ソウルBAR〈菊〉、誌上再現。

通算60回!を迎えた「粋な夜電波」はソウルBAR〈菊〉開店!
シーズン3は時間帯が早いので、しばらくお休みと言われていた人気企画「ソウルBAR〈菊〉」ですが、要望が多いので久々に開店ということで、うれしい限り。
曲紹介の部分を文字起こしして、YouTubeのリンクを張りました。番組再現用のリンク集としてご活用いただければと思います。
いや〜、番組で紹介していただいた曲、全曲ツボです!

ELEMENTARY ~ EXPANDED EDITION(HMV INTERNET)

ELEMENTARY ~ EXPANDED EDITION(HMV INTERNET)

アナン前国連事務総長、君はとてもジェントルかつスマートな男だと信じるが、だからこそシリアに対して、もはや何のプランも、プレッシャーをかけるオーラもないことも、君は自覚していると思う。このままただ手をこまねいて見ているだけならいいアドバイスがある。この曲のCDを持ってシリア入りし、出来る限りの大音量で彼等に聞かせて欲しい。その時はこう言うんだ。「絶対一度くらいはお聞きいただいていると思いますが、もう一度あらためてお聞きいただきたい。」と。「これを歌っているのは、実は売れない頃の私で、当時私は本名ではなく芸名を使っていました。」と。
今夜はドナルド・ダック・ダン、チャック・ブラウン、ドナ・サマー…、そしてダンスフロア、もしくはソウルBARのシートで、一度でも愛の真実の存在を感じたことがある、すべての人々に。

べーやん「YO-YO-YO、YO-YO-YO、YO-YO-YO-YO-YO-YO-YO!…て三三七拍子、ドユコト?」
店長「それオマエ、それオレが前に言ったネタじゃねえかよ。」
べーやん「いやあ、一回ウケたら何度でもやるのがソウル・ミュージック魂っスよ、店長〜。でも、早くないすか?早くないすか?…夕方明るいうちからの開店。まだ牛乳屋さんが遅めの牛乳配ってマスよ。昼キャバじゃないんスからないんスから〜。」
店長「いいんだよ、客がもう並んでんだからさ。…たんまりと過去の傷を背負いながら、その古傷に毎夜ウイスキーを垂らしては染みているマゾヒスト、しかも『いい曲はねえか、いい曲はねえか』と腹まで空かせた永遠の欠食児童どもがな!…そいつらを腹一杯にする、それがソウルBARの使命じゃねえか。」
べーやん「ええ〜…スパムの卵炒め100個とか作らなくちゃいけないんスか?…ダンクラ聞きながら。鍋屋みたいにガスコンロいっぱい置いてセルフにしましょうよ。スパムは自分で切り、卵は自分で割ってかき混ぜな!…サラダオイルとシーズニングソルトは無料だぜ、DO IT YOURSELF, MEN!」
店長「…どんだけ選曲に凝ってる料理教室なんだよ!…それに『ダンクラ』『ダンクラ』言うな!…いつもAMばっかり聞いてるアニソン以外は何も知らないガキ共の皆さんが、検索始めて小忙しいじゃねえか。ダンクラ軽くみて、エレクトロのダンス・ミュージックばっかり聞いてるとな、自分的にはそこそこエッジなつもりが、ヌケの悪いごくごく普通の人になっちゃうんだぞ!…こんな恐ろしいことがあるか!…そんなありきたりな、マスメディアによる去勢を回避し、セックスと愛を取り戻す、それもソウルBARの使命だ!」
べーやん「アイアイサー!…アースで踊りながら、ブランデーの7UP割とウイスキー・ミルクをひたすら出し続け、そして色目を使ってきた客を口説きまくるであります!」
店長「この曲にティンパニーが入ってることに気が付くまで、オマエ何年かかった?」
べーやん「自分は三年であります!」
店長「よっしゃ、合格だ。今夜もSPINNING TOE HOLDでいこう。70年代末にいっぱいいた、ホットパンツのローラーガールのようにな。…あ、リスナーの皆さん、ローラが好きな女の子のことじゃないヨ!」
べーやん「誰もそんなこと思いませんし、全然似てませんよう。」
店長「ソウル・ミュージックに対し、『うわ〜、この曲懐かしい。あの頃自分は若くてね…』という感慨にすがりついたまま、死を待つ以外何もすることがない中年の善人どもを、全員蘇生させるんだ!」
べーやん「ブードゥーですね。ガンバレ、ニューオヤジ!」
…それではお待ちかね。ソウルBAR〈菊〉、シーズン3最初の開店は、成層圏を突き抜け続けた天空の集団「アース・ウインド&ファイアー」78年の一撃。「Boogie Wonderland」からのミュージック・ノンストップでお送りして参ります。


べーやん「店長、こっちは世界的に有名なアースじゃなくて、ソウルファンしか知らないアースじゃないですか。」
というわけで、同じく1978年、こちらはヘヴン&アースによります「No Limit」です。



それでは、やはりこちらもグレイト・ヴィンテージと言われてる72年の曲を聞いてみたいと思います。
…はい、70年代マイルス・デイヴィスの、いわゆるエレクトリック・マイルスのメンバー達が、その後80年代はこういう音楽をやっていたということは好事家の間では有名です。たくさんの物件がありますが、その中でも愛されている物件の中のひとつと言えましょう。パーカッションのエムトゥーメイとですね、バッキング・ギターのレジー・ルーカスが作っておりましたSUNFIREですね。


はい、同じく82年、グレイト・ヴィンテージですね。…アトランティック・スターの82年のアルバム「Brilliance」より「Perfect Love」という…このアルバムも…まあ、アトランディック・スター史屈指の名作でもあります、4作目のアルバムとなっております。


