「華麗なるギャツビー/レ・ミゼラブル」


早稲田松竹に「華麗なるギャツビー」と「レ・ミゼラブル」の2本立てを観に行った。

両方とも公開時に観に行きたくて、観損ねてしまった作品。最近は名画座にかけられるまでが短くなってありがたい。
ただ両方とも上映時間の長い作品だから、この2本立てを観るのには少々覚悟が必要だった。(11/16〜22には「セデック・バレ」の第一部第二部同時上映もあるんだよな。観たいけど長いんだよな…。)
「ギャツビー」の方は、今まで何度となく原作の方を読もうと試みたのだけれど、毎回途中で断念してしまっていた。春樹訳なら読み進めやすいかと思ったが、やはり途中で気持ちが入っていかなくなる。…なぜだろう?
1920年アメリカ好景気の狂乱の時代というのが、いまいちピンとこないというのもある。あとやっぱり翻訳文学は知らない固有名詞がたくさん出てきたり、通じないジョークがたくさん出てきたりするのが、どうしても苦手なんだよな。
実は今回のディカプリオ主演での映画化、バズ・ラーマン監督版は、そんな自分のような人にピッタリだったのかもしれない。
96年の「ロミオ+ジュリエット」がウケたのに味をしめて、今回も時代設定に忠実にやる気ははなからゼロ。音楽にはヒップホップを使用するなど、ケレン味たっぷりの演出でど派手に見せる。
…でも分かりやすい。
確かにやり過ぎ感はあるが、文芸作品の退屈な映像化よりは、よっぽど楽しんで観れるし、ストーリーにも入っていける。
実際、原作を途中で放棄して、結末を全く知らなかった自分には、ラストの展開を十分楽しめた。
終わってみれば、「なんだこの話、自分の一番好きな『いじらしい話』だったんじゃん!」と分かって、かなりこの作品好きかも…と思った。
ディカプリオはシェイプしてカッコ良さを取り戻していたし、キャリー・マリガンは大好きな女優。語り部トビー・マグワイアは「フィッツジェラルド感」あって、すごく良かった。

一方の「レ・ミゼラブル」は…。
ジャン・バルジャンの生涯を描くという大河小説を映画化…というだけでも、かなり長くなることは予想されたし、しかもミュージカルだというので、賞も数多く受賞したし、役者の演技への評判は高いとは聞いていたけど…自分はダメかも…と思っていた。
で、実際…3時間は苦行のようだった。
クォリティは高いし、素晴らしい作品なのだろうとは思うが、個人的にやっぱりミュージカルは…入っていけなかった。どう観たらいいのかわからないという感じ。
ヒュー・ジャックマンアン・ハサウェイも、歌も演技も素晴らしかったが、オペラ調の曲ってどれも同じに聞こえるんだよね。結局最後一番高い音を「ラ〜〜〜」と絶叫して、感情の高ぶりを表現云々…とかでしょ、という感じ。
あと、やっぱりラッセル・クロウが歌ってると、ちょっと笑える(笑)。
まあ、でも気になっていた作品だから、この機会に観ておいてよかった。