「交通ウグイスの実態スペシャル。」

今週はTBSが聴取率調査週間(スペシャルウィーク)ということで、「粋な夜電波」も特別企画を用意。『交通ウグイスの実態スペシャル!』と題して、いつも番組の中で交通情報を読んでくれている、阿南京子さん、碓氷浩子さん、山崎景子さんをゲストに迎えてトークをするという異例の試みとなりました。
普通は交通情報を読み終わった後の方にパーソナリティが話しかけたりはしないものなんだそうですが、AMラジオの他の番組がどうやっているかを知らなかった菊地さんが何気なしに話しかけてみたところ、交通情報を読む方のいろんな個性が明らかになってきて、すっかり番組の名物コーナーになってしまったという、不思議な流れから出来たちょっと変わった企画です。
正直、菊地成孔ファンとしては、交通情報のお三方の話より、いつもの菊地さんのトークと選曲の方が聴きたかったりもしたのですが、AMラジオ的には大いに盛り上がったようですので、たまにこういう企画があった方がリスナーの幅が広がったりするのかなとも思いました。
とはいえ、決してフリートークに慣れているとはいえない女性を三人も迎えて、機嫌良く語らせ、興味津々のリスナーからの要求にも応えていくという、ホストとしての振る舞いも見事にこなす菊地先生、さすがです。
これに味を占めたスタッフが、いろんなゲストと絡ませるなど、どんどん無茶ぶりをしていかなければいいのですが…(笑)。
お三方が「交通情報ウグイス」になったいきさつをそれぞれ語られた部分を文字起こししてみました。
[rakuten:hmvjapan:11807254:detail]

菊地 …え、じゃあ皆さんはどう…、なんつったらいいんでしょうね。ほら、小さい頃は、お嫁さんになりたいだとか、お菓子屋さんになりたいとか…、アイドルになりたいとかね、歌手になりたい…とか、いろんな夢があってこう…なってきたと、いろいろ紆余曲折あったと思うんですけど。この、交通キャスターになりたいとなってきたのはどういう流れによるものなんですか? 阿南さん…
阿南 あ、私はね、交通情報をやる前に、このTBSラジオで枠アナをやったり、テレビでちょこっとTBSでお仕事をさせていただいたりしてたので、その流れで…
菊地 ああ、その流れで。じゃあその、一番最初はタレント志望というか、そういう感じですか。
阿南 えっと、志望っていうか、まあ、おしゃべりの仕事をしたいなっていうことで。
菊地 それこそあれですよね。昔だと…まあ、話がアレですけど、落合恵子さんとか…
阿南 ああ〜。学生の頃は聴いてました。
菊地 ラジオでハスキーな声でハガキを読むっていう…素敵な声のお姉さんっていう仕事がありましたよね、昔。
阿南 あの…レモンちゃんですよね。
菊地 そうです、レモンちゃんです。「スプーン一杯の幸せ」ですよね。…昭和の話ばっかりでね(笑)。あれですけど。
阿南 しょうわないわね。
碓氷 (笑)。
山崎 出た!出た!今!(笑)。
菊地 はい。今は阿南さんの目から「ちゃんと捕れよ!」っていう光線が出てから…ね。さっき抜き打ちで来たんで捕れなかったですけどね。はい。今みたいに光線出していただけると、はい、捕りますんで。
阿南 はい、わかりました(笑)。ありがとうございます。
菊地 そうですか〜。しょうわないですよね。
碓氷 (笑)。
山崎 ウケる…(笑)。
菊地 …やっばいな…。へえ、そうなんすか。え? 碓氷さんはどういう…この流れでこの仕事に…
碓氷 私は、えーと、地方局でアナウンサーをしてて、辞めて、東京に戻って、それでその後フリーでずっと…やっぱり喋る仕事をしてる中で、たまたま友達が…、友達の後輩…静岡放送に行ってた友達の後輩が、ちょっと交通情報をやることになってたんですね。
菊地 はいはい。
碓氷 でもその方がちょっと出来なくなって、で、お友達からの紹介で、あの…TBSの担当の方とお目にかかってやらせていただくっていうかたちになったんですけど。
菊地 じゃあやはり、最初から声の仕事をされるってことは決めてたんですか。小さい頃からですか?