キューバ・グッティングJr.…俳優がいますね。彼の父親キューバ・グッティングはミュージシャンです。よくこうしたアルバムで、レコード会社からのプレスシートに「捨て曲1曲も無し。全曲いい曲…」みたいな煽り文句が書いてあって、99%は嘘なんですけども、このキューバ・グッティングのファースト・アルバムに関しては、捨て曲1曲も無し…これはホントです。


はいはい。これもDJのマストアイテムですけどね。…同じアルバムから違う曲かけたことありますけども、ロイ・エアーズの「Lots of Love」より、最も人気が高いトラック「Chicago」ですね。


ちょっと染みる系いきますか。…まだねえ、染みるには「東京は夜の七時」ですけどね。染み始めるには早過ぎるぜ…って話ですが、まあ…染みましょう。(笑)…染みましょう!って決断もどうかと思いますけどね。これなんかでもういきなり…染みてみませんか? ジ・アルディミッツですね。1969年…69年もグレイト・ヴィンテージです。



はい、番組でも2曲紹介したことがあります、ザ・プレジデンツ。…まあ、ワタシがもっと今よりケチンボで気前が悪かったら、番組一回このアルバムの曲全曲流して終わりにすると思いますよ。捨て曲無し。「 The Sweetest Thing This Side Of Heaven」…「天国のこっち側にある、一番甘い物」というタイトルですね、ご堪能ください。


♪M9 My Cherie Amour/Jorge Santana
ちょっと南のもんも聞いてみましょうか。なんとですね、カルロス・サンタナの弟…によるインスト・アルバムによる、スティーヴィーの「My Cherie Amour」のカバー。と、これがものすごい出来がいいので、こちらちょっと珍味ですね…お楽しみいただきましょう。


べーやん「ねえ、マスター。これひょっとして…そ、そ、そ、そっくりじゃないスか。これひょっとして元ネタ?元ネタなんでは…」
店長「オマエ、元ネタとかねえ…そういう野暮天なこと言うもんじゃないんだよ。あの…そういうことは…とにかくね、誰でも聞けば分かるんだから。カーディス・メイフィールドが元ネタにしてるのが、グッチ裕三さんだということは(笑)。


はい、これは前か前のソウルBARの時にインスト…歌の入っていないヴァージョンをオープニングにしたことがありますね。マーヴィン・ゲイです、言わずもがなですね。


はい、ワー・ワー・ワトソン。「あんだけ活躍してるのに、自分のソロアルバム1枚しかないんだよね〜」っていうフォルダーに入る、その中で特に有名なひとりですね。ワー・ワー・ワトソンの唯一のソロアルバム「Elementary」より「Sunset Boulevard」。
ハービー・ハンコックジョー・サンプルデイヴ・グルーシンがキーボード。ドラムにオリー・ブラウン、アーロン・スミスか。ギターにレイ・パーカーJr.にデイヴィッド・T・ウォーカー、サックスがベニー・モーピン…これはすごいですね。ルイス・ジョンソンも入っております、ウィリー・ウイークスも入っております…ウィルトン・フェルダーも入っております……要するに、あんまりにも豪華過ぎて美味しいんだかなんだかわかんないぐらい豪華な幕の内弁当みたいなね。当時の平均値とも…逆に言うと。ま、これ76年、78年に比べるとヴィンテージ下がりますけども、とはいえ爛熟した年ですね。このくらいいるのが当たり前(笑)みたいな時代。また割れてって80年代になると、みんな散っていきますけど、この頃はなんか…みんな仲良く楽しくやってる感じですね。


べーやん「お、なんかいきなり…店長、シブイ選曲になってきたじゃないスか。でもこれあまりに普通っぽすぎませんか?」
店長「いやいや、そんなことないんだ。これは歌ってる女性が、なんと琴とハープを弾きながら歌ってる、ジャズ・ハープ奏者だということを念頭に置きながら聞いてくれ。」
べーやん「わー、びっくしシター。」


はい、これだーれだ?…スモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズによります、ビートルズのカバー「And I Love Her」ですね。


店長「日本のトラックも聞いてみましょうか。」
べーやん「え〜…日本のトラック聞いてみましょうか…店長、とはいえコレですか、こ、こ、これですか。この店辞めさせていただきマス!
店長「え?辞めてどこ行くんだ?」
べーやん81.3(kHz)に行ってオシャレな番組を作りたいと思いマス!」
店長「もう行けばいいだろ、勝手に!…好きなだけオシャレな番組作れよ。」

…はい、2000年の曲ですね。いろんな意味合いが…嫌々含まれちゃったというかですね。EXILEの先駆というような側面も持ってますし、もうすでに活動体としての力を失い切ってしまったおニャン子クラブのアフターとして、秋元康さんがとんねるずさんを使って、これからオトナの遊びの感じだっていうアダルト路線を出しかけた…あ、作曲は後藤次利さんです、確か。素晴らしいお仕事だと思いますけどもね。
ちなみにヴォーカルのCAさん、この時確か照明の方かなんかだと思うんですけども、のちにナインティナインさんのマネージャーの方と結婚して、業界を引退されたということだそうです。
あれから…このアルバムが出されてから2001年がやってきて、そして2011年がやってきて、今2012年ですけれども、秋元さんのお仕事、また一周しまして現在のような形に至っているというようなことではないでしょうか。


最後に「What's Going On」を聞きますが、これ、だーれだ?…レス・マッキャンです!
お相手は菊地成孔でした〜。

First impression/泳げない魚/TODAY

First impression/泳げない魚/TODAY

にほんブログ村 音楽ブログへ
にほんブログ村