「観方がわからないけど、ガンダムを。」

「粋な夜電波」第245回放送は、ピアニストの大西順子さんがゲスト。
まもなく菊地先生のプロデュースで復帰作のレコーディングに入るという、その前に御登場。あらためて活動復帰宣言をされました。
ガンダムの最新作の音楽にもピアノで参加されたということで、お二人でよく知らないガンダムについて語られていたところが面白かったので、そのトークの一部を文字起こししてみました。

バロック

バロック

菊地 ま…このような曲だの、いろんな曲が入ってて。
大西さんのアルバムは、もちろん全部素晴らしいんだけど、大西さんのカラーってものが一回…完全にもう御自分のカラー持って、それはプレイだけじゃなくて作曲も含めて持ってらっしゃるので。
今回はこういう曲を…ま、ワタシはいちファンでもありますし、ジャズのプロデューサーとして、「大西さんがこういう曲を弾いたらいいんじゃないかな?」という曲を御用意させていただいて…という感じで話が進んでるんですが。
そういうアルバム制作の過程の中、ま…バイト感覚っていうと言葉が悪いですけども(笑)。
大西 (笑)。
菊地 今日のオープニングテーマもそうでしたけども、「機動戦士ガンダム サンダーボルト」っていう…ま、アニメですね…の、主人公がフリージャズファンだっていう設定なのね、一人がね。で、一人が50'sオールディーズポップスのファンだっていう設定で、そのオールディーズポップスとフリージャズが60年代の…ま、フリージャズっつっても和風のフリージャズじゃないような感じ…のものを、いくつか用意して…っていう仕事をさせていただいて。
試しに「大西さん、まだアルバムも先ですけど、ちょっとこれなんか参加していただけます?」って、断られると思ってお願いしたら「やったー!」みたいなメールがきて(笑)。「金だ、金だ!」みたいなね(笑)。そこはもうジャズミュージシャンとして、ほんとにあの…
大西 ああ〜…それは変わらないですね〜。もう、ねえ〜。
菊地 変わんないですね(笑)。
大西 二十歳ぐらいから、まったく変わらないですね、そこはねえ。
菊地 僕の経験則だと…
大西 ええ。
菊地 バークリー留学も含め、海外で演奏活動してた経験がある人は、みんなだいたい同じ感じなんですよね。
大西 (笑)。
菊地 プレイが…じゃないですよ。マネージに関するコンセプトが、だいたい同じで。結構「仕事くれ、くれ!」っていう(笑)。
大西 そうです、そうです。
菊地 で、「コイツ仕事くれそうだな。」って思うと、群がってくるっていうのがあって(笑)。
大西 そうです、はい。
菊地 だから…勢い…ね、大西さんに言われるんだったら、ほんとにありがたいばかりですけども。その…いろんな人が言ってくるんですよね。だいたいもう…みんな、バサバサッと切って捨ててるわけなんですけども(笑)。
大西 (笑)。
菊地 大西さんから来たんで…って、まあ…結構豪華ですよね。ガンダム側も推してもいいぐらいの話だし、これから推すのかもしんないけど。ただね、これねえ…大西さんの所にも資料行ってると思うんですけど、どうやって買ってどうやって観ていいか、我々の歳には全然わかんない…。
大西 うん。全然わかんないですね、これね。
菊地 地上波で毎週夜10時からとかやってくんないと、わかんないですよね。
大西 そうですね(笑)。
菊地 全然…観方がわかんないのね。で、まあ…ワタシは音楽も作って、それを貼ったりする整音の作業もやったりしてますんで、観てはいるんですよね。ただ、一般の方がどうやって観ていいかわかんないんで、まったく宣伝のしようがないんですけど。ピアニストに大西順子さんが参加されてまして、例えばこんなようなテイクもあったりします。たくさんの曲が流れるんですけどね。
(曲)
菊地 はい、こちらもですね…日本では不当なまでに評価の低い、ジョージ・ラッセルのアルバムから…がっつり影響を受けている曲ですけれども。大西さんがピアノをダビングして、二人分弾いております。ま、こういう…曲が流れるガンダムですよね。
