ソウルのソウル・ミュージック。

今週の「菊地成孔の粋な夜電波」は「ソウルバー<菊>」開店!ということで、いつもにも増してノリノリの回で最高だったわけなんですが。
とにかくかかる曲が全部最高で、まさに「血に飢えたフライデー・ナイト」にぴったりの選曲、そしてその曲紹介のフレーズもキャッチーで、ラジオDJとしての菊地さんのポテンシャルの高さに再度ノックアウトされましたね。
文字起こししたくなる箇所はたくさんあったのですが、あえて原稿を用意していないルーズな喋りの部分の方がいいだろうということで、「ソウルのソウル・ミュージック」をプレイした部分をテキストにしてみました。

(メールを紹介して)
このねえ…「韓国のソウルではなくて、私の大好きなソウル・ミュージックの特集でいいんだ!」という一文にピピン!ときたら…、え〜…110番って感じですけどもね(笑)。
あの、今から何聴くかっていうと、まあ…「少女時代」の特集がね、11/11に延期になりましたんで。ま、その、お詫びと言っちゃなんですけども…。
まあ〜、もうね、アタシの家の近所で買った「タイトルの読めない韓流R&B、HIPHOP」…ま、韓流ブラック・ミュージックですね。…の、コレクションも…ゲップでそうで、そろそろ聴かないやつは処分したいなという時期なんですけど。
要するに、今韓流ブームってのは「第三波」にして最強と言われてて…。
「第一波」が「冬のソナタ」。「冬のソナタ」が終わって、「冬ソナ」終わったんだけどまだ「冬ソナ」にしがみつく人の、ちょっとした憩いの場所だったころにアタシ来たんですよ、新宿に。ま、なんで、それは「一波」の後ですよね。
で、「一波」の後「二波」は弱いと言われてて、「チャングムの誓い」と「チョナンカン」なんだけど(笑)。これは弱かったっていう…。そいで、その代わりにワールドカップがあったじゃないですか。で、アタシが越した2年…2006年くらいかな。…もう凄かった。サッカー全然わかんないんで…。大体ね、あんなでっかい箱に小っちゃい球ポーンポーン入れて、ゴルフ見習え…っていう話すると、サッカーファンがもうほんとキレるんで(笑)、あの面白いんで毎回やるんですけど。…す〜ごかったんすよ。…最初はね、戦争だと思って、ドッカーンドカーン!というんで爆撃かと思って、うわっ!と外出たら、地上に赤いシャツ着た人が…路上で一杯になってたんで。「戦争じゃない!、革命だ!」と思って(笑)、そいで「急いでテレビ付けなきゃ!」…あの、共産主義革命だと思ってね、赤いシャツ着た人が一杯いたんで。テレビ付けたら、なんてことないサッカーだったんですけど。
要するに、韓国軍に得点が入る度に、ドカーンドカーンって爆弾が落ちるほどの音が聞こえてたんですね。…これはもうちょっと外に出て水買いたいんだけど、赤いもん着て出ないとリンチに遭うと思って、家中の赤いもの探したんだけど…、その赤いもので「あったあった!」って出てきたのが「マクドナルド・モスクワ」っていう(笑)…20世紀に作られたジョークTシャツで、これしかねえや赤い着るものと思って、しょうがねえからそれ着てこっそり…オレだけ「マクドナルド・モスクワ」Tシャツでこそこそ外出たんですけど。