碓氷 それは小さい頃からは違って…
菊地 碓氷さん、小さい頃は何になりたかったんですか。
碓氷 私、小ちゃい頃?…何になりたかったんだろう…。
菊地 思い出しましょうよ。小学生の頃…
碓氷 アタシ…は、小学生の時は…、あ、なんか物を作る人になりたかった…
菊地 今もやってるじゃないですか!
山崎 (笑)。
菊地 ずっと作り続けてるじゃないですか。ハワイアンキルトで(笑)。
碓氷 ま、そうですね。あの…、ただ、そのアナウンサー学校行ってる時は、お人形作ってちょっと売ったりしてたので…。
山崎 そうだったんですか。
菊地 売ってたんですか?(笑)。
碓氷 当時、三愛っていう女の子の洋服屋さんがあって…
菊地 ありましたね。
碓氷 ありましたよね、銀座とか…。
菊地 昭和の話ですね。しょうわないすけど。
碓氷 そこで、ちょっと売ったりとかもしてて。だからそっち行こうかこっちにしようか迷ってたんですけど。
菊地 はいはい。ハンドクラフトか声かで、二者択になったんだね。で、声になった…
碓氷 うん、でもこっち。
菊地 ああ〜。…あのね、その自分の声…なんつったらいいんすか。…歌手になり…ま、僕の仕事だと、歌手志望で歌手になった人ばっかりなんですよ、周りね。
碓氷 ああ〜、そうですよね。
菊地 シンガーはそうじゃないですか。だけど、その、自分の声を生かした仕事に就きたいと思うのってのは、いつ頃なん…ですか。流れって言っても、やっぱほら…皆さんお声も実際よろしいですし、あの…悪声じゃ務まらない仕事じゃないですか。ま、声だけじゃないですけど、もちろん。
阿南 (笑)。
菊地 …だって警視庁から交通情報を読むって、緊張を強いられる仕事じゃないですか。
碓氷 ああ〜、そうですね。
菊地 ですよね。あの〜、何て言うんですか…、他の仕事をディスるわけじゃないですけど、チャラく楽しい話して帰れるわけじゃないじゃないですか。
碓氷 ああ、そうですね。
阿南 人の不幸ばかり扱ってますもんね。
菊地 ですよねえ。その〜、…で、そっちに行くに、いずれにせよ、その…交通情報になるっていう流れはともかくとして、その前にまずは「声で行くんだ」っていうのが決まってくるわけじゃないですか。それってだいたいいつ頃から自覚されるんすか。自分の声を使って行こう!ってのは…。
阿南 私は中学生の頃に演劇部に入ってたので…。
山崎 おお〜。
菊地 …すごいっすね。いや、今吹いちゃいました思いっきりマイク。演劇ね。…演劇・フラメンコ・ジャズヴォーカルですよね。
碓氷 王道(笑)。
山崎 ほんとに。
菊地 なるほど。そん時にもう発声練習とかそういうこともあって。
阿南 そうですね。
菊地 ありーので。ア・エ・イ・ウ・エ・オ!…みたいな。
山崎 (笑)。
阿南 そうですね。「拙者親方と申すは…」ってやつ…。
菊地 はいはいはい。外郎売(ういろううり)みたいな(笑)。
阿南 そうですね(笑)。
菊地 あー、なるほど。碓氷さんは、その声のほかに、歌唄おうとか、そういうのなかったんすか。
碓氷 アタシはね、京子さん(阿南)ほど歌上手くないので。
阿南 とんでもない、とんでもない。
碓氷 でも、歌手、いいと思いますよね(笑)。歌手っていうか、あの…でも現実に声の仕事をしていこうと思ったのは、アナウンス学校に入って…。
菊地 あそっか、アナウンス学校…。
碓氷 アナウンス学校、行ったんですね私は。
菊地 ああ、なるほどなるほど。
碓氷 だからその当時、そういう中に入ってると、みんなでやっぱり一所懸命練習するじゃないですか。
菊地 目立ってたでしょ、その頃から。
碓氷 いや、そんなことないですよ。もっと目立ってた人が…いっぱいいます。
菊地 ああ、なるほどなるほど。いっぱいいるね。はい。
碓氷 で、そういう中でアタシ達の時は…、ま、男の子達はみんなスポーツアナで、キー局に入って、女性はあの…たまたま、アタシ達の頃は、東京とか地方とかが毎年あるとかってわけじゃなくて、その年は東京はなくて、地方局ばっかり…あったんですね。
菊地 はい。
碓氷 もちろん、東京だったら絶対入れなかったと思うけど、たまたまご縁があって、ちょっと地方に入れたので、で、その後戻って来て。友達がやっぱりみんな仕事をしてるんで…
菊地 ご縁に救われる流れですね、話聞いてると。
碓氷 そうそう、ご縁に。…いや、アタシはほんとにね!
