「クロニクル」


今週末の「ムービー・ウォッチメン」の対象作品、「クロニクル」を観てきた。仕事終わりにシネマカリテ、21時の回を。
これで4日連続の映画館通い。
町山智浩氏の「たまむすび」での紹介も聞いていたし、Twitter水道橋博士も薦めていたから、観たいとは思っていた。
しかし2週間限定上映と聞いていたので、観る時間が作れるか微妙なとこだった。
こういう時にシネマカリテのレイトショーはありがたい。しかも特別料金の1000円。
さらに本編が84分という、気軽に観に行きやすい長さ。観終わっても、まだ午後10時半だ。それだけでもう素晴らしい。
(「マン・オブ・スティール」も観ようとしてたけど、2時間半という長さで断念しましたもの。)



自分撮りやホームビデオの映像を使って、リアルに見せるという手法は、ここ数年でもさんざんやられてきているわけだが、その中でもこの「クロニクル」は久々のヒットといえるだろう。
ある日突然、超能力を身に付けた男子高校生3人組が、面白がってその様子をムービーに収めているのだが、だんだんエスカレートして…という展開。
最初はスカートめくりとか、些細ないたずら程度だったし、身体を宙に浮かせる練習の様子を映している間も失敗の連続で、日常の延長上にあった。
ここで、この…記録映像だからというのをいいことに、途中でのブツ切りも可。そして再び映した時には、事態は急変しているというのもアリ、という手法を利用して、話運びが超スピーディなのが、この映画の上手いところだ。
いきなり飛べるようにもなってるし、車を持ち上げられるようにもなってるし、突拍子もない展開なのに、細かい手順をすっ飛ばしつつ、リアリティを保つという荒技が成立している。
暗い苛められっ子だったアンドリュー(デイン・デハーン)の自我の拡大、増長と暴走ぶりが、その超能力の急速な成長とシンクロして、あれよあれよという間におおごとになってしまう。
低予算映画のわりには…という括弧付きだが、最後の街破壊シーンは迫力もあったし、最後どうなるのかという興味も途切れることがなかった。
ラストもちょい泣かせのいい感じで終わり、あっという間の84分。
手放しで大傑作!というまでではないけれど、「いやあ、いいもの観た!」と十分満足できる一本。

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