「新宿二丁目松明処理騒動。」

久しぶりに長尺のWBO話も飛び出した、「粋な夜電波」第131回は生放送。
夏の終わりに新宿二丁目で起きた、松明(たいまつ)をめぐる珍騒動の爆笑話を文字起こししてみました。

え〜…生…ですけど、フリースタイルですからね。特に何の特集があるわけではないんですけど。
ま、最初に言ったように、あの…今年ももう…マスメディアでこんなこと言うのもあまりにルーチン的ですけど、12月1日ですね、早くも12月ですので今年も終わりということで…。
13年リリースの新作をいくつか見繕ってみました。
え〜…話的にはですね(笑)…そうですね、大物釣り上げたんですけど、ずいぶん前になっちゃって、いろいろ野球とかが入ったりなんかしてですね、だいぶネタが古くなっちゃって、このままだとしないまま終わっちゃうんじゃないかという話が一個あるんですけど、長尺なんですよね。
この番組のですね、最長尺記録ってのがあって、要するにひとネタが長かった記録ってのがあって、それは「ミウとタケ」っていう伝説的な回があるんですけど(笑)。「ミウとタケ」は長かったですね。40分ぐらい…ひとネタ40分ぐらいあったんですね。
あの当時、番組の枠自体が1時間半時代だっけ?…1時間半ですよね。この番組って、最初が1時間で、その後急に2時間になって、その後1時間半が2回続いて、また1時間に戻ってるんですけど。
1時間尺でですね、この規模の話が入るかどうか甚だ疑問…ていうか入らないので、途中までで終わったらそれまでだって(笑)…時間で切って話そうと思いますけどね。
でかい話なんですけどね。でかいって言うか、長い話なんですけども。
あの…二丁目…二丁目分かりますか?、新宿二丁目
地方にお住まいの年配の方とかにはね、何っつったらいいんですかね。あの…日本中からゲイボーイ、レズビアン…世界中ですね、日本中じゃないや、今やね。アジア、ヨーロッパ、オセアニアアメリカ…と、世界中のオカマちゃんが集まる街ですけども。
まあ、あの…ワタシの通勤圏というかね、歩いて行ける近所なんで、そこで蕎麦食ってたのね。
で、蕎麦食ってたっつっても、蕎麦屋はもう…4軒目ぐらいでして。もう…ダチとベロンベロンで…ベロンベロンも超えちゃって、ベロンベロンどころじゃないって、濁点取れちゃって、もうヘロンヘロンみたいになっちゃって。ヘロンヘロンがもう…ピロンピニョンみたいになっちゃって、要するに何が何だか分かんないようなグダグダな状態で蕎麦屋に辿り着きまして。
あるんですよ、ど真ん中に。一昨年ぐらいの「アド街ック天国」で、そこであの…女子と蕎麦食ってたら、突然「アド街ック」のクルーが入って来てね、そいで「新宿二丁目特集」ってやってて映り込んじゃったっていう事件がありましたけど。その蕎麦屋ですけどね。そこで蕎麦食ってたの。
もうベロン…クニョンクニョンになってて。「あのさぁ〜ナルちゃんさぁ〜。」っつって。
ワタシのことを「ナルちゃん」と呼ぶのは、だいたい極悪…(笑)。「菊地さん」とかいろんな呼ばれ方するんですけど、ワタシを「ナルちゃん」呼ばわりするのは、やっぱもう…悪い友だちですからね。WBOのランカーですよね。ファンの方とかでね、なんか親しげな方とかが、メールの問いかけなんかに「ナルちゃん」とか書いてくる方いらっしゃるんですけど、あの…そういう「ナルちゃん」じゃないんで。もう、ワル仲間の「ナルちゃん」なんで。
「ナルちゃんさぁ〜」っつって。「尾野真千子(オノマチコ)さぁ…本名だと思うんだけどさぁ〜…小野小町(オノノコマチ)のアナグラム過ぎるよね!…クッ(笑)」とかっていう…。
今、「クッ…」っていうのは、酔っぱらった人間の笑いですけども…を表現してみましたが。もうそういうグダグダな状態ですよね(笑)。
で、まあ…隣に…狭い蕎麦屋ですんで、3卓しかないんですよね…テーブル席がね。
我々が真ん中に居まして、で、こう…こっち側にオカマちゃんのカップルというか…二人組が居て、で、こっちに三人組が居たんですけど。
隣のオカマちゃんのカップルの方は、最初一人だったんですけどね、後から待ち合わせなんでしょうね、もう一人が来て。いや、もう、とても綺麗な方でね。清潔でお洒落で、二人とも。ま、それはもう二丁目のデフォルトですけれども。
