「STAY」

Drive」を観て、ますますライアン・ゴズリングが気に入ったという話をしていたら、職場の方が「なら、これ知ってる?」と貸してくださったのがこのDVD。
ユアン・マクレガー主演の「STAY」…。いや、まったく知らなかった、この作品。
確かに、ナオミ・ワッツと共に、ライアン・ゴズリングも主演となっている。
2005年、監督はマーク・フォースター。…といっても名前を聞いたことがある程度で、よくわからない。
パッケージの裏面をよく読まずに、どんな内容かわからないまま観始めた。
しかし…結果から言うと、あらすじを読んでいようがいまいが関係なく、非常にわかりにくいストーリー。
ラストでとりあえず「ああ、そういうこと…。…はあ。」と謎が明かされるものの、結局どういうこと?という疑問は解決せず、腑に落ちないままの映画だった。
サイコ・スリラーとされているが、「シックス・センス」のややこしい版というか、確かに「え?何?それってどういうこと?」「最終的にどうなるの?」と思いながら観ていくので、興味の持続という点ではミステリー的な引きが強く、そこまで退屈はしなかった。
しかし、個人的には好みの作品ではなかった。
ただ単に思わせぶりというか、時間軸をちょっと前後させたり、映像的なトリックを多用して、はぐらかし続けて引っ張るのに、やや苛々すらしながら観た。
しかも映像が凝っているのは確かだが、これみよがしにいろんなテクニックを使い過ぎ。無意味にカット割りも多く、ただ人物が会話しているだけの場面すら、落ち着いて観ていられない。チャカチャカチャカチャカ切り替えるんじゃないよ!
ひと昔前だったらそういう映像テクニックを駆使した場面の転換、例えば人物の顔にぐっとカメラが寄っていって、サッと引くと違う人物に入れ替わっていて、その同時に別の場所でのエピソードに切り替わったりするのを、「うまい!」と喜んで観ていたのかもしれなかったが、今の自分にはわざとらしく、くどく感じた。
強いてあげれば、90分強という尺にまとめていたところはよかった。
役者の演技はよかった。ユアン・マクレガーも大げさに演じることなく、淡々としていながらも、謎に翻弄されるその困惑ぶりがよかった。
ライアン・ゴズリングも、まだこの頃は若さが前面に出ていて、ちょっとナルシスティックでありながら、ナイーヴな青年を演じて、強く印象に残った。
ユアンもこの作品を踏まえて「ゴーストライター」に繋がるのだし、ライアンもこれを経て「ブルー・バレンタイン」に繋がるのだと思えば、なんだそれぞれの役者にとってはいいステップアップとなった、なかなか重要な作品なんじゃないか、とも思える。
脚本のデイビッド・ベニオフ「25時」とか、小説も発表しているらしい。この作品もアイディアは悪くないし、小説とかで読むと面白かったのかも。
この脚本、デヴィッド・フィンチャーだったら、もう少し整理されて完成度の高いものを作ったかもしれないとか思ったりも…。
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