【CD】「ブルートレイン / ASIAN KUNG-FU GENERATION 」

ブルートレイン

ブルートレイン

アジカン久しぶりのシングルは4曲入り。「JAPAN」でのインタビュー等から、今回も「サイレン」の時のような新境地開拓と感じさせてくれるのではと期待していました。
その期待に応えるに十分。アジカンはさらに進化しているということを示した、充実した内容のシングルです。
歌メロは相変わらずで、さすがに尽きてきた感は否めませんが、ポップのツボは外していないし、アレンジもより工夫が凝らされているので、そう簡単には飽きがこない楽曲に仕上がっています。収録された4曲とも少しずつタイプの違う曲でバリエーションが増えているのもいいです。
さらに、バンドアンサンブルはますます強固になり、音もクリアだし、タイトな演奏で実に気持ちいい。以前からドラマーの成長ぶりには感心していたのですが、今回も多彩なフレーズを見事に叩きわけています。そのドラムにぴったりと寄り添うように、ベースがシンプルかつ確実な演奏を合わせていて、このバンドのリズム隊は曲の骨格をしっかりと形成している感じがします。
インタビューでゴッチはちょくちょくギターの喜多君をあおるような発言をしていて、最近は徐々に彼がバンド内でイニシアチブをとるようになってきたことが喜ばしいというようなことも言っていたと思いますが、彼もまた作曲に積極的に関わって来ているのでしょう。タイトル曲の「ブルートレイン」などはギターの音色がそのまま曲のイメージを決定付けているところがありますし、聴いている方にも、「このバンドはギターの引き出しが増えるほど、もっといろんなタイプの曲もやれる」と証明出来たのではないでしょうか。
次のアルバムへの期待感が膨らんだのはもちろんですが、要所要所でターニングポイントを作り、バンド内にポジティブな緊張感をもたらしてさらに進んでいこうとする、そのプロ意識の高さを感じて、さらにこのバンドへの信頼が増しましたね。