「日本語ラップの最先端。」

「粋な夜電波」第156回放送は、先々週から予告していた通り、SIMI LABのOMSBと、Moe and GhostsのMoeさんをゲストに迎えての「日本語ラップ特集」。
ヒップホップにあまり馴染みのない深夜ラジオリスナーにも興味を持ってもらうような丁寧な説明もありつつ、今最もエッヂーなラップを次々にオンエア。
コアでありつつ入門編にもなっていた充実の特集。ぜひまた次もやってほしいです。
Q&A式による自己紹介スポットが流れた後の御三方のリラックスしたトークの一部を文字起こししてみました。

Page2:Mind Over Matter【初回限定盤(DVD付き)】

Page2:Mind Over Matter【初回限定盤(DVD付き)】

菊地 まあ…たったこれだけの質問ですけど、驚きの連続ですよね。
OMSB ほんとそう…ですよね。
Moe うん。
菊地 OMSがさぁ…50(Fifty Cent)が好きってのは全然驚かない…よね?
OMSB そうですね。
Moe うん。
菊地 あの…「ちゃんと成功したから。」とかもあるわけでしょ?
OMSB もあるし、やっぱり…なんだろうな…夢がある
菊地 ま、あるよね。
Moe うーん。
菊地 ラップ自体もいいしね。フロウもすごいし。
OMSB そうですね。
菊地 何の文句もないよね。
OMSB はい(笑)。
菊地 俳優としても、ちょっとしたもんですよね。
OMSB そうですね、かなり…役作りもいい感じだし。
Moe (笑)。
菊地 こないだもさぁ…何か飲んでて言ったと思うんだけど、シルベスター・スタローンアーノルド・シュワルツェネッガーのW主演の映画に、オタクのコンピューターマニアで、ハッキングを防止するって役で、50が出てたの。眼鏡かけて。
Moe へえ〜。
菊地 で、小っちゃいわけ(笑)。その二人の前に出ると、50が。
OMSB (笑)。
菊地 なんか小男がいるんですよ。ナード役みたいな…で、カシャカシャカシャってやってるんだけど、後から見たら50 Centって出てきて、すげえビックリして。
Moe へえ〜。
菊地 あの50ですらね、シュワルツェネッガーとスタローンの前ではチビに見えるっていう。
Moe (笑)。
OMSB すごいよな〜。
菊地 アメリカはやっぱねえ…ケタが違うよね。
OMSB スケール違いますね、ほんとに。
菊地 違うよねえ。
Moe うーん。
菊地 OMSだってデカいでしょ?…平均的に…
Moe おっきい。
OMSB そう…ですね、でも外人としては小っちゃい方ですね。
菊地 あ、身長はそうかもね。
OMSB はい。横…は結構あれですけど(笑)。
菊地 筋肉の幅がすごいよね、やっぱり。
Moe 腕とかもすごいですよね。
菊地 いや、上腕筋やばいよね。
OMSB これはマズイですよ。これは脂肪ですね(笑)。
Moe (笑)。
菊地 かいな(腕)」だ、「かいな」!(笑)。
OMSB (笑)。
菊地 いや〜、たまに後ろからラップしたりDJしたりすんの見てると、背筋の動きのものすごくてさ。
OMSB あ、背筋?
Moe あー、なるほど。
菊地 今からボクシングやったらね、チャンピオンになれると思うよ(笑)。
OMSB (笑)。
菊地 まーまーまー…ラッパーとしてチャンピオンになってほしいですけどね。
OMSB そうですね、殴られるの怖いんで(笑)。
菊地 あー、殴られるの怖いですか。
OMSB 結構怖いですね。
菊地 さっきもチラッと言ったんだけど。まだね、日本ってラップが…DQNって言うの?
OMSB ああ〜。
菊地 ワタシの世代では、もう分からない言葉ですけど。
Moe うん。
菊地 要するに、不良のなんかさ…「シャコタンの不良の…」みたいな感じで、それで嫌われてしまうっていうようなところが、もったいないじゃないですか。
OMSB そうですね。
菊地 OMS全然ヤンキーじゃなかったでしょ?
OMSB 全然ヤンキーじゃなかったし、どっちかっていうと、ほんとオタクサイドっていうか。なんだろな…気持ち的には。
菊地 そうだよね。
OMSB 外にそういうのをアピールしていたつもりは全然なかったんですけど。
