「東京都北区赤羽」



いや、面白い面白いと聞いてはいたが…
ついつい録画しそびれてしまい、第6話から遅ればせながら観始めた、テレビ東京のドラマ「山田孝之東京都北区赤羽」。
ドラマ…??
俳優業を休業して赤羽に移り住み、自分を取り戻そうとする山田孝之の姿を、山下敦弘監督が密着してカメラに収めたドキュメンタリー…という体の?
どこまでが本気なのかわからない…おそらくフェイク・ドキュメンタリーなのだとは思うけど、その虚実の境界が曖昧なまま、次々と独特な個性あり過ぎの赤羽の住人たちが登場するというのが、やっぱり面白い。
(山下監督が撮ってきた素材を、ドキュメンタリー映画に定評のある松江哲明監督に編集してもらった…ということになっているが、確信犯であろうとなかろうと、この二人のタッグで面白くないわけがない。)
案の定、ハマってしまい、原作?…というか元ネタになった、清野とおる作のコミック本のほうも買って読むはめになってしまった。
漫画のほうも、これ単体で十分面白い。このままアニメにしたって相当面白いだろう。
しかし、実在する赤羽の個性的な面々は、やっぱり本物を観たいではないか。
だからといって、役者に演じてもらっては意味がないし、素人の赤羽住人にヘタな演技をさせてしまっては台無しだし。(その素人演技すらあえて本編ドラマの中に取り込んでいるけどね。これもさすが!)
やっぱりこの「東京都北区赤羽」を実写で見せるには、この手法がベストなのだと思う。
いや、実写化なんてものは超えているな。まったく別の作品でありながら、原作の本質に迫る、すごいドラマが出来てしまった。
主人公である山田孝之君自体がどうなってしまうのか?というドラマ性も保ちながら、1話完結のオムニバスのようでもあり、ひと夏のドキュメントでもあるこの作品…最終回まで目が離せません。