「モチベーション3.0」

モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか

モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか

すいません、この本読んでないです。
ただ、目にした書評で知った概要だけでもなるほどと思うところがあったので…。

生存維持のための本能をver.1.0とするなら、信賞必罰(アメとムチ)による動機付けによって行動することは2.0と言える。お金や名誉欲しさに拡大、成長を目指すと同時に、社会的制裁を受けたくないがために、人の行動は制限される。長らくこの2.0に則って生きてきたが、果たして人はそれだけのために生きているのか。
カネにならないことは全くやりたくないのかというと、決してそんなことはない。カネにもならないが、自分の興味があることだったりすると、むしろ集中し執着して尽力したりするものだ。外部から与えられた動機付けではなく、それは自分の内側から沸いて出た欲求だから。それをこの本ではモチベーション3.0と呼び、金銭による成果主義から脱却して、我々のOSもそろそろバージョンアップしましょうよ、ということらしい。
こういう考え方好きだな。理屈として自分の中に導入しやすい(笑)。

内田樹先生のブログを拝見したら、社内での公用語を英語にする企業が増えてきたことに対する考えを述べられていた。
〈「仕事はできるが英語はできない」という人間を排除して、「仕事はできないが英語はできる」という人間を残した企業がそれによってアクティヴィティを高めるであろうという見通しに私は与さない。〉
など、激しく同意。ただそこから先生は、〈中学で教えるすべての教科の中で、英語は唯一例外的に「その意味も有用性も、中学生にもわかるように開示されている」教科である。
そのような教科の学習意欲がきわだって低い。
これを「おかしい」と思う人はいなかったのだろうか。〉
と教育の現場に対する提言も行われている。
〈「それを勉強することで、あなたは努力と報酬が相関し、能力と年収が精密に対応する雇用関係にはめ込まれることになるでしょう」と予告されて、嬉々として勉強する子どもがどこにいるだろう。〉
という意見に「なるほど」と思うと同時に、この「モチベーション3.0」という著作のことを思い出して、さすがに知の最前線にいる方たちはシンクロしてるわ…という妙な感心の仕方をしてしまったのだった。