【CD】「Don't Believe The Truth / Oasis」

なかなかいいアルバムです。たとえ我々がオエイシスに望んでいるものと、提示されていたものにギャップがあったとしても。

Don't Believe the Truth

Don't Believe the Truth

メンバー全員が作曲に参加することにより、楽曲のバラエティが増えたのはもちろん、アレンジもより多彩になった。プロデューサーのデイヴ・サーディの丁寧な仕事によって、音に深みが増し、今まで続いた「ドコを切ってもオエイシス節の金太郎飴状態」からさらに脱却。アコースティックギターを効果的に使った曲群が多く、The La'sを意識したようで、風化せず長く聞き続けられるタイムレスな作品に仕上がっている。
でも・・・・正直言って、やっぱりパッとしないなあ。品良くまとまらなくてもいいから、Oasis最高〜!と盛り上がれるグッド・メロディの曲が少ないのが残念。さらに、個人的に不満なのが、「ノエル歌いすぎ!」
「Mucky Fingers」や「Part Of The Queue」も兄・ノエルの作曲だが、なぜ自分で歌う?リアムが歌えばもっといい曲になるのに!リアム本人作曲の「The Meaning Of Soul」なんか、コード二つの繰り返しで2分足らずであっという間に終わるシンプルな曲なのに、それでも彼のシャウトが響けば抜群にカッコイイのだ。我々はリアムのがなり声が聴きたいのだ、それこそがオエイシス最大の魅力ではないか!
いまだに初期の2枚のアルバムを超えられないと言われるその理由のひとつに、「ほぼ全部リアムが歌っていたから」というのはあると思う。「Cast No Shadow」や「Married With Children」なんか、今だったらきっとノエルが歌ってしまうだろう。それをリアムが歌っていたから良かったのだ。ほんとなら「Don't Look Back In Anger」だって、キーを下げてでもリアムが歌うべきだったと思っている。ただ、今回のアルバムのラストナンバー「Let There Be Love」で二人でパートごとに交互に歌っているが、これはいい試みだ。兄のほうが、裏声を多用したりする表現力は上なのだから、1曲全部歌うのではなく、リアムの声が出にくいところをカバーしてくれれば、さらに楽曲の質は高くなることもある。
いずれノエルが歌っていたナンバーを集めて、リアムの歌で再レコーディングしたアルバムを出したら、それが一番売れるんじゃないか?と想像もする。