「桑原あいさんのフェミニンな時間。」

「粋な夜電波」第337回は、ジャズピアニストの桑原あいさんをゲストにお迎えして。
明るく笑い上戸の桑原さんを前にして、いつも以上に饒舌な菊地さん。笑い声の絶えない、あっというまの60分。
ボーイッシュに見られることの多い桑原さんは、フェミニンな時間をどう過ごされているのか。番組トークの一部を文字起こししてみました。

Dear Family

Dear Family


Love Theme

Love Theme

菊地 あのですね…何の話しようかな。これだけさぁ…
桑原 はい。
菊地 あんま言われ…そんなに今更誰も言わないんだろうけど、やっぱボーイッシュって言われるでしょ。
桑原 言われますね。
菊地 月4回でしょ、スカート。
桑原 えっ、でも…
菊地 バイトですよ、それ。
桑原 (笑)。
菊地 相当頻度の低いバイトですよ。月4ってのは。
桑原 違う違う…。スカートでピアノは弾けないという事に気付き…
菊地 ああ、ああ。
桑原 あの…私、足をすごい動かしちゃうんで。
菊地 すごく動かすよね。
桑原 そう(笑)。
菊地 (笑)。すごく動かしますよね。
桑原 あの…ペダルを左とかでも踏んじゃうし。
菊地 うん。
桑原 何だろう…身体で弾くと、足が上がるんですよ。フンッ!って。
菊地 相当…だって、もう一回聞くけど…っていうか、要するに画が見えてない人がほとんど…ラジオだからね。
桑原 はい。
菊地 ほとんどって…全員画が見えてないんだけど。すごい小っちゃいわけですよね。
桑原 そう。
菊地 百…
桑原 55です。
菊地 155でしょ。
桑原 はい。
菊地 で、グランドピアノ弾くってなると、やっぱ全身で弾かないといけないですよね。
桑原 そう、そうなんす。もう鳴らすためには、身体全部使ってでも足りないぐらいなんで。
菊地 ですよね。
桑原 それをやると足もめっちゃ動く。
菊地 動きますよね。
桑原 そう。そうするとスカートとか穿いてられないんです。
菊地 なるほど、なるほど。
桑原 パンツ見えちゃうから。
菊地 はいはい、そうですよね。
桑原 そう。だからパンツで弾くんですよね。
菊地 ですよね。
桑原 そう。そうするとパンツを穿くんですよ(笑)。
菊地 まあ、そういう事になりますよね(笑)。
桑原 そう。でもオフの日とかピアノを弾かない日は、スカート穿きますよ。
菊地 ほんとですか。
桑原 穿きます。今日もそうですよ。
菊地 そうですね。今日スカートですもんね。
桑原 昨日もスカートでした。
菊地 ヤバいですね。スカート穿いて…
桑原 あっ!…おとといもスカートだった(笑)。
菊地 (笑)。
桑原 (笑)。
菊地 おもしれえなぁ、やっぱり。「一昨日もスカートで…!」って、今動きが見えてないのが惜しくてしょうがないですけどね。こんななってましたよね。全盛期の横山やすしみたいになってましたよ。
桑原 (笑)。
菊地 「昨日もスカート、一昨日もスカート!」…そうですか。
桑原 そうそうそう。
菊地 やっぱここはね、女の子だったら「今日、スカート穿いて菊地さんに会いに来たんですよ。」って言わないとダメですね。
桑原 ああ〜っ!
菊地 男の子だからね。
桑原 違いますよ!
菊地 違いますか。
桑原 ちが…いや、菊地さんだからスカート穿いてます。
菊地 遅いですよ、もうね。
桑原 (笑)。
菊地 タイミングは面白かったですけどね。
桑原 はい。
菊地 そうか。そんなに昨日も一昨日も一昨々日もスカートだって言われちゃうと言いづらいですけど、こう…フェミニンな時間ってのはあるんですか?
桑原 どういうことですか!
菊地 いやいや…いつもピアノを弾く時もね、格闘してるみたいに弾いてるし。
桑原 (笑)。
菊地 その代わり電池切れも早いですけどね。
桑原 早いっす。
菊地 ね。数時間弾くと、スタジオには必ずソファってもんがあって、そこで何か横になって、全く動けなくなった桑原さんをよく拝見するんですけど。
桑原 (笑)。
菊地 完全に止まってしまったっていう。エネルギー使い切ったっていうね。
桑原 そう、恥ずかしいことに(笑)。
菊地 いや、でもしょうがないですよね。
桑原 そうなんですよ。
菊地 この後は…全面的に話展開しますけど、ニューヨークに来週一緒に行くじゃないですか。
桑原 はい。
菊地 おそらくね…学童だと思われますよ。
桑原 えっ…どういうこと…
菊地 小学生。
桑原 (笑)。いや…そうだろうな。
菊地 外人が見たら、桑原さんは学童だし、僕なんか30ぐらいに思われると思いますよ。
桑原 ほんとそうだと思います。
菊地 ですよね。
桑原 はい。
菊地 フェミニンな時間…
桑原 ありますよ!
