「少年少女漂流記」

少年少女漂流記 (集英社文庫)

少年少女漂流記 (集英社文庫)

乙一って書いてあったから、普通に小説だと思って手にした文庫本が、マンガだったので意外だった。
原作が乙一で、作画が古屋兎丸(「ウサマル」って読むだ…初めて知った。「トマル」?かと思ってた)の共作。
思春期特有の、妄想と現実のギャップに悩む少年少女が、非日常に足を踏み入れていく、現代ホラーのような短編群。
釋英勝の「ハッピーピープル」や御茶漬海苔の世界にも通ずる、ちょっとエグいが、ありえなくもない話。
一話完結だと思って読み進めていたら、最後の方で繋がってくるのには驚いた。
よく出来てるなあ。絵の方の表現力も素晴らしく、想像力を補って余有る。
映画化にも向いたストーリーだと思うけど、CGや特殊効果をいくら使おうが、このマンガの表現力にはかなわないだろうなあ。