「ナイト・ダイアローグ・ウィズ 」

OTOTOYという音楽配信サイトの存在をつい最近知り、そこでペぺ・トルメント・アスカラールやダブ・セクステットのライブ音源が多数販売されていたので、ちょっとびっくり。
その中にトークイベントを録音したものも配信されていたので、購入してみました。
東京・尚美バリオホールで行われた「菊地成孔のナイト・ダイアローグ・ウィズ」の vol.4、vol.6、vol.7、3回分が購入できるようになっており、中でもvol.6とvol.7は、2010年に菊地先生の00年代の活動をまとめた全集「闘争のエチカ」が発売されたのを記念して、故・川勝正幸がホスト役になってこの10年間の活動を振り返るという内容でした。
最新の話題ではないので後追いになってしまいますが、先日の訃報を聞くまで、菊地先生と川勝さんが親交が深かったということを知らずにいましたので、お二人でどんな感じで話されていたのか、どうしても聴きたくなったので。
価格は600円ですが、2時間分みっちり中味の濃い話がされていて、聴き応えがありました。
川勝さんはやはりそのお人柄が声にもよく表れていて、相手の話をしっかり聞いて、必要以上に口を挟まない、それでいて的確なコメントをされていて、好感を持たずにいられない感じ。話が理屈っぽくなりそうな時でも和ませるようなことを言っていながら、実は誰よりも菊地さんのことを理解してくれているような気がしました。
DCPRG結成のいきさつや、SPANK HAPPY解散の真相など、キャリアを振り返りながら語る中で、音楽に対する姿勢などがはっきり示される重要な話も聞けて、菊地先生本人は照れ隠しでよく冗談でごまかしたりしますが、やはり明確なコンセプトのもとに強いメッセージを込めた作品を、世の中に投げ続ける意味はあると信じて活動されていることが伝わりました。
川勝さんが亡くなってしまった今、あらためて聴き直すに値する記録作品だと思います。
…それにしても、このOTOTOYというサイトの充実ぶりはありがたいけれど、他にも聴きたいライブ音源などがありすぎて、正直音楽作品は価格がちょっと高いので、これコンプリートしようと思ったら、いったいいくら注ぎ込めばいいのだ?と空恐ろしい気持ちになるなあ…。

闘争のエチカ(上巻) “L' éthique de la lutte Un” [USB]

闘争のエチカ(上巻) “L' éthique de la lutte Un” [USB]

にほんブログ村 音楽ブログへ
にほんブログ村