島崎三歩を尊敬。

岳 8 (ビッグコミックス)

岳 8 (ビッグコミックス)

「岳」は泣ける。もう何度読んだかわからない。
常に死と隣り合わせの危険を伴う山岳救助とかを題材に扱うと、過剰にドラマチックになってしまいそうだが、この作品は主人公の島崎三歩の飄々としていながらも人間的な温かみのあるキャラクターのおかげで、山に思い入れのない読者でもそのストーリーに感情移入しやすくなっている。
人の生死の重みを知りながらも、三歩は登山者に優しい。
山の恐ろしさを誰よりもよく知っているがゆえに、人を責めることをしない。
危険を理由に山を嫌いになってほしくない、多くの人に登頂してもらって、そこから見える景色のすばらしさを観てもらいたいという、山への愛が大きいのだ。
ああ、その人間の器の大きさを尊敬するよ。…でも山バカの人と友達になったら、大変だろうなあ。