「胸騒ぎの恋人」


平日の有給休暇。後回しになっていた用事を済まそうと、朝イチで散髪に行く。
寒かったが天気が良かったので、そのまま渋谷まで足をのばし、UPLINKへ。
レギュラー会員に申し込み、これでいつでも1000円で観れる。
一度利用してみたいと思っていた、併設のカフェ・tabelaでランチもしてみた。
サラダにパスタ、デザートにドリンク付で1000円。しかも映画を観ると150円割引券が貰えるのでお得。

昼食後、若き天才、グザヴィエ・ドラン監督の「胸騒ぎの恋人」を観る。
日本での公開順は前後するが、これが監督第二作目。
デビュー作の「マイ・マザー」は昨年に鑑賞済み。
繊細な心情を描く脚本と演出の確かさと、美しい映像センスに感心。二十歳でこれを撮ったとは凄い。
そもそもはTwitterで「わたしはロランス」の評判がかなりいいようなので気になっていたのだが、実はまだ「ロランス」は観れておらず。3時間近い長尺の作品ということで、観るのに決心が必要なのと、時間的な都合がなかなか合わずに。
でも、結果的に二作目の本作が公開されたことで、フィルモグラフィーを追うようなかたちで観ていくことができそうだ。

魅力的な美少年・ニコラを巡って、ゲイのフランシスとストレートのマリーとの友情関係が変容する三角関係の話で、ともすれば延々会話が続くフランスの恋愛映画のようになりがちだが。
フランシスを演じる、役者としてのドランもかなり魅力的で、繊細な演技も素晴らしい。
同性愛者だから?という穿った見方もしてしまいそうだが、大雑把な監督なら見過ごしてしまいそうな、ナイーブな心の機微の表現の仕方がうまい。
個人的にはスローモーションを多用する演出は苦手なのだが、映像的なセンスも素晴らしいうえに、それが単にもったいをつけているわけではなく、その時の登場人物の心の中を思いはかって、絶妙にスリリングでもあって、退屈することがない。
ちょっと皮肉なユーモアの感覚も結構好みで、ラストシーンには思わずニヤリとさせられた。
この映画を観終わった後では、誰かと視線が合う度に、「Bang Bang」が脳内で再生されてしまって困る(笑)。
なるべく早目に「ロランス」も観なければ。

Bang Bang & Other Hits

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