「音楽漢方・菊地堂、開店!」

スペシャル・ウィークの今回、いつもにも増してとにかくいい曲がかかりまくった、「粋な夜電波」第94回。
リスナーからのメールにピッタリの曲を処方していく菊地先生の選曲技術の確かさを改めて実感。
番組冒頭部分を文字起こししてみました。
おそらく好評だったであろうこの企画、次回のスペシャル・ウィークでもやってもらいたいですね。
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はい、どうも。え〜…「菊地成孔の粋な夜電波」、本日、スペシャルウィークということですね。ワタクシはパーソナリティー、ジャズ・ミュージシャンのですね、そして…石川さゆりさんと吉田美和さんは絶対似てるんだけども、誰にも相手されないんだけども、「だいじょぶだ、オレがわかってるんで、やがて歴史が証明するんだ(笑)」ということを心に秘めて生きている…ジャズ・ミュージシャン、そして似た顔ハンター菊地成孔がお送りしておりますが。
今週はですね、「音楽漢方・菊地堂、開店!」と題しまして、ワタクシ菊地成孔がですね、にわか音楽漢方医として、みなさんの症状に合わせて、身体や心を癒す曲を処方致します…という企画でですね。
もう、今日はオープニングも無しで、なるべくね、たくさん処方したいんでね。さくさくさくさく行きましょう。
え〜…この企画を立ち上げ、いろんな痛みの症状を送ってくださいと言ったところですね、まあまあ…とてつもない、今までの通常営業の5倍とも500倍とも言われる数のメールが、怒濤のように寄せられまして、そのうち…過半数がですね、これは何て言うんでしょうね、臨床で言うと「軽うつ」ってことになると思うんですけども。「軽うつ」だとあんまりにも言葉が硬いですからね、番組的には…何て言いましょうね…「30代男子のぬるダメ君」ていう感じのですね(笑)、ぬるダメメールがものすごい多くてですね。「特に何にもないんですけど、やる気がありません」っていうメールがものすごくきました。
この軽うつのぬるダメの皆様にはですね、まずはですね、インターネット切っていただいて、外をウォーキングしていただくという…これですよね。音楽聞く前にやることあるだろう!ってことを、まずメッセージしたいですね。
そして、ハードコアな皆さん…これはですね、ワタシじゃなくて直接しかるべき機関に相談に行った方がいいのでは?という方々もたくさんいらっしゃいました。こういった方々にもですね、音楽を届くように、今日はがんばって、音楽漢方で処方できる範囲内でがんばっていこうと思います。
(メールを2通紹介して)
…はい、欲求不満の女性、そして憧れの男性が無いことに苛立ちを感じている男性に効く曲です。
え〜…アメリカという国はですね、国的にはもう現状最低ですね、最低最悪なんですけども、これを作れるんで、エンターテインメントの世界でこれをまだ作れるってことで、ワタシまだアメリカ捨ててないですね。
ジャスティン君・モテモテと言ってもビーバー君ではなくて、ティンバーレイク君です。ティンバーレイクがフィーチャリングJAY Zですね。JAY Zとジャスティン・ティンバーレイクがどっちも超・いい男、という曲ですね。顔なんか正反対ですよね、この二人。しかしその正反対の二人がモテモテだという、とれとれの新曲をこの(メールの投稿者)お二人、そしてこれはまあ…なんていうんですかね、漢方薬医なんかに行くと、最初にお茶が出てきて、「ま、みんな顔色悪いな」と、誰にでもとりあえず一律効いちゃう、葛根湯みたいなのが最初にお茶に含まれてるんですよね。だから漢方医に行った時に、最初に出されるお茶だと思って聞いてください。
ワタシ、これ最初にPCで聞いたんですけど、あの…ビックリしました、音質が良くて。うちのPCが良くなっちゃったんじゃないか?というぐらいの感じですね。
音楽的に言うとですね、グリッサンドっつって「ブルルルルルーゥ」って、よくハープなんかにありますね、ピアノでもありますけど。「あれをなんとかヒップホップで使えんじゃないか?」「あれをきれいに貼って、かっちょいい曲が出来たら…」ってのは、多分ね、90年代からほとんどのサウンドリエーターが、トライしては「まあ…やめとこうか」ってやってたと思うんですよね。それが成功した最初の曲じゃないですかね。
もう…バッチバチのいい男、しかも女ったらしじゃない、爽快感があるという、非常に素晴らしいトラックで、早くも2013年のベストトラック決定!と、ま…ワタシの中でですけどね。
はい、というわけで、ジャスティン・ティンバーレイク ft. JAY Zで「Suit & Tie」。

20/20 エクスペリエンス

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