「マッドマックス 怒りのデス・ロード」



楽しみにしていた「マッドマックス 怒りのデス・ロード」を、IMAX 3Dで鑑賞。
「マッドマックス」はリアルタイムの世代なのだが、実は今までシリーズ1本も観たことがなく、今回「30年振りの新作!」と言われても、正直そこまで盛り上がってはいなかった。
ただ、シリーズを観ていなくても、今回の「Fury Road」(原題)はむちゃくちゃ面白そうだったし、ストーリーは難しいことはひとつもなく、とにかく映像に圧倒されるという評判だったので、必ず観に行くつもりではいた。
映画秘宝の先月号がマッドマックス特集だったので買って読み、いちおうDVDで過去作を観て予習もしたけど、シリーズものだと気にしなくてもいいぐらい、この「怒りのデス・ロード」は他のすべての映画と比べても突出している。
何もかもが予想と期待を遥かに上回る大傑作。個人的にも本年度ナンバー1作品になるのはほぼ間違いないだろう。
宇多丸氏の「ムービー・ウォッチメン」も聞き、その後の特集コーナー、放課後ポッドキャストも聞いて、観終わった後に「あの場面が良かった!」などと思い返しても楽しんだが、やっぱり人に薦める時に、どうやってこの映画の凄さを伝えたらいいか、なかなか言葉が見つからないというのも確か。
とにかくスゴイよ、絶対観たほうがいいよ!としか言えないのだ。

「マッドマックス2(Road Warrior)」て提示された世界観が、その後「北斗の拳」やあらゆる作品に大きな影響を与えたというのは有名な話だが、こういうデストピア的な、暴力がすべてを支配する荒涼とした未来像というのは、個人的にはあまり好きではなかったりする。
しかし、この作品を観て考えが変わった。やはりこういう極限状態の中で生き抜こうとする人間を完璧に描き切ってこそ、人生の尊厳や、強い意志の崇高さ、死の重さ、理想や幻想の必要さなど、現在を生きる我々に無関係とはいえないテーマが、強いメッセージ性を持って投げかけることができるのだということを痛感した。
最高のエンターテインメント作品だが、ジョージ・ミラー監督の魂に共鳴できて、感動的な体験ですらあった。
超濃密にあらゆる要素が詰まった一本、観に行かないと損だと思う。

メイキング・オブ・マッドマックス 怒りのデス・ロ-ド

メイキング・オブ・マッドマックス 怒りのデス・ロ-ド