【BOOK】「LOVE」 & 「PEACE」 みうらじゅん・著


「miura jun rare tracks 1990-2003」とサブタイトルの付いた、単行本未収録エッセイ集。白い装幀の「ラブ」と黒の「ピース」。2冊並んでブックオフに出ていたので、これは両方買うでしょ。
本とかって、その内容よりもその著者に興味を惹かれて買うことが多いので、一度気に入ったらその人の作品はなるべく全部集めるようになってしまう。最近になって、今更ながらみうらじゅんの著作・DVDを買い集め始めた。(マイブームと言う程ではないが)
みうらじゅんってずいぶん昔からメディアに顔を出していた人のように思っていたけれど、さかのぼってみると、有名になったのは意外と最近(といっても「ゴジラ事件カミングアウト」から20年近く経つわけですが)で、さらなる流行を作っていくのはむしろこれからな感じなんですね。過去にも彼の中でいろいろなマイブームが起こってきたわけですが、こうしてその時々のエッセイを年代順に読んでいくと、その最中はホントにマジなんだなとゆーことが分かります。当時のマイブームが「奥村チヨ」ならそのことばかりを、「とんまつり」ならそれについてを、雑誌は違えどひとつのテーマで集中的に熱く語っているのですね。
「仮性フォーク」を聴けばさらによく分かりますが、みうら先生のスゴさは「思いこみの激しさ」と、その熱が冷めた時に「自分で自分を面白がる」ことのできる、分裂症的ナルシストぶりにあるのだと思います。
やっぱり表現者には「照れ」って必要よ。どんなに成功した人でも「迷いが無い人」って自分は嫌いだなあ。たとえ「迷い」が足枷になって、いつまでたっても夢を語るばかりで何も出来ない自分でい続けたとしても、迷いが無い人の偉そうな意見には心を動かされない。ま、それが宗教とかにはまらずに今まで生きてこれた自分なりのバランス感覚にもなっているわけだ。