後から来た方が、座るなりね…その蕎麦屋のテーブルに着席するなり、「スン。スン…。」て言い出して(笑)。「スン。スン。」ってのは、今の擬音なんですけどね。(クスン、クスン…)ま、泣いてるわけですよね。テーブルにこう…両手を付いて顔をそこに沈めるような感じで、座るなりスンスン泣き出したんで、もう一人の方が「ねえ、どうしたのアンタ?…大丈夫?」っつって。まだそれでも「スン。スン…。」て泣いてるんですよ。
ああ〜、泣いてる…って思ってね。何か辛い事でもあったんだろうな…って思いながらも、こっちもプニンパニョンですから。こんなんなって…半分椅子に同化したような状態になって、溶けちゃってたんですけどね。あー、泣いてるな〜って思いながら見てたの。
で、まあ…そのうち、何分経ったかね、酔っぱらってたんで覚えてないですけど、そのうち楽しくなってきて、スンスン泣いてた方が泣き止んで、二人楽しそうに話始めまして。
「こないださぁ、『絶対カムする』って言うオッサンがいて…」って。
「カム」っていうのは、彼らの用語で「カミングアウト」のことなんですよ。
え〜、ハードコアポルノ…ワタシの専門の方ですね…アメリカンハードコアポルノの用語では「カム」ってのは、まあ…生放送なんで言っちゃいますけど(笑)、「射精」のことですからね。「射精」のことです。
…が、彼らにとっては「カム」ってのは「カミングアウト」のことで。
「『俺、絶対カムする、カムする!』って言ってるオッサンがいてさぁ〜。」「あ、高木さんでしょ?」とか言って。「超うざいのよね。」とか言って。
「酔っ払うとさ〜。『俺、カムするから、カムするから。』って、できないくせにさぁ。」って。
「で、言ってやったの〜。『それって、いつするんですか?』って言ったら…『何時するんですか?』って振ったわけ。」
「いや、高木さん、それ分かんないよ〜。」っつって。
「いや、分かんないと思って振ったわけ。」って。
「『いつカムするんですか?』っつったら、『ウッ…』って呆気にとられて、『いつだっていいだろ、バカヤロウ!』って言った!」っつって(笑)。今でしょ!」が分かんなかったっていうネタで。
「いつカムするんですか?」「エッ…いつだっていいだろ、馬鹿野郎!」って言ったって言って、キャッキャキャッキャ喜び出したんで、ああ、まあ…良かったな、機嫌良くなったんだ…と思って。楽しそうだな〜と思って、いい感じだな〜って、飲んでたんですね。
反対側のテーブルに、まあ…三人組が居て、男一人に女性二人ということでですね。その二人が、まあ何て言うかな〜…昔はさぞかしモテただろうな〜っていうAさんと、昔はさぞかしモテただろうな〜っていうBさんのコンビなんですよね(笑)。
すごい綺麗な人が、まあ、今…年の頃ならどうなんでしょうね?…今日本人の年齢って分かりませんけども、40ぐらいまでいってんですかね〜。「カルヴェン」ってフランスのメゾンのワンピース着てまして。…まだこれね、夏の終わりの話なんですよ。すげえ昔の話なんですけど(笑)。
で、こう…青いワンピース着て。ほんとに二人ともさぞかしモテただろうな…っていう感じ…まあ、今だってモテてんでしょうけど。
で、なんかね…もう目に険が入って、ちょっと苛々した感じの…よくいますよね。別に珍しい物件じゃないんですけど。
そこにあの…ちょっと面白い顔したね…プッって、見ると…失礼ですけど、醜男とかそういう意味じゃなくて、笑ってしまう顔ってあるじゃないですか。そういう面白い顔した男の人を囲んで、説教してるんですね、その二人が。
「だからぁ〜、そういうふうに女を決めつけるのが、一番嫌われるタイプ!」…とか言いながらですね(笑)。二人で交互にそのレベルのセリフを浴びせ続けて。で、面白い顔した男性はですね、まんざらでもない…っていうね(笑)。
と、まあ…M…マゾヒストなんでしょうね。綺麗な苛々した女性二人から双方から攻められるなんて、もう至高の状態です…といった感じでですね。蕎麦たぐりながら、なんか…「恐縮です。」とか言ってんですよね。
そしたらそのうち、「そんなぁ…男とか女とか、そちらもう大先輩じゃないですかぁ。」って言ったら、「いやあ、もう、アタシ達、歳だし。男なんか全然いねぇし!」って。「そんなこと言ったらダメですよぉ。二人ともおキレイなんですから〜。」
