「初めての武蔵野公会堂。」


シャーマン狩り

シャーマン狩り

Twitterで田中教順さんが告知していたのを見て、つい2日前にこんなライブがあることを知った。
JA3PODのアルバムリリースライブ@武蔵野公会堂。
JA3PODというバンドのことは全く知らなかったが、小田朋美さんがゲストで出演するらしい。
しかも教順さんがドラムを叩くエビデュオとしてだけでなく、ベースにものんくるの角田さんを迎え、弦楽四重奏を加えた編成での演奏になるらしい。さらに新曲も書き下ろしたそうな。
これは観に行くしかない!
…と思ったが、金曜日で会場が吉祥寺だと、仕事が終わってからでは間に合わなそう。

しかし、運良くたまたま仕事が早く終わり、開演前に会場に着くことができた。
初めて来た武蔵野公会堂は、ほんとに昔ながらのホールという感じでいい雰囲気。
地元の高校生たち(吹奏楽部みんなで?)が前列に陣取り、近所に住んでる感じのご婦人方の姿もちらちら。そんなに大きな会場ではないが、開演前にはかなり席が埋まってなかなかの盛況。
弦の入った編成での小田さんの演奏を聞くのは、「シャーマン狩り」のレコ発ライブ以来なので楽しみだ。
最初に弦楽四重奏によるインスト曲「狩りの技法」が演奏され、続いて「〔風が吹き風が吹き〕」でスタート。
やっぱり圧倒的な表現力。ぐいぐい引き込まれる。
Perfumeのカバー「Love the world」には、おそらく前列の高校生たちの興味も引きつけただろうし、「鏡の中の十月」には中年のおばさま方もうっとりしただろう。
驚いたのはティポグラフィカの「そして最後の船は行く」をエビデュオで、ピアニカとピアノとドラムと声で再現するという離れ業を披露したこと。原曲を知らなかったのだが、これがとてつもないテクニックによるパフォーマンスであることは分かる。(教順さんの歌も堂々たるもの!)
しかし、今回の目玉はやっぱり新曲。なんと園子温の詩に小田さんが曲を付けたとな。
東京ガガガの「スカル」。これが素晴らしかった。
小田さんの歌はピアノの演奏の技術も高く、クラシックの素養がベースになっているので、良くも悪くもアートとして構えて受け取られるてしまいがちだと思うが、実はすごいポップだし、曲の展開とかドラマティックで、1曲で相当なカタルシスが得られる。
ポエトリーを増幅させる表現力には畏怖すらおぼえ、何度観て聞いても感動的だ。
いや〜…わざわざ吉祥寺まで来て良かった!

続いて登場したJA3PODは、弦楽四重奏で小田さんのサポートに入ったチェリストの関口さんのユニットで、実弟アコースティックギター、地元の友人がエレキギターというユニットだそうだ。
すごく演奏力が高く、インストながらも曲はかなりポップで、ドラマティックな展開もある。
NHKのドキュメンタリー番組とかで使われそうで、いずれブレイクするかもしれない。
ただ、この日のライブは、関口弟さんが…まだお若いのだろう…かなりガチガチに緊張されていて、技術は申し分ないのだが余裕がなさそうで、観ていてちょっとハラハラした。
御本人たちも納得のいく公演にはならなかったのではないかな。
しかし、魅力は十分伝わった。また観たいし聞きたいバンドだ。