「アドリアーナ・カルカニョット来日公演 @よみうりホール」


楽しみにしていたアドリアーナ・カルカニョットの来日公演。
会場の有楽町・よみうりホールには初めて来た。
結構古い会場だが、ちょうどよい広さで見やすい感じ。1Fの真ん中くらいの列で、なかなかいい席だった。
ドラム…というかパーカッション?、とウッドベースとギターのトリオに、アドリアーナが立って歌うというミニマルな編成。
新作「サンバの微生物」の曲を中心にじわじわ盛り上げて行く前半。
とにかくドメニコ・ランセロッチの叩き出すグルーヴがすごい。普通のドラムキットではなく、ベダルを踏んで鳴らすのはスルドのような伸びのある響きの太鼓。ハイハットは使わず、リムショットで刻み、マレットやスティックを頻繁に持ち替えて、様々な音色を自在に操る。いつまで聴いていても飽きない。
ベースもギターもテクニックはもちろんだが、表現力が素晴らしいので、同じサンバの曲調でも印象が変わる演奏を聴かせてくれる。
自らギターをつま弾きながら歌うアドリアーナの姿を想像していたので、演奏をすべてバンドに任せ、ダンスを踊りながら歌う姿を意外に思ったが、こういうスタイルもいいな。
マイナー調のサンバが続き、客席がじっと聴き入ってしまうと、曲の後半では電子楽器の変わった音を鳴らしたり、シュールなパフォーマンスを見せたりして会場を沸かせる。
ユーモアを交えながらも、歌のパフォーマンスは高いレベルをキープする、緊張と緩和のバランスが絶妙のステージだった。
個人的には自分の聴きたかった曲がほとんどプレイされなかったのが残念ではあったが、今回はとにかくこのバンドの演奏を中心にした公演であったであろうから、いずれまたシンガーソングライターとしてのアドリアーナにスポットを当てたライブが実現してくれることを願う。

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