…何て言うんですかね(笑)。
一人が前髪パッツン、目がデカくて、ちょっと魔女鼻っていうか、こういう…ゲルマン鼻っていうかね、感じの人で。
ワタシ、内心…「あ、栗山千明さんだ!」ってね。…本人だと思ったわけじゃないですよ、もちろん。全然、栗山千明さん、そんな歳じゃないですからね。栗山千明さんの未来だ…って…いやいや!これも語弊があるな。失礼しました。訂正します(笑)。栗山千明さんに似てるなっていう。栗山千明さんがね、将来結婚されて子どもなんか産んじゃったりして、離婚されたりなんかして、もっかい結婚してみたり…かなんかしてる間に、こんな感じになってくんじゃないかな?って…栗山千明さんがそうなるって言ってるわけじゃないですよ、しつこいようですけどね。
そんなようなルックスの感じで。ま、とにかくワタシが「栗山千明さんだ。」ってパッとファーストインプレッションで思ったんだ…ってことを、フックにしといてください。
で、こう…その栗山さんがね…栗山さんじゃないんですけど(笑)、栗山さんがね、細巻きの煙草、紙巻きを松明(たいまつ)にしてたんですね。松明ってのは、吸わず…スパスパと吸い付けるんじゃなくて、火を点けたまま持ってることを、松明って言うんですけど。
松明にしてました。しかも松明の位置が高かったんです。こう…腕組んでるから。顔の横…こめかみのあたりに松明きてるんで、何て言うか…頭から煙が出てるような構図になってましてね(笑)。
こう…フワンフワンフワンフワ〜ンと、煙が止まんないわけですよね。
ワタシは昔はチェーンスモーカーでしたから、一日に百本吸ってましたから、もう全然、病的な嫌煙者ではないです。
しかしですね、松明はですね…煙草を愛する者も愛さない者も、松明は共にヘイトですね、やっぱり。
ポージングの小道具にね…ま、綺麗な方ですから絵になるから結構ですけど、ポージングの小道具にですね、火の点いたモノが許されるってのはねぇ…。吸って愉しむならいいですよ。おいしい、おいしいとね。
自分がビッときまる、その小道具に…火器…ね?(笑)…火の点いた物が許されるというんだったら、もうそんなにポーズきめるのが大切だっていうんだったら、九官鳥とかね…(笑)、セキセインコとか鳥かなんか肩に停めちゃってね、そういうのも許されるんじゃないかな?っていう…火がいいんだったら鳥だっていいだろ…っていうような気分ですよ。ちょっと酔っ払ってたんで、よく分かんなかったけど、そんな気分になりまして。
まあ、こっちはヘロンヘロンのピニョンプチョンですから、まあもう、どうでもいいっていうかね、しかもノンケの男の子と、しかもちょっと悪ぃヤツと蕎麦食ってたんで、まあ…いいんだけども。やっぱ、目にどんどんどんどん煙入ってくるしね(笑)。
とろろ揚げ食ってたんですけどね。とろろ揚げってのは、こう…とろろ芋を俵型に型成したのを素揚げにしたもんで、これがめっぽう美味いんですが、それを磯辺にしてね。それに塩付けて食ってんですけど。間違って鼻の穴に突っ込んじゃったり、そのぐらい酔っ払ってたんで。
そしたら、まあちょっと迷惑だな…って思ってたんですよ。
こっち側にオカマちゃんが居ましたよね、二人組。もう楽しく話してた。そのね、隣席のオカマちゃんが…どっから取り出したんですかね…プロレスの悪役レスラーぐらいの素早さと巧みさでもってしてですね、こんな小ちゃな裁縫用の…ソーイングパック?あれを持ってんでしょうね、じゃないとあれだけ持ってるとしたら、よく理由が分からないですけど、ソーイングパックから取り出したんでしょうね…こういう小型のハサミを(笑)…すごい速さでピュッと出してきて、そのタバコの先端をビュッと切っちゃったの(笑)。
…バッ!って切っちゃったんですよ。ものすごい形相で。
ま、ワタシね、松明処理に関してはですね、家が水商売ですから、ガキの頃から見てますからね、とにかくね。市井の松明処理評論家と言ってもいいんじゃないでしょうかね。
昭和ってのは松明大威張りの時代ですよ。もう…電車の中で松明焚いてる…国電で松明焚いてる酔っ払ったオヤジとかいましたからね(笑)。ハイライトとかね。
