「源にふれろ」


原題:Tapping the Source
ケム・ナン著 大久保篤

サーフィン小説という類いのものは結構めずらしいと思うのだが、雑誌で紹介されていたので探して買って来てみた。
海外の小説は翻訳次第によってはその読みにくさに辟易してしまいがちだが、これは実に読みやすくて良かった。
内容も映画化すればいいのにと思えるほど、シンプルながらドラマチックな展開もある、切ない青春ストーリー。
サーフィンを通してひとりの少年が成長していく過程がリアルに描かれている。
失踪した姉を捜すという主人公の行動には謎解きの要素もあり、最後まで興味を持って読み進められる。
古き良きカリフォルニアの雰囲気も封じ込めた、確かにサーファー必読の一冊だ。