「やばいぞ、バンアパ。」

Scent of August

Scent of August

5月30日のO-EASTでのthe band apartのライブ、チケットはすでに買ってある。
バンアパはかなり好きなバンドなのだが、なにげにライブはフェスで何度か見ているだけで、単独は行ったことがなかったりするので今から楽しみだ。
しかし、実は昨年出た今のところの最新アルバム「scent of August」はまだ買っていなかったので、ライブの予習のために今さらながら買って聴いた。
発売してすぐ買おうと思ったのだが、個人的に紙ジャケットのCDがあまり好きではなく、4枚目の「Adze of penguin」を初回の紙ジャケットで買ったら、まもなくしてプラケース仕様の通常盤が発売されたこともあったので、少し待ってみようと思ってたらそのまま先延ばしになってしまっていた。
…という理由もあるが、実は試聴した時に、正直あまりピンとこなかったんだよね。
今回、ライブの予習のためにと思ってあらためて通して聴いたが…。
…やばいんじゃないかな。
良過ぎてヤバイというのではなくて、大丈夫かな?という不安が。
…うーん、はっきり言って、全然良くない!…案の定というか、恐れていたことではあったが。
いや、クオリティが低いというのではなくて、すでに過去にやった曲に似過ぎていて、まったく新鮮味がないのだ…。
4枚目あたりからすでに、歌メロが尽きつつあるなというのは薄々感づいていたけど、それでもサウンドに新しいアイディアがあれば全然聴けた。
ミニアルバム「the Surface ep」も、パッと聴いた時は、毎度おなじみのバンアパっぽかったが、繰り返し聴くと、1曲の中でいろんな展開を詰め込んだり、リズムで新しい試みをしていたりして、結果的には最も好きな1枚になった。このアルバムをほぼ全曲演奏した一昨年のROCKS TOKYOのステージも最高だった!
しかし、今回のアルバムはギターのリフも、ベースのタイミングも、リズムパターンも、すでに過去にもうやった曲の焼き直しに聞こえてしまうなあ。…まだざっと数回聴いただけだから、もうちょっと聴き込むと印象が変わってくるのだろうか。
今回の「scent of August」には、全曲の歌詞対訳が付いた、しっかりとしたブックレットが入っているが、ひょっとして歌詞や曲のメッセージで一歩先に進んだ手応えを感じているのかな?
…しかし、バンアパ聴いてる人はあんまり歌詞の内容に深みとか求めていないんじゃないだろうか。少なくとも自分はそう。歌詞は中学生英語(…失礼。)なぐらいの方が、逆にサウンドに耳がいくからいいぐらいに思っている。
バンアパは、作品によってプロデュースの仕方を変えたり、ゲストミュージシャンを迎えたり、新しい楽器やサウンドを試してみたりといったことで、フレッシュさを出すようなバンドではないから、アレンジやアンサンブルの工夫が肝なのだ。
いや、そんなことは本人達が一番よくわかっているだろう。「この曲、前のと同じじゃん!」と思ってたら、楽しんで演奏できないはずだ。…ということは、それなりに新しい工夫をこらしたという手応えがあるから、新曲として発表しているのだろう。
さすがに10年以上も活動して、6枚以上もリリースしているのだから多少やり尽くされた感が出ても仕方ないとも言えるし、バンアパはどんどん進化しているという思いから期待が大き過ぎたというのもある。
あと、過去の曲を少しアレンジを変え、インタールード的に挿んでいるのも含め、ちょっと曲数が多いような気もする。実は後半最後から3曲くらいでは新境地を開拓しつつあると感じる曲もあったりするのだが、アルバムとして頭から通して聴いた時の印象が…あまりにがっかりしたもので、あえて苦言を。
とはいえ、ライブとなれば新旧織り交ぜたベストのセットリストにしてくれる(と期待)だろうし、演奏についてはもう文句ないわけだから、最高なのはまちがいないだろう。そこは心配していない。
…めずらしく短いインターバルで新作をリリースしたからなあ…。インディーズなんだし、あせって次を作ることもないと思うんだが。海外ツアーに向けて、自分達の集大成のようなアルバムを作っておきたかったのかもしれない。そう好意的に解釈して聴くと、確かにバンアパ得意技がいっぱいつまった一枚だともいえる。
個人的には、ここらでカバーアルバムでも作ったらどうかな〜と思っているのだが。
「何をやってもバンアパ!」というのを逆手に利用して、意外な選曲のカバーをまとめて聴けたら面白いと思うなあ。

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