…なんですけど、さすがに今ね、21世紀のね、しかも東京新宿二丁目ですからね。
まあ、いろんなのを見てました。テッポウウオでビュッ!…って(笑)。テッポウウオってのは、口に水を含んでビュッ!って吹くことをテッポウウオって言うんですけど。言うんですけど…って、ワタシが勝手に言ってるんですけど。テッポウウオでビュッ!っていうのもありましたし。
コップでバシャ!って、喧嘩売るみたいにね、顔ごとコップでバシャ!ってのも見ましたしね。言っちゃあ、ハサミでチョキも見てます。
一番すごいのはね…ワタシがガキの頃ですけど、一番すごいのは、口でね…後ろからビュって忍び寄って、松明の先ごと口でパクッって食っちゃった人がいて(笑)…あん時はワタシもすごいビックリしましたけど。懐かしいですね、ほんとにね。1970年代の千葉県銚子市の出来事ですけどね。パクッ!って食っちゃうのもいたりして。
だからまあ、ハサミでチョキッ!はすごいけど、初めてじゃないので。ただやっぱ、狭い店なんでね、すごい緊張感だったんですよね。
ほんで…ヤバいじゃないですか、完全に喧嘩売ってるわけなんで。
最初から…ワタシの話し方あれでしたけど…ワタシたちは真ん中に居るわけ。で、ワタシたちを中心に挟んだ両側のテーブルが喧嘩になったんですよ(笑)。喧嘩になったっていうか、オカマちゃんが売ったんですよ。
ほんで、その栗山千明さんに向かって、オカマちゃん…どっちかっていうとデッカイ君が…デッカイ君ってのはガタイのいいオカマちゃんが、
おるぅあっ!…似合わねえネイルしやがって!」っつって。「次同じことしやがったら、テメエの指先から切り落とすからな。シシド・カフカ〜!っつったんですね(笑)。
これが何週か前に予告した「シシド・カフカ」ですけどね。
…って言ったの(笑)。ま、ここでほとんどこの話は終わっていいんですけど、まだ後がずーっとあるんですけど。
…「シシド・カフカがぁ!」っつったのかな。
で、おお〜!…シシド・カフカさんかあ!って思いましてね。こっちは栗山千明さんだと思ってるんで
さすが、カマはセンスがフレッシュネスバーガーって思って感心したんですけど(笑)。
で、同時にこっちもギロッと見られたんですよ。「お前ら黙ってんのか?」ぐらいの。「お前らはこれでいいのか?」ぐらいの感じで睨みつけられたのね(笑)。
もう二人とも、オレも一緒にいるヤツも…シシド・カフカは面白いわ、睨まれたわで(笑)。食ってんの、とろろ揚げでしょ?…口の中がネチャネチャしちゃって、動かせなくなっちゃって、なんか(笑)。もぐもぐ噛んでる時に、それが起こったんで。
で、もう…一緒にいたダチも悪いですから、喧嘩がもう大好きで。ワタシもね、ほんとに育ちが悪くてお恥ずかしいんですけど、目の前で喧嘩が始まると笑っちゃうんですよね。嬉しくて。その…別に馬鹿にしてるとかじゃなくて、盛り上がっちゃうんですよ。
で、笑うの必死でね、とにかく口の中がネバネバしてですね(笑)。とろろ揚げ噛んでたんで、ねばっついてるわけですよね(笑)。
一曲いきましょう(笑)。…グレッチェン・パーラト。こんな話の流れでグレッチェン・パーラトいったら、ファンに怒られちゃうな(笑)。

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(ゲストの小田朋美さんに対して)
…結局ね、その後、ウチらとオカマちゃんと、そのシシド・カフカさんと、三卓合同で仲良くなっちゃって「カラオケ行くか!」って話になって。で、ワタシなんかもう決めてたの。「Mr.サマータイム」に。「♪ミスターサマーターイム〜」ですよ。もう、夏も終わりだったからね。
そしたらね、シシド・カフカの相方の人が「あれ?こないだTAOちゃんとテレビ出てませんでしたか?」って言われて。
…したら、オカマちゃんの相方の人が「ほんとだ〜!ジャズの人じゃない?…マツコさんをさぁ、5時夢で萌えさせた…。」って言われて。
「やべ、バレた。」と思って。「いけね、いけね。ラニアに餌やりに行かないといけないんで。」っつって、逃げて
「Mr.サマータイム」は露と消えまして、後日PIT INN大友良英さんとライブした時に歌った、というね。オチでございました。


※文字起こしの「NAVERまとめ」あります。