菊地 今、手がナンマイダブって拝むようになりましたけど(笑)。
碓氷 皆さんのおかげ!…いや、あの〜それは思う!
菊地 なるほどね。
碓氷 周りの人達のおかげで、続けてこられた。
菊地 そう、ね!…いや、みんなそうですよね。僕もそうですよ、ほんとに。周りの人のおかげですよね。みんなそうですよね。
碓氷 うん。
菊地 当時のアナウンサー学校の頃から、「碓氷のテーブルにはお菓子があるから、あそこ碓氷の席だぜ」みたいな感じだったんですか。
碓氷 いや〜。それはなかったと思うけど。
山崎 (笑)。
菊地 当時は豆菓子じゃなかったと。
碓氷 豆じゃなかった(笑)。
菊地 え、山崎さんはどういう感じで…。山崎さんはアイドルになりたかったんじゃないですか?
山崎 違います、全然全然。
碓氷 バリバリの理系。
菊地 掘ったら出てくんじゃないですか。アイドル時代の写真とか…。
山崎 全然ないです。…いや、アタシ、理系女子だったんですけど…。
菊地 理系? 何やってたんですか。
山崎 あの、ほんとは医学部行きたくてずっと受けてたんですけど落ち続け、で、結局すべり止めで行った学部が、全然好きじゃない学部だったんですよ。
菊地 何学部だったんですか。
山崎 あの…工学部物質工学科っていうところで(笑)。
阿南 なんか…いかめしい(笑)。
山崎 尿中のたんぱく質の研究をしてたんです。
碓氷 (笑)。
菊地 ああ、物質工学って尿中のたんぱくとかとるの?
山崎 そう。尿中たんぱくの研究をずっとしてたんですけど、すごいつまんなくって。
菊地 それ医学部目指してて、工学部行って、尿中たんぱくとるって、一番つまんない流れですよね。
碓氷 (笑)。
山崎 ほんとなんかもう…ずっと…人の…尿を研究して…
菊地 山崎さん、今日…(笑)。
(ノーコメントの時に流す、ビートルズの「All you need is love」が流れ、お三方、爆笑。)
阿南 景子ちゃん最高(笑)。
菊地 ダメダメ。…「裸族」、髪かき上げ、「ずっと人の尿を…」…ダメです、山崎さん。これからもまだまだお仕事あるんですから。
山崎 すいません(笑)。
菊地 ま、そういった日々も、止め…
山崎 止め(笑)。で、その時たまたまFMヨコハマで、「AD募集」って書いてあって。それで、大学生の時にADやってたんですよ、私。
菊地 なんか裏方指向的な感じですね。
山崎 そうなんです。それで…
菊地 今阿南さんからね、オフマイクで「ウラカタ・シコウ(棟方志功)」ってギャグがね。
碓氷 (笑)。
阿南 言ってないです(笑)。
菊地 あ、入ってないですね。今、勝手に聞こえたんです。幻聴でしたけどね。…すいません。
碓氷 うまい!
