進化してたベボベ。

(WHAT IS THE)LOVE&POP?

Base Ball Bearというバンド（Ｂ）について。
曲も嫌いじゃないし、全然いいバンドだと思ってはいたのだけれど、「最近の良質なギターポップバンド」というところに勝手に自分の中で押しやってしまっていた。
どちらかというと、オリジナルなサウンドを追求するというよりは、ポップな楽曲を幅広い層に聴いてもらいたいというアプローチのバンドなので、サウンドを進化という点では正直あまり期待してこなかった。
しかし今更ながら、メジャー３作目の「(WHAT IS THE) LOVE & POP?」を聴いて、大きく飛躍しているバンドの現在の状況に驚いた。思っていたよりもずいぶん成長してるし進化してる。
曲はどんどんポップになっている（捨て曲無し！）が、リズムは安定しよりソリッドになり、ギターのフレーズも多彩になった。いろんなバンドのいいとこ取りをしているので、独自のサウンドを確立したかというとそうでもないが、ポップな曲調とバンドサウンドとのバランスが非常によくなった。
なによりも成長したと感じるのは、小出の歌。
ライヴの経験を積んだことにより、どんどん声が出るようになったのだろう。ずいぶん喉を開いてストレートに声を出すようになった。以前のちょっとくぐもった声で、舌を巻いて甘えたような歌い方をするのが、個人的にはあまり好きではなかったのだが、そういう部分が新作の曲ではほとんど見受けられない。力強くまっすぐに歌うようになったし、ファルセットもよりきれいに出るようになったので、音域の広い難しい曲も歌いこなせるようになり、ずいぶん幅も広がった。頼もしいかぎりだ。
セールス的にも成功しているバンドなので、いいポジションを築いたと思う。もうフェスでトリも務められるのではないか。
より攻めの姿勢で、今後は盟友・サカナクションとともに日本のロックシーンを牽引する存在になってほしい。