「村上春樹ロングインタビュー」

考える人 2010年 08月号 [雑誌]

考える人 2010年 08月号 [雑誌]

「考える人」の8月号。この雑誌を買うのは初めてだった。もちろん、春樹氏のインタビューが読みたいがためだけに買ったのだが、このロングインタビューは確かに決定版だわ。内容が充実しているので、発売からしばらく経つが、この間もう何度も読み返している。
名言が多いので、気に入った部分をポメラで書き写していったら、そのほとんどをテキストに起こす作業をしてしまったほどだった。
自作についてめったに語ることのない春樹氏が、ここまでじっくりと過去も振り返り、自作についても丁寧な解説を試みていることがあまりにも貴重。
しかもその自作の解説が的確すぎて、今までいろんな評論家が深読みしたり穿った見方をしたりして書かれたものを読んできたが、あれはなんだったのかと後悔するほど。
なんだ、やっぱり本人の言葉が一番正しいんじゃないか。やっぱり深い考えのもとに氏の作品は書かれてきたのだし、その創作に対する姿勢も真摯なものだったのだということがよくわかる。
ファンとしては、信頼が揺らがなくなったことが何より。「たいしたことない」という周りの声に惑わされなくて済むし。