「未知との遭遇」

Close Encounters of the Third Kind」…こんな原題だったんだ。
第3種接近遭遇」という意味で、第1種が「至近距離からの目撃。物理的影響を与えないもの」と、第2種が「周囲の生物や環境に何らかの物理的影響を及ぼすもの」との遭遇。それに対して第3種は「UFOの内外に搭乗者を目撃したもの」との遭遇ということらしい。
1977年公開の、スピルバーグの代表作のひとつで、超有名な作品だが、なんとこれを今更ながらワタシは初めて観たのだった。すでにどんな話かは大体わかってしまっているので、すっかり「既知との遭遇」になってしまったわけだが。これも「宇宙人ポール」のための予習として。
2011年の今になってこの作品を観終えて、「で、宇宙人出て来て、この後どうしたの?」と安易に突っ込んでしまうのはフェアではない。やはり70年代にこれが作られたということに思いを馳せて、さぞや当時は大きな話題を呼んだだろうし、想像力をここまで拡げられたのは、到達点としてかなり高みにあったと評価するべきなんだろう。その後散々作られた宇宙を扱った作品のベースには必ずこの作品があるわけだから。
宇宙人が侵略者として描かれていないところは、やはり当時のスピルバーグならでは。夢があっていい時代だったんだなあと、しみじみもする。
現代のようにアメリカの独善性があらゆるところで歪みを生み出している状況とは違って、当時はアメリカのフロンティア精神のあくなき探求が、人類の進歩に直結していた、そのことに疑いを持たなくて済んでいた、確かにある種幸福な時代だったのだ。

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