「夜の踊り子」



サカナクションのNEWシングル「夜の踊り子」、ライブ・パフォーマンスが収録されたDVDが観たかったので、初回盤で購入。
タイトル曲は疾走感のある軽快なビートに、童謡のような歌い出し(笑)。ちょっと意表を突かれるが、Bメロでサカナクション節全開。
歌メロだけを聴くと、過去の曲に似通っているのだが、歌と伴奏という構造からどんどん遠ざかっている。独特な歌詞もこのバンドの特長のひとつだが、最近は音韻的な要素よりも音響的な要素の進化のほうがめざましいようだ。
トラックの気持ちよさと展開の妙で聞かせながら、同時にポップソングとしても成立させているのはさすが。山口一郎氏はシングル曲で打って出る時の方法論に確信を持っているのだと思う。
付属のDVDを普通のライブ映像だと思って観始めたら、遠くからの固定カメラの映像がずっと続く…。あれ?…ステージにカメラが寄ってもいかないし、山口一郎の顔どころか、ライトが当たらないと他のメンバーの姿も見えない。
シングルCDのオマケだから、簡単に作られたものなのかと思ったが、全然違った。すいません。
よくよくライナーを読んでみると、無観客の会場でのパフォーマンスを、ライティングや特殊効果も含めたステージング全体を収めるように、客席後方の位置から定点カメラで撮影したもので、ライブを独り占めしているかのような臨場感を味わえるように特別に作られたものだというではないか。だから〈ZEPP ALIVE ALONE〉なのか!
音もバイノーラル方式で録られていて、ヘッドフォンでの再生に適しているとか。
そういえばそんなことTwitterで読んだような…と思って、慌ててテレビのイヤフォンジャックにヘッドフォンのプラグを差す。
ちょうど曲が「僕と花」のsakanaction Remixに突入したところで、暗転してからの〜メンバー5人がクラフトワークみたいに横並びで、それぞれがラップトップを操作するという、その映像もクール過ぎてしびれたが、何よりもヘッドフォン通して聴いたそのサウンドのカッコ良さったら……。浮遊感に持って行かれそうになる。くわあ〜。やってくれますなあ、サカナクション
そのままメドレーで「ネイティブダンサー」「アイデンティティ」「ルーキー」とキラーチューンを連発。…完全にノックアウトされました。
いやいや、これは…このDVDのためだけでも1890円は超お買い得。
正直、「kikUUiki」がアルバムとしていまひとつに感じたし、武道館でステージの斜め後ろの最上階から観させられて落胆してしまったので、メジャーブレイク後のサカナクションからちょっと興味が失われかけていたのだったが、にわかに再過熱してきた。
ZEPPクラスで観れるのだったら、ぜひともライブ行きたいな〜。

夜の踊り子 (初回限定盤)

夜の踊り子 (初回限定盤)

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