菊地 じゃあ、それだけおっしゃるんだったら、どういうふうにフェミニンな時間を過ごしているのか教えてくださいよ。
桑原 い、家…家ですよ。
菊地 家でどうしてるんですか。
桑原 料理、料理してます(笑)。
菊地 あの…これもプライバシーに類する事ですからギリギリですけど…昔は、ある一時期お姉様と住んでらっしゃいましたよね。
桑原 はい。
菊地 その頃は料理は…お姉様が作ってたんじゃないんですか。
桑原 いや、あんまりお互い作ってなかったかもしれないですね。
菊地 なるほど。今は作ってるんですね。
桑原 作ってますよ(笑)。
菊地 料理も作る。後はどんな時間があるんですか。フェミニンな時間は。料理…でも料理だったら僕も作りますよ。
桑原 (笑)。
菊地 料理作るだけだったら…
桑原 はい、はい!
菊地 ああ…はい。
桑原 パジャマが…ああ、えーと何だっけ…ブランド名忘れちゃった。えと…ふわふわです!
菊地 (笑)。
桑原 (笑)。
菊地 ちょっといいんですか。そちらの大人の方に聞きたいんですけど、だいじょぶですか。「パジャマふわふわです。」とか言ってますけど。ま、場合によってはカットですね、ここは。カットカットで…はい。
桑原 パジャマ、ピンク…ピンクとか着てますよ。
菊地 ヤバいですね、色まで言っちゃった。ふわふわのピンク着てるんですか。ピンクパンサーじゃないですか、それ!
桑原 (笑)。
菊地 僕も知り合い少なくないですけど、多くの少なくない知り合いの中で、一番いっぱい笑って目の前で手叩くの桑原さんですよね。
桑原 (笑)。
菊地 神社行ってるんですか?っていうね。すぐ柏手打つんで。パンパンパンパン。
桑原 ヤバい今日…ちょっと笑いが止まらない(笑)。
菊地 止まんないですか?…今日じゃなくていつものことだと思いますけどね。
桑原 涙出てきちゃった。
菊地 えー。パジャマがピンクでふわふわしてて、部屋の中で料理を作っているからといって、フェミニンと言えるでしょうか。
桑原 えっ。何したらフェミニンですか。
菊地 そうですねえ。
桑原 逆に言うと。
菊地 逆に言うと、そうですねえ。お化粧なんかどう考えてらっしゃいますか。
桑原 お化粧は基本的に素っぴんが好きです。
菊地 ですよね。
桑原 はい(笑)。
菊地 男の子じゃないか(笑)。
桑原 だってえ〜…知ってます?
菊地 はい?
桑原 素っぴんでいれば、素っぴんの顔になってくるんですよ。要は外でも素っぴんで出れる顔になるんですよ。
菊地 ああ〜、なるほど。
桑原 そう。でも…メガネもそうですけど、お化粧ずっとしてると、お化粧しないと外に出れない顔になってしまうんです!
菊地 おお〜。
桑原 だから男性は…化粧ずっとしてないから、してなくていられる。派手なんですよ。
菊地 ああ〜。
桑原 鳥とかも…孔雀とかもオスとかのが派手じゃないですか。
菊地 そうですね。
桑原 だから…派手なんですって、雄のほうが。
菊地 ま、そうですね。メスのほうが派手なものもいっぱいいますけどね。
桑原 (笑)。
菊地 ま、雄が派手なものもいますよね(笑)。
桑原 私はそれに憧れてるんです。
菊地 ああ、なるほど。
桑原 素っぴんでも出られるようになりたいと思い…
菊地 はいはい。
桑原 あとは本番でメイクされたりとかする時もあるので、あんまり普段してないんです。
菊地 なるほど。
桑原 オ…ONとOFF!
菊地 オンとオフね。ま、本番ではなさってますよね。
桑原 はい。
菊地 うん。あの…僕ね、メイクするの好きなんですよ。
桑原 自分でですか。
菊地 違います。僕は自分はしません。女子に。
桑原 あ、してくれます?今度。
菊地 あのね、桑原さん描きがいがありますね。
桑原 おお〜、してくださいよ。ニューヨークで!
菊地 桑原さん…変身すると思います、多分。あの〜、最近の流行りはさ…
桑原 はい。
菊地 ガチガチに作った顔と素っぴんの顔をインスタグラムにどっちも載せるっていう。
桑原 へえ〜。
菊地 で、どっちがいいっていうわけじゃないっていう。「スッピンはスッピンでかわいいな。」「メイクはメイクでいいな!」っていう…AB面つーかさ、二度美味しいっていうか二枚舌っていうか、そういう感じが流行りだったりするじゃないですか。
桑原 あ、そうなんですか。
菊地 うん。
桑原 へえ〜。してくれません?
菊地 喜んで。
桑原 やった!
菊地 ま…僕がNYで桑原さんにメイクしたら、付き人だと思われるんでね。
桑原 (笑)。
菊地 ゲイの付き人だと思われるんでね。
桑原 (笑)。

オリジナル・サウンドトラック「機動戦士ガンダム サンダーボルト」2/菊地成孔

オリジナル・サウンドトラック「機動戦士ガンダム サンダーボルト」2/菊地成孔