世代が演歌歌手で「こいつは声がよう出とる!」と評するのと変わらないのだろうか。そう考えるとちょっと残念。
「ロックな声」ってあると思うんだけどなあ…。〈文中敬称略〉