「『シャーマン狩り』先行リリースライブ。」


サラヴァ東京に、小田朋美さんの
1stアルバム『シャーマン狩り/GO GUNNING FOR SHAMAN』先行リリースライブを観に行ってきました。
開演直前に着くと、店内はほぼ満員、立見も出る盛況ぶり。
ビュロー菊地チャンネルのポップアナリーゼ動画でキャラクターも認知され、さらにDCPRGにサポートメンバーとして参加したことで注目が集まっている中での、待望のアルバム発売ということで期待が高まっていたようです。
個人的にも、以前夜電波でフライングでオンエアされたPerfumeのカバーを聞いて、その歌声に魅了され、先日の東京芸大の学祭でのエビデュオのライブを見て、すっかりファンになっていたところだったので、この日のライブを楽しみにしていました。
アルバムの1曲目でもある、そのPerfumeの「Love The World」でスタート。序盤は田中教順さんのドラムと二人、いわゆる「エビデュオ」で、新鮮な解釈のカバー曲を聞かせてくれました。
ピアノの弾き語りだけでも素晴らしい表現力ですが、教順さんとのコンビで複雑なリズムアレンジを施した演奏は、スリリングでもあり、見ていて楽しいです。
弦楽四重奏も加わり、アルバム参加メンバーが揃った演奏では、さらにダイナミズムも増して豊かな演奏。
宮沢賢治谷川俊太郎などの詩人の言葉にメロディを付けた歌は、時にエモーショナルで、ぐいぐい引き込まれます。
『鷹の爪』の吉田くん」に似ていると言われる、そのボーイッシュなルックスは愛らしく、実際裸足で時折足を組んだり膝を立ててピアノを弾く姿には、天真爛漫さも窺えますが、間のMCではしっかりとした曲紹介、アレンジの意図などを説明したりして、自信に満ちた堂々たる雰囲気も漂っています。

「シャーマン狩り」というインパクトの強い言葉をアルバムタイトルにした理由を、自分なりに想像してみたのですが。
VOICE SPACE」での活動で、詩と音楽のコラボレーションの可能性を追求している小田朋美さんは、「言霊(ことだま)」と「音魂(おとだま)」を結び付ける、まさにシャーマン的な存在でもあるわけで。
これだけの表現力に、高い技術と学識が加わった、この才能を前にして、ただ過剰に感情を込めて歌うだけのシンガーをカリスマだのディーヴァだのと持ち上げることができるのか?と、音楽シーンに対する挑発的な意味も含まれているのではないかと思いました。(御本人にそんな気はないと思いますが。)
終演後には、12月4日発売予定のアルバムを会場でフライングゲットし、直筆のサインもいただいてきました。
クラシックベースの音楽への理解が疎い自分でも楽しめる、ポップな要素も十分にある作品ですし、何よりライブでその演奏を見たら虜にならずにはいられません。
いやあ…正直、ちょっと恋に落ちたような気分です。