菊地 とんでもないです。
碓氷 グッジョブ!
菊地 すいません。…へえ、そうなんですか。じゃあ、裏方指向で入って…
山崎 で、それで、あの〜「954キャスター」ってあるよって言われて、受けて…。でもアタシあの…ディレクターとかやりたかったんで、まさかしゃべるとは!って感じです。
阿南 ふうん。
山崎 はい。なので、意外な感じです。
菊地 なんかそういう人もいますよね。「景子ちゃん、やってみなよ。声いいよ」とか言われて、「ええ?そう?ほんとですか?」みたいな…
山崎 いや、全然。福岡出身なんで、すごい訛ってたんですよ。…なんで、アナウンス研修が、みんな三ヶ月くらいなのにアタシだけ2年間かかったんですよ。
碓氷 (笑)。
山崎 おかしいって言われて。
菊地 (笑)。ああ〜。訛り取りが大変だったんですね。
山崎 大変だったんですよ。「親と電話しちゃいかん!」とか言われて。
碓氷 (笑)。
山崎 2年間親と話せない、みたいな。
菊地 出家じゃないですか(笑)。
山崎 ほんとですよ〜。
阿南 今、全然ないもんねえ。
山崎 あ、ほんとですか。ありがとうございます。
阿南 今、両方ね。しゃべれるから。
山崎 はい、バイリンガルで。
菊地 トリリンガルですよね。
碓氷 あ、そうね。韓国語もあるからね。
菊地 へえ、そうですか。じゃあ今でも、なかば裏方もやってるんですもんね。さっき言ったみたいに、マイクさばいたり、マムシさん毒蝮三太夫)の背中にキュー出したりして(笑)。
山崎 そうです。なんかあの…音声技術の電波を出したりとかもしてるんで。中継に出る時に。
菊地 へえ。なんかこう…なんつったらいいのかな。今後の…夢?ていうか、この交通情報を読みながら…、なんつったらいいんですか、まだお若い…じゃないですか。いや…あの…。
(再度、ビートルズの「All you need is love」が流れ、お三方、爆笑。)
菊地 すいません。どなたがなんだってことじゃないんですよ。…すいません、そういうことじゃないんですよ。
碓氷 はいはい(笑)。
菊地 …これからこうしたい、ああしたい…例えば、まだまだプロデューサー、ディレクターの道も残されている…
山崎 いや、あります夢は。…あの私、韓国のラジオ局の…ずっと聴いてるんですよ。毎日聴いてるんですよ、MBCラジオ。
菊地 MBCね。はい。
山崎 で、そのMBCラジオの交通情報をやりたい。
阿南 ええっ!?
山崎 …な、と思うけど、多分無理だと思います(笑)。
菊地 いや…いけるんじゃないですか。…まずは語学…ですよね。
山崎 いや、外国人がやるのって、なかなか発音が難しいと思うんですよね。なんで、ほんとの夢は、ちょっと出るだけでもいいんですけど、向こうのラジオ局に出たい。
菊地 なるほど。へえ〜。
碓氷 それは大丈夫よ、きっと。出れるわよ。
山崎 なんで!(笑)。
菊地 碓氷さん、根拠ないですよそれ(笑)。
山崎 そんな適当に言わないでくださいよ(笑)。
碓氷 根拠なくても、思ってたらなる!…ような気がする。
菊地 あの…それ、AB型っぽいすね(笑)。
阿南 まずいんじゃない?(笑)。
菊地 僕もね、漠然と…
碓氷 でしょ?
菊地 なんかね、根拠なかったんすけど。……「ジャズ・ミュージシャンかなあ…。」って思ってたら、なってた!(笑)。
碓氷 ああ〜、やっぱりAB型だ(笑)。

にほんブログ村 音楽ブログへ
にほんブログ村