宇多丸の「しんぼる」批評。


HIPHOPには全く疎いので、ライムスターの音楽は聴いたこともないのだが。
たまたまYouTube宇多丸氏のやっているラジオ番組の音源を見つけて聴いてみた。
映画に詳しい氏が、自身がパーソナリティを務める番組の中で、毎回映画批評を行うコーナーが名物的らしいのが、たまたま先日自分も松本人志監督第二作「しんぼる」を観ていたこともあって、まずは「しんぼる」批評の回を視聴。
いや、これがあまりにも的を得ていてびっくり。
自分が観た感想は「なかなか面白かったんじゃない。悪評が多いらしいけど、そんなに酷いとは思わないけど…」といった漠然としたものだった。
それがこの映画のどこに問題があるかということを、決して揚げ足取りではなく、冷静に指摘し、こうあるべきだったという提案もおこない、様々な角度から検証している。
映画というフォーマットに偏愛をそそぐ者としての厳しい意見を率直に、しかもアカデミックなアプローチで語り倒している。
これだけ多くの言葉を放ちながら、言葉のチョイスミスもほとんどなく、聴く者に意図をしっかり伝えているのはすごい。ラジオ向きの希有な才能なのだろう。