「『第二期Spank Happy』は早過ぎたのか?」


先日の「吾妻ひでお×菊地成孔」のトークイベントの中で、「吾妻先生がお仕事中に流している音楽があったら教えて下さい。」という観客からの質問に、吾妻先生が「Perfumeは好きでよく聞いています。」と答えられて、会場が大きくどよめいたのが印象的でした。
しかも他のアイドルグループも聞くというわけではなく、ほとんどPerfumeのみだというので、「どうしてPerfumeだけが特別なのか?」とさらに問われた時に、「Perfumeは感傷的でない。感傷的なのは僕は嫌い。Perfumeには感傷ではなくて哀愁がある。」と答えられていたので、さらに皆膝を叩いたという。ちょうどPerfume好きの友人と観に行っていたので、思わずお互い顔を見合わせて頷いちゃいました。直感的に本質を見抜かれているようでさすが吾妻先生だと思いました。
そういうことを思い出しながら、岩澤瞳さん在籍時のいわゆる「第二期Spank Happy」を聞き返しているところですが、当時全く売れなかったといわれているけれど、今聞いても全然いいし、クオリティ的には見劣りしないとも思います。
今再結成したらどう評価されるのかな?とちょっと思ったりしたのですが、ちょうど面白いブログ記事を見つけました。
「Aerodynamik - 航空力学」というサイトの2010年の、「菊地成孔がPerfumeと相対性理論のヒットの理由を語る」という記事。
これを読むと、ああ再結成はないと菊地先生ご本人が仰っているのですね。さらに、「早過ぎたバンド」という評価も「過大評価だ」と(笑)。潔いというかなんというか…。
「吾妻先生不在の間に、日本の「萌えカルチャー」が大きく変質した」と感じ、それに対する自分なりの回答のような意味を込めてSpank Happyをやっていた、というようなことを仰っていたと思いますが、その発言を踏まえて聞くとなんとなくなるほどと思わないこともないです。
まあ、アニメとかにほとんど詳しくない自分は、「萌え」の何たるかもわかってないとは思いますが…。
とはいえ、80年代のあの過剰さの果てのデカダンな雰囲気をカリカチュアした「第二期Spank Happy」の音楽から、「屈折した慈しみ」を感じることは、今でも可能だと思ってます。
オリヴィア・ニュートンジョンの「フィジカル」をカバーしたというのも、深読みすると面白いですね。

フィジカル(虹色の扉)

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