「アメリカン・ハッスル」



仕事帰りにTOHOシネマズに寄って、レイトショーで「アメリカン・ハッスル」を観た。
近いうちに「ラッシュ」も観るつもりだし、「キックアス2」も控えていることだし、今年はシネコンも結構利用するだろうということで、ついでにシネマイレージカードも作った。
この「アメリカン・ハッスル」だが、TBSラジオ「たまむすび」で町山さんが紹介していたのを聞いて、面白そうだな〜と思っていたからこそ観るリストに入っていたのだが、実はどんな内容で誰が出ているのかなどを、すっかり忘れてしまっていた。
確か詐欺師の話だということは、うっすら覚えていて、でもなぜか絶対面白いはずだと思っていたので、予備知識を入れずに観たのだったが。
主役の俳優…確かに観たことはあるはずで、有名な人に違いないのだが、最後のエンドロールを観るまで確信が持てなかった。…あ、そうか!…クリスチャン・ベールだ!
ハゲでヅラで9:1分けで腹が出た冴えない中年親父に完璧に成り切っていて、いや…確かに役作りに激痩せしたりする筋金入りの役者根性の人ではあるけれど…え〜!あれがブルース・ウェインと同じ人物か〜?
まさに詐欺師の話にふさわしく、まんまと一杯食わされた感じ。知らなかったがゆえに、さらにこの映画を楽しむことができた。
監督も誰か知らずに観てたのだが、デヴィッド・O・ラッセル監督だったのか。
それを知って納得のキャスティング。「世界にひとつのプレイブック」は観逃してしまっているのだが、評判の高さは聞いていて、いずれ観なければと思っている。その「プレイブック」と「ザ・ファイター」の主演陣を一緒に起用したというわけか。
主演の4人はみな素晴らしかったが、後半に進むにつれて、意外なことに主人公アーヴィンの妻で、「絶対に謝らない女」ロザリンの魅力にどんどん引き込まれていった。生意気で世間知らずで、ああ言えばこう言う、一番腹立つタイプの女なのに、これが最高に面白い。なるほど、彼女がジェニファー・ローレンスか。「プレイブック」で賞総ナメにしたというのも納得がいく。
一本の映画としても、これは傑作でしょう。
前日の「ウルフ・オブ・ウォールストリート」に続いて、最高クラスの映画を観たもんで嬉しくてしょうがない。
名曲ぞろいのサントラによって70年代アメリカの雰囲気もバッチリ漂っているし、役者もみな当たり役。
結末が読めない二転三転するシナリオはよく練られているし、大げさなことをしなくてもちゃんと感情表現が伝わる巧みな演出。ちょっと見失いそうになる伏線もきっちり回収してくれて、しかも単純なハッピーエンドには終わらない。余韻も残る、ほぼ完璧な映画。
「〜ウォールストリート」も良かったけどな〜。個人的な好みからいうと、こっちかな〜。

American Hustle (Original Motion Picture Soundtrack)

American Hustle (Original Motion Picture Soundtrack)