もうそれどころじゃないんで熱狂。あの〜、それこそファミリーマートみたいなとこ入ったら、もう興奮して、蹴り合ってんの人が。「なんで蹴ってんの?この人達…」て今から思えばあれがテコンドーですけどもね。
…ま、そんな感じですよ。その後きたのが、ご存知「第三波」で、「少女時代」以降のK-POPアイドルの波ですよね。あれももう近所では実は、「少女時代」が日本盤が出る1年半前くらいから、もう盛んにかかってたんです。で、このコ達くんのかな、くんのかな?…って、ま、全部喋っちゃってるんでこれ(笑)、11日にやる放送内容…ま、端折りますね。
で、てなわけで、…その「少女時代」「KARA」っていうね、…ま、「少女時代」「KARA」っていう状況じゃねえよ今はっていう状況も知ってますけどね、家の周りショップだらけなんで。今アタシが狙ってんのは、バンコクのアイドルですけどもね。「オレンジ・マーマレード」っていう…誰も知らない(笑)…これはヤバイですけどね。水着の上にセーター着てんですよね(笑)。…まあそれはいいとして…。
ま、そういうわけで、買い溜めてたの、それまで。とにかく街行くとHIPHOPボサノヴァ、フォーク、ロック、全部が韓国語で流れてたんで、面白えや面白えやって買い溜めてたやつから、ソウル・バー対応…、これをこっそり。ま、今日はねラジオ番組ですから、こっそりっていうか、あからさまにいきますけども。新宿の「ブルックリン・パーラー」っていうオシャレカフェでDJやった時に、間にね、東海岸、西海岸、サウス…で、ちょっとこのソウル(Seoul)ってのを入れてみたんですよ。まあ、シャレになんないっていうか、シャレになるっていうか…「ソウル」だけにね。わかんないっていうかね、…あの、カフェだからみんな飲み食いしながら楽しく聴いてるんで、サーッと通られると、トラックの…。…あの日本のブラック・ミュージックはトラックが細いっていうか、日本風ではんなり柳腰なんで分かっちゃうんだけど、ソウルのは太いですからね。あれやっぱりね、兵役が身近かどうかって…ま、こういう話は11日にしますけども(笑)、…え〜太いわけ。で、その中からサッとかけても気が付かないくらい、もう…ラッパーのフロウも凄いですよ。…ただ、残念なことに読めないんですよ、タイトルがね(笑)。
え〜アーティストさんがね、「ダイナミック・デュオ」もしくは「バンド・オブ・ダイナミック・ブラザーズ」だと思うんですけども、そこだけ英語で書いてあんの。ですが、後はハングルなんですよね。…あ〜、そんなことない。英語のサブタイトル付いてるわ。「Get Money」聴いてみましょう。
(曲)
はい。え〜と「バンド・オブ・ダイナミック・ブラザーズ」が名前の方じゃないかな…。アルバム名が「ダイナミック・デュオシリーズ5」。これ5枚目なんですけどもね、ワタシ1から5まで持ってるんですが。…ていうか、こんなようなCDが100枚くらいあるんですねウチに。…まあ、その中でも一番クオリティ高い盤ですこれ、持って来ました。全トラックいいんでね。14トラック入ってるんだけど、これが…レコーディング・データみると08年なんで、「少女時代」でいうと「Gee」「GENIE」の前の年…ていうか「Gee」「GENIE」がプロダクツとして準備されてた年でしょうね。
まあ、ソウルの…ダジャレですけど、ソウル・ミュージックが、ブラック・ミュージックにここまで隣接したっていう、臨界の記録だと思いますけどね。
もう、一曲くらい聴きたい?…なんか、バーっぽいすよね(笑)。もう一曲聴いてみましょうか…。
…あっ!…オレ今までこれ…テンポ落として聴いてた…。大事件…(笑)。CDJが片方マイナスになってましたね…。すごいですねこれね(笑)…また記念すべき奇跡の回になりましたけどね。…え〜それでは今修正しました。正しい適正なテンポで聴いてみましょう(笑)。今まで右のCDJでプレイしてた曲、全部落ちてましたけどね。あの、気がつかないもんですね。ええ、かえってクールダウンしたっていう感じですけどね…。

Dynamic Duo 5集 - Band Of Dynamic Brothers(韓国盤)

Dynamic Duo 5集 - Band Of Dynamic Brothers(韓国盤)

最後に自らのポカでオチをつけるあたり、さすが菊地さん。
ひょっとして「天然」か「養殖」かでいったら、天然なのでは(笑)。
生放送ならではのハプニングも含めてリスナーに愛されている、もう押しも押されぬTBSラジオの看板番組になりつつありますね。

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