「ザックに不安は残るけど。」


ふう。…何はともあれ、ワールドカップ出場が決まってよかった。
代表選手の皆さん、おめでとう。お疲れさま。
にわかサッカーファンで、ど素人のくせに、言いたいことがたくさんあるのだが、とりあえず今はこの結果を喜びたい。
アジアは勝ち抜けて当然…みたいに思いがちだけど、やっぱりワールドカップ出場への道はそんなに簡単なものではないのですね。
あらためてその難しさを感じました。
何度となくオーストラリアのゴールを脅かすプレーがありながら、得点に結びつかず、このまま引き分けでも出場は決まるのだし…と、消極的な気持ちになりかけた瞬間に、まさかの失点。
相手もシュートのつもりでなかったであろうボールが、アンラッキーなことにゴールの奥隅に吸い込まれてしまった。
マジでヤバイと思いました。
しかし、捨てる神あれば拾う神ありというか。相手のハンドで、運良くPKを獲得。
ただそのPKも単なるラッキーではなくて、強引にでも相手ゴールに迫って行った、日本代表の執念が呼び込んだものでした。
それをきっちり決めた本田圭佑のハートの強さには、あらためて感服しました。
勝てる試合だったとも言えるし、よくぞ追い付いたとも言える。選手のプレーには、あまり不満は感じていません。
ただやはり、ザッケローニ監督の采配については、不満というか…この先を考えた時の不安を覚えます。
選手を固定し過ぎだとか、ベストメンバーが揃わなかった時のプランBが無さすぎだとか、そういったことは散々いろんな人が言っているようですし、自分もほぼ同じ意見です。
それでも大きな失敗はしてないのだから、監督交代までは考えなくていいのではと思ってました。
しかし、この大事な試合での失点前のあの、余計な選手交代。
直前まで細かいパス回しで相手DFを翻弄していたのに。あのまま続けていれば得点できそうだったのに。
乾を投入して、さらにドリブルでかき回す手だってあっただろうに。
DFをさらにもう一人追加するという選択。
このまま0-0で引き分けろというメッセージ? 選手はすぐに納得できたでしょうか。
あまり試した事のない4バック? 今野はサイドバックのポジションにすぐ対応できたでしょうか。
その混乱を突かれた失点だったのは、素人目に見ても明らかでした。
慌てて1点を返しに行く場面、切った攻撃のカードがハーフナー・マイク
高さのあるオーストラリア相手に、パワープレイで行けと?
日本の細かいパス回しという長所を捨ててでも?
その交代の意図をすぐに理解して、ハーフナーがポストになるプレーがその後にあったでしょうか?
ロングボール主体の攻撃にすぐ変えられましたかね?
どう考えても、今回は結果オーライ。そして、監督の責任は追及されずにうやむやになるのでしょう。
ザッケローニ監督の人の良さはわかるし、あのニコニコした顔を見ると、何も言えなくなる気持ちもわからないではない。
けれど、とりあえずワールドカップの出場権を獲得するというのが、ザッケーローニ監督に課せられた使命だったわけで、それをクリアしたこの時点で、一度総括して評価するべきではないかと思います。
その結果、「ありがとう、ザック。この後2年は、本大会でさらに勝ち進めるように、新たなオプションを増やしてくれそうな新指揮官と頑張って行くよ。お疲れさま!」ということになってもいいのではないかと。
…そんな英断、協会ができるはずもないでしょうけど。

ザッケローニの哲学

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