「来週も同じCDだなっ⤴︎!」

「粋な夜電波」第354回はフリースタイル。
アルバムから1曲だけしかプレイしないのはもったいないと思うほどの、捨て曲なしの名盤を4枚セレクト。
ワインバーで、思わず「カミナリ」調のツッコミを入れてしまいそうになった話のところを文字起こししてみました。


はい、「菊地成孔の粋な夜電波」。ジャズミュージシャンの、そしてですね…
まあ、昨日も夜遊び夜遊びでですね、新宿のね…三丁目のワインバーで痛飲しておりまして。ワタシ、そこ結構行くんですけど。
隣のテーブルの…ま、新宿…場所柄ね…やっぱりこう…綺麗な方と綺麗な方、つまり綺麗な男の人と綺麗な女の人、さらには綺麗な方、綺麗なゲイやレズビアンの方々…が集うようなとこが多くて。その店もそういう店なんですけど。
そうするとナンパが始まる事があるのね。たまたまありまして。
ほんで…まあ、まあ…珍しいことでは無いんですけども、すぐ隣のテーブルでナンパが始まりまして。
「ねーねーねーねー、食べ物とか何が好き?」っていう、まーまーまーまー…ありきたりなね、まずはジャブを入れようという質問で。
「そーだなあ…アタシ、すっげえ…」もう酔っ払ってるんですよね。「…豆乳が大好きでえ〜。」っつって。
あ、豆乳、オレも好き…って思って。豆乳と…あれだよね、ブラックコーヒー…缶入りのブラック混ぜて作る「豆乳オレ」最高!…だけど「豆乳オレ」っていう名前、おかしいよね?…「カフェ・オ・豆乳」って言うべきだよね?ほんとは…とか思いながら(笑)。ま、どうでもいいんですけど。
「豆乳、超好きなの。豆乳、超好きでえ〜。あとねえ…きな粉。きな粉も超好きでねえ〜。」とか言って。
「でもね、一番好きなの、湯葉かもしんない!」っつって。「あー、でも湯葉かなぁ?…ギリで豆腐?」…(笑)。
「だけどやっぱり結局一番幸せな気分になるのは、歯応えとかも含めて、やっぱり節分の時に撒く大豆の…」って言いかけたところで…
元は一個だなっ!って(笑)。
カミナリの人のツッコミみたいな感じですね。頭パンッてはたくところでしたけども(笑)。隣のテーブルの人の。
「元は一個だなっ!」にしようか、「植物性たんぱく豊富だなっ!」のどっちにしようか迷ったんですけど。
まあ、いずれにしても千葉弁ですから、茨城弁をね…侮辱してはいけないなっていうことから、見よう見まねでやるのはやめようと思って(笑)…黙ってましたけどね。
こっちもベロンベロンに酔っ払ってたんで、ギリでやるところでしたけども。
まあ、そんなね…「クリーム色過ぎんなっ!」ってのも考えたんですけどね(笑)。まあ、3つ出てきちゃった上にね、口に出して茨城弁のイントネーション出すのは生まれて初めてなんで、やっぱいくら酔っ払ってるとはいえね、火傷は怖いんでね…やめましたけど…そんな菊地成孔(笑)、TBSラジオをキーステーションに全国にお送りしております。
えーとですね、先に言っちゃうと、次に…今日最後にかける曲…アルバムね、これホント素晴らしいアルバムで…「もう、わかったよ!」って話だと思うんですけど(笑)。1曲も捨て曲が無いんですよ。全曲いいんですよね。ま、いいや…その話は後でしよう。

(中略)

えーとですね…来週のこの番組は、先ほども言った通り、「同じCDを4枚持って来て、違う曲をかける。なぜなら、そのCDは1枚から1曲聴くのでは、あまりにもったいないから。」という理由によって…
まだ、ここまで言っても「どうせ2本録りだろ!」という…なんつーんですか、底意地の悪い方ってのはいらっしゃいますからね、いらっしゃると思うんですけど。
天地神明にかけて2本録りじゃないですよ。来週は来週で別録りすんだけど、同じCDを持って来るという、番組史上初の試みですね。それで違う曲をかけて…ま、シャッフルして順番ぐらいは変えるけど、同じ4アーティストで2週聴いて、果たして面白いかどうか?っていう、選曲実験ですね。壮大なね。
この番組はいろんな選曲実験やってて…「CD1枚だけ」とかね。あと「1曲だけ」って日もありましたよね。1曲だけで、その歌詞について徹底的に訳すっていう、1時間で1曲だけだっていう日もありましたし。いろんな選曲実験やってたんですけど、ここんとこあんまり攻めに出てなかったんで、久しぶりに攻めようと思います。
あ、そう…全部まとめてまるまる「三月の水」…ジョビンのね…だけって回もありました。
いろんな選曲実験の中で、今回はちょっと…ま、偶然ほんとに「これ1曲じゃもったいないよ!」ってアルバムが4枚あったんですよ。なので、来週も今日と同じラインナップで、楽曲が変わります!…という事をやってみます。
もしこれでうまくいった場合ですよ?…翌々週も(笑)…持って来るっていう。これで12週稼げるな…っていうね。
まあ、途中から…何て言うんですか…腐った大人の知的勝算っていうんですかね…が、チラッと頭かすめるわけですが。そこまで悪党じゃないです、ワタシも。「悪党の悪くねえのと、辛子の辛くねえのは扱いづれえ」って言いますよね。つまんねえ…って言いますけど。ま、そこまで悪党じゃないんで。
で、まあ来週はその選曲実験するんだけど、今のメールなんで読んだかって言うと…
再来週…これはまだ未定ですけど、かなり高い確率で「素敵なダイナマイトスキャンダル」…これは映画のタイトルなんだけど。もう公開されてますね、これオンエアの日には?…うん、されてますね。
なにせワタシが初めて出演した…実際は初めてじゃなくて、キャメオ出演みたいなので、ちょっと顔出したことはあるんだけど。そうじゃなくて、ちゃんと脚本もらって役作りして演技やったっていう…初めて出演したっていうのと、音楽をやってる。これはそんな珍しく無いんだけど…映画音楽腐る程やってるんですけど。
今回は小田朋美さんっていう、非常に才能豊かな…芸大作曲科を卒業された、坂本龍一さんや渋谷慶一郎さんの系譜にある才媛ですね。ワタシのDC/PRGってバンドのキーボードでもありますが。
小田さんと一緒に…小田さんに手伝ってもらったとかじゃなくて、ほんとに二人で一緒に作っていくって感じで音楽をやりまして。
主題歌を末井昭さんと尾野真千子さんが歌っている、と。原作者と主演女優がデュエットで主題歌を歌うという企画は、映画史上初めてだと思いますので。これはワタシが考え付いた…っていうか、出演交渉の切り札にしたんですけど。ずーっと「出ない!」っつってた…ま、こんな話…そん時しましょうね。
この映画のオリジナルサウンドトラック盤が、TABOOレーベルから出ます。非常にクオリティ高いです。半分はリミックスなのね。
なので、この映画のバックヤードの話もさることながら、OST盤…オリジナルサウンドトラック盤に関して、監督の富永君、それから一緒に音楽を担当した小田朋美さん、それから原作者の末井昭さんに、今オファーをかけております。全員来るかどうかはわかりません(笑)。多分…でもみんな出たいから来ると思いますけどね。映画のプロモーションのために。
それが再来週ね。来週は選曲実験…という感じであります。

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