【EVENT】「田中健太郎 STREET LIVE @P'パルコ」

たまたま通りかかったピーダッシュパルコの前になにやら人だかり。たまに店頭のスペースを使って、これから売り出そうとするバンドのミニライヴなんかをやっているのだが、「田中健太郎 STREET LIVE」と書いてあったので、今回もミュージシャンが出てくるものとばかり思っていた。「誰やねん、田中健太郎って?売れないフォークシンガーか?」・・・ちょうど始まる時間だったので、ひやかし半分で観ていると、司会の説明が。「まもなく人気イラストレーター・田中健太郎さんのライヴパフォーマンスが始まります、皆様ぜひ・・・」だって。
イラストレーター??これから生で絵を描くのを観せるとゆーのか。面白そうだ・・・と思って、デジカメ片手に見物することにした。
白いチョークを片手に、現れたのはまだ若い、ちょっと男前のニーチャン。大きなパネルに黒い紙が貼られたキャンパスに向かうと大胆に線を引き始めた。まず真ん中に鳥らしき形を、そして周囲にビル群をどんどん、勢いで描いていく。稚屈ながらその思い切りの良い描きっぷりが面白くて、見入ってしまった。ひととおりビルを描いたと思ったら、絵の具をチューブからひねりだし、そのまま直になすりつけるようにして色を付けていく。しかし書き足しては手でこすりけしたりしていって、ちょっと台無しになるんぢゃないかと、観ていて不安になる程の勢い。一枚のキャンバスを完成させる課程を披露するのかなと持っていたら、いきなりカッターナイフでキャンバスに切れ目をいれ、その部分を剥いでいくと、下からさらに緑色の紙が現れた。そこにヨーロッパの城のような絵柄を描いていく。本人は汗だくで大マジメな表情。やはりこれだけ衆目にさらされながら、おそれることなくためらわずに線を引いていくというのは、真剣勝負なのだろう。
緑色の紙に書き始めたものも、白い絵の具で塗りつぶし始め、どんどん台無しになっていく。さらにカッターで切り、紙を剥がすと今度は白いキャンバス。墨汁を染み込ませた筆で、太い線をこれまた大胆に引き始めた。もう本人は服も手も絵の具まみれになっている。オイオイ、どこまで行けば完成なんだよと不安にもなったが、その課程と、絵の具まみれの作者自体を観ているのが楽しくなってきた。最後、着ていた絵の具まみれのシャツをキャンバスに打ち付け、Thanksとチョークでメッセージを書き入れたところでパフォーマンス終了。
なんだかんだ言いつつも、絵を描く課程を1時間もの間、飽きさせずに観させるというのはなかなかスゴイ。と、感心しつつも、実は出来上がった絵を冷静に見ると、「なんだこりゃ?」と思わずにはいられなかったけれども。