「『ハイキュー!!』と『ピンポン』」


あまりアニメを熱心に観る方ではないが、日曜朝は「ワンピース」放映時刻に合わせて起きるのが習慣になっている。
その「ワンピース」の続きが気になり過ぎるあまり、「マリンフォード頂上戦争」の途中から、毎号ジャンプを買うようになって数年。
その間に鳴りもの入りでスタートした新連載が、あっという間に打ち切られていくのを何本も見てきて、ジャンプのアンケートシステムのシビアさを痛感してきた。
その中で生き残って最近定着した数少ない作品の中に、男子バレーボール漫画の「ハイキュー!!」があって、人気も安定してきて、ついにTVアニメ化することになった。
自分も単行本も買っているほど、この作品のファンで、アニメの放映開始を楽しみにしていた。
ストーリー自体は毎号読んで、もう知ってるわけで、やっぱり競技としてのバレーボールの動きがリアルに見えるかどうかというところに注目していた。
第一話、第二話と見て、なかなかスピード感もあって、キャラが生き生きと動いているように見えて、いい出来なんじゃないかと思う。今後も楽しみだ。

そしてこの春からもうひとつ楽しみにしていたアニメがあって、それが松本大洋の「ピンポン」。
松本大洋作品は全部好きで、「ピンポン」が実写映画化された時も、「鉄コン筋クリート」がアニメ映画化された時も、映画館に観に行って、両方とも結構いい出来で楽しめた。
ただ、アニメ映画の「鉄コン筋クリート」は、制作のSTUDIO4℃の特徴的な絵柄と動きが印象深かったので、松本大洋のあの独特な作画に忠実だったとはいえず、原作ファンが全員納得するようなものではなかったように思う。
今回タツノコプロで?というのも意外だったし、原作が完結して相当年経っていて、特にタイムリーなわけでもないこのタイミングでのTVアニメ化というのは驚きだった。
で、初回放送を観てみたら、あの独特のキャラクターデザインが再現されているし、いかにもアニメな感じのくっきりした色合いでなくて、原画に近づけている感じだし、特徴的な書き文字もそのまま使用していて、面白い。
より原作に近づけると、アニメ独自の演出はどうなのか?というと、卓球の競技シーンもスピード感に溢れていて、視覚的に非常に楽しい。
原作が全5巻という、1シリーズで放映するのにちょうど良い長さの作品なので、このまま高い完成度を維持してくれれば、かなりの傑作になるのではないかと期待。
それにしても、ここにきて男子バレーと男子卓球の作品をアニメ化するということは、やはり東京オリンピックに向けて、マイナースポーツを盛り上げて行こうという意図がどっかにあるのではないかな。
今の小中学生がアニメきっかけで競技を始めて、盛り上がっていくのが理想だが、そううまくいかないにしても、スポンサーが付きやすくなっているという事情はあるんだろうと思う。