「乙の責めによる。」

粋な夜電波」第112回放送は、先日、同じTBSラジオの「荻上チキ Session22」にゲスト出演した際に、「夜電波」で喋るつもりだった「ロイホネタ」を全部吐き出してきてしまったので、すっからかんなんだという(笑)、番組Pに対する抗議が述べられました。
ネタがないんだといいつつ、独特の視点で日常から切り取ってきた話題は、菊地先生ならでは。
不動産屋でのちょっと気になったことの話が面白かったので、文字起こししてみました。

…で、まあ…面白かったことは何かって言われるとですね。
不動産契約に行ったんですけど、あれもなんかね…めったに行かないですから、ワタシね。10年前ですから、歌舞伎町越して来たのがね。
だから、言っちゃあ、10年ぶりですよね。
で、長沼とね、マネージャーと二人で、説明を受けるじゃないですか。
ああいうのは資格があるんでしょうね。「こっからここまでは私が説明しますが、ここから上の話になると、資格の問題がありまして、本社の別の者が来ますので、お待ち下さい。」なんつって、違う方が来たりして。
へえ〜…なんつって、全部一人で最初からその人が説明すればいいのに(笑)と思ったんですけど、途中でリリーフピッチャーみたいに交代して、その方が後半の大切なところを説明されたんですけど。
例えば…これってね、「そんなん当たり前じゃん。お前知らなかったの?」って話かもしれないですけど、ワタシもう、そのことでドキドキしちゃって、途中から契約どころじゃなかったんですけど。
終わった後、すぐ長沼に確認しようと思ってたんですけど、出来ず、今こう喋りながら確認してるんですけどね。
あの…例えば、「は…、は…」とか言うじゃないですか。それは知ってんですよ。
ワタシが甲だか、家主さんが乙だか、なんだかわかんないですけどね。「甲・乙」になんだな…っていうことは分かってるんですけど。
その入居者…ワタシですね。それが例えば「乙」としましょうか。
で、「乙が部屋を汚したりすると、敷金だか礼金だかが、返ってきませんよ。」って話をする際に、「乙の〈せめ〉により、タバコの吸い殻など、あるいは画鋲等々…」。
「乙の〈せめ〉により…」っていうふうに(笑)。
責任の「」っていう字があって、あれはワタシ「せき」でいいんじゃないかって思ってたんですよ。
「乙の責〈せき〉により…」「長谷川の責〈せき〉により…」…ね、これでいいじゃないですか。「長沼の責〈せき〉により…」でいいと思ってたんですけど。
その人がねえ…「〈せめ〉により…」って読むの。責任の「責」を。
まあまあ…「責め」と読むんだけど。
責め」なんだ(笑)と思って。
「責め」っていう日本語に関して、すごい新鮮な気持ちになっちゃってですね。
まあ、「責めの人格」…「責め」っていう言葉の人格も考えるとね、だいぶ何か…蹂躙したなって気持ちですよね。
「責める」って言葉を、すごい偏った意味にしか認識してなかったな…って気持ちは、新たにしたんですよね。
「責任」の「責」を、「責〈せめ〉により…」って言うんだ…っていう。
もう耳についちゃって、「せめ」ばっかり。
「…で、確認してください。乙の〈せめ〉により、…」っていうのがあって、ああ〜「責め、責め…」って思ってる間に、どんどん終わってですね(笑)。
長沼はこういうの強いんで、もう目を輝かせて「はい、はい。」って聞いてるんですけど。
ワタシ、自分の方が中心になって聞かなきゃいけない立場みたいな椅子の取り方したんですけど、ボヤーっとしちゃってね。
「責め」に悪い事したなっていう感じですよね。
あの…とにかく、ロイホの話を全部吐き出されてしまったワタシは、このぐらいポンコツなんだっていうことですね。


一曲いきましょうかね。
これですね…。先日の「アフリカ特集」がほんとに好評で、なんかねえ…予想以上の盛り上がり方されまして。
なんか、そんなんだったら毎週いっちゃおうかなってんで、今日も持って来たんですけどね。
今日はね、ベナンですよ、ベナン!(笑)。
アフリカ大陸はね、日本列島が全部集めても、面積的に90ぐらい入る、大変な広さですから、いろんな音楽があるんですけど。
ベナンのね、何っつったらいいかな?…「アフロ・ビート」っつって、要するにユッスー・ンドゥールとかの前の世代ですよね。
ユッスー・ンドゥール80年代、もっと60年代で誰でも知ってるフェラ・クティ
フェラ・クティが「アフロ・ビート」って、ひとつの…ファンクとアフリカ音楽を結びつけたものを作ったんですけど。
その同時代のフェラ・クティなんかよりは、もうちょっと無名なんですけど。
ベナンなんで、フランス領だったんでフランス語なんですけども、オルケストル…カタカナで言うとね、「オルケストル・ポリリトゥモ・ドゥ・コトヌー」。英語で言えば「オーケストラ・ポリリズム・ザ・コトヌー」ってことで。
コトヌーってところのバンドなんですよね。
最初はね、下回りが無いんで…下回りってベース回りがないんで、ちょっとこう…民謡めいて、やや退屈かなって思ってても、下回りが入ってから、もう誰も逃げられないです。もう…踊りまくり!ってなりますから。
しばらくちょっと聞いて、下回りが入ったら、もうお部屋で構いませんから、飲み物片手に踊っていただきたい感じですけどね。
「Orchestre Poly-Rythomo de Cotonou」で、これもね…タイトル…フランス語なんで「Ne Rien Voir…」、「ネ・リエン・ヴォワール」という曲ですね。聞いて下さい。

Vol. 3-the Skeletal Essences of Afro Funk 1969-80

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