菊地 もちろん、もちろん。…でも、素行を見てると、完全にそうだよね(笑)。
OMSB (笑)。
菊地 ゲーム、SNS、マンガ、映画…みたいな。部屋にいがちだよね、結構ね。
OMSB そうですね、部屋にいるのが一番楽しいですね(笑)。
菊地 すごいよね、なんか(笑)。こう…いかつく…感じで外を歩いてることは、あんまないっていう。
OMSB そうですね、なるだけ音楽…。
菊地 だしね。
OMSB はい。
菊地 Moeさんに至っては、昔…聞くのもバカバカしいですけど(笑)。
Moe ヒップホップが怖かったですもんね、やっぱり。
菊地 あ、そっち側。
Moe そう。菊地さんの言ってたことが分かる。やっぱりなんか…ほんと小市民だったので、怖いですよ。
菊地 ま、小市民ではないでしょうけどね。
OMSB (笑)。
Moe でもやっぱ、得体の知れないもの…カルチャーっていう感じがして。うん。
菊地 はいはい。
OMSB うーん。
Moe 怖かったですね。
菊地 僕は幸か不幸か、もうヒップホップっていう音楽がこの世に生まれたって時に、もう大人だったんで。大人っていうか、20代だったんで。
OMSB なるほど。
菊地 「あ!…こういうもんが出て来たのね。」っていう感じだったんですよね。
Moe うーん。
菊地 パンクだとかテクノとかニューウェーブとかっていうのは、もう大人になってから出て来たもんなんで。
Moe うん。
菊地 特にヒップホップが…ま、後にG-rapみたいになってったのはね、見てたけど。
OMSB はい。
菊地 そんなん言ったら、あの…ニコニコしてるジェームス・ブラウンとかだって、裏メチャメチャおっかないわけで(笑)。
OMSB (笑)。
菊地 ピストルの世界だしさ。
OMSB そうですよね。
菊地 アメリカ行ったら、ビッグバンド・ジャズの「さぁ、楽しくどうぞ!」みたいなのも、裏行ったらピストルとナイフの世界なんで…。
Moe あー、わかります確かに。
菊地 言っちゃあ、みんな怖いわけなんで(笑)。別にヒップホップだけがさ…
Moe (笑)。
OMSB 限ったことではないですよね。
菊地 うん、別に特別怖いことではないわけでさ、全然。
Moe 表に出てくる…ね(笑)。
菊地 だからまあ…昨今の趨勢はしょうがないですよね。
OMSB そうですね。
菊地 一方でなんか…それのアゲインストで、「文化系ヒップホップのための…」とかあるじゃないですか。
Moe ああ〜。出てますね、本。
菊地 あの本書いた大和田さんって、もともとワタシの生徒なんですけど。
OMSB あ、そうなんですか。
Moe へえ〜。
菊地 ああいうのとかね。Moeさんだって、Moe and ghostsっていうと、大体「文化系ラップの…」とか、必ず付きますよね。
Moe はい。でも、なんですけど…でも、私全然なんか文化…享受してなくって、実際(笑)。
菊地 ほんとですか(笑)。
Moe そうそうそう(笑)。
OMSB ええ!?
Moe そうなんですよ。一番読んでるのがマンガとか。だからほんとに全然他の20代と…OMSBさんと変わらない。
菊地 なるほど。しかし、バスタ・ライムスには腰が抜けましたね(笑)。
OMSB ちょっとアガったっすね!
菊地 アガった、オレも。
Moe だってもう…どんな…なんか隅っこの方にいる人にも届く眩しさみたいなみたいな…。
OMSB あー、ありますね。
Moe そう!そう!
菊地 (笑)。
Moe もう眩しくて。どんななんか目背けてても、やっぱ光が入ってくるみたいな。
菊地 入ってくるね。
Moe うーん。
OMSB 最高のエンタメですよね。
Moe そう!
菊地 いや、ほんと。
Moe そう!…ポテンシャルも…だって、ただでさえフロウとか声質とかも、ラッパーに必要なものが全てこの人持ってると思ってて。
OMSB 確かに。
Moe なおかつ、その裏にまだポテンシャルがありそうな感じがするから。
菊地 うん。
Moe だから…憧れ(笑)。
OMSB (笑)。
菊地 (笑)…Moeさん、バスタ・ライムスに憧れてるってすごいですけどね。
Moe そう、憧れ。


幽霊たち

幽霊たち

※文字起こしの「NAVERまとめ」あります。