テーマはとにかく…凄い「戦争」らしいんで。映画でいうと「スターシップ・トゥルーパーズ」みたいなね、女の兵士も男の兵士もいる…ま、ガンダム自体がハインラインの「宇宙の戦士」みたいなところがあるものだったりするので。これが流れながら、宇宙の戦士の人たちが煙草吸ったりとかですね、非常にリアルな軍が描かれてるんですけど(笑)。
はい、こんな感じでたくさん曲を録ったんだって感じですね。これですら、もう相当前の話ですよね。
大西 そうですね。あの…アタシは多分世代的には本来ガンダム世代なんでしょうけど、ま…知ってる世代なはずなんですけど。全然、観たことないんですよ。
菊地 それ、ワタシもそうなんですよ。
大西 あ、そうですか。
菊地 はい。
大西 それでも…これ、いきなり観てわかるんですかね?
菊地 うーん…今ね、二人の話者が、まったくわかんないまま喋ってるんで(笑)。
大西 うん(笑)。そうですね。
菊地 足元がおぼつかない事…甚だしいんですけど(笑)。
大西 いや…折角だから、なんか配信サービスって書いてあるし、観てみたいなって思うんですけど。話に付いて行けるんですかね?
菊地 行け…ないんじゃないかな。
大西 そうですよね。
菊地 ただ、本筋…だからこれはなんだかスピンオフなんですけど、本筋知らなくても、まあ…わかるかもしんない。
大西 うん。
菊地 要するに、対照的な二人の男性が、一騎打ちじゃないんだけど、軍が二つあって…ま、ダメだ…説明出来ない(笑)。ま…戦争ですよ、戦争。
大西 うーん。
菊地 配信決定?…「第2話は2月12日金曜日の正午から、有料配信決定!」…
大西 すぐですね。
菊地 そうですね。これに先行して「只今ガンダムファンクラブにて、最速先行配信中!」と。はい。2話からはワタシが音楽貼ったり、意見…あの…1話はね、時間の都合で貼れなかったんですけど、2話には庭にはニワトリがいて(笑)…ワタシが整音にちょっと参加させていただいてますので、是非観ていただきたく思いますね。
なにせジャズサイドのピアノは大西順子さん、ポップスサイドのほうは全然違うんですけどね。
と、まあ…そんなわけで、今日はそうですね…レコーディング直前夜ということと、ガンダムが始まりましたということで。またレコーディング直後、あと発売などと、いろいろ機会もあると思いますし。
大西 そうですね。で、別番組ですね。
菊地 そうですね。
大西 ジャズ番組…(笑)。
菊地 相当な人数がこの番組…いちおう数字の上では何十万人か聞いてるはずですので。えー…ジャズ番組の本格的なのを、しかも現役プレイヤーが二人で語る…っていう番組が欲しいな、と思っているプロデューサーのあなた!
大西 (笑)。
菊地 …は、是非…「denpa@tbs.…」(笑)。ダメだろ、そんなの募集したら!
大西 (笑)。
菊地 完全な背信行為でしょ、これ。配信だけに…みたいになっちゃって…オヤジギャグになっちゃいましたけど。
はい、とまあ…そんな感じで大西さんにはまたぜひお越しいただきたく。今日はありがとうございました。
大西 ありがとうございました。
菊地 あれはどうですか、告知なんかありますか。
大西 あ、そうですね。レコーディングの直後に、わりと東北の方とか名古屋の方とか…なんか、色々回ります。
菊地 なるほど。
大西 はい。結構信頼している…結構じゃないですね(笑)…とても信頼しているベイスの井上陽介と。
菊地 ああ、はいはい。
大西 それから、まだ会った事もないんだけど、若手のドラムの…山田くん。山田くん…しか知らない、下の名前知らないや(笑)。
菊地 (笑)…まあ、「下の名前を覚えない大西順子さん」ということでね。
大西 いや、なんか一回「山田くん」って入っちゃうと、ずっと山田くんなんですよ。
菊地 あ、ちょっとわかります、それ。
大西 はい。