「粋な邦楽ソムリエ。」

総選挙開票前の時間にオンエアされた、第85回の「粋な夜電波」は、スペシャル・ウィーク特別企画。
リスナーからの『こんな状況の私にぴったりの選曲を!』というオーダーに、「邦楽ソムリエ」の菊地先生が、ぴったりの日本の曲をあてていくという回でした。絶妙の選曲で、最高でしたね。
メールを読んでそれに応えるという内容でしたので、今回は文字起こしできるところが少ないかな?と思いまして、今週はお休みしようと思っていたのですが、なんと公式サイトの写真館のページに、この文字起こしを利用してくださる枠が用意されていましたので(笑)、遅ればせながら、冒頭の企画説明から1曲目の紹介部分を文字起こししてみました。
挨拶部分だけでも…しっかり面白いですね(笑)。

ANGELIC

ANGELIC

はい、「菊地成孔の粋な夜電波」。え〜…本日はですね…スペシャル・ウィーク!
…ね、特にエコーがかからないまま、ちょっとがなってみましたけど(笑)。
そういうわけでですね、もう…選挙、皆さん投票もお済みだと思いますけどね。どなたに投票したんでしょうかね。あんな人、こんな人…(笑)。
ワタシもね、投票は済ませましたよ。誰に投票したかは、もうそんな…言わずもがなっていうことだと思いますけどね、ええ。
ま、そんな開票を待つ…ね、この国の行く末を決める、開票を待ってる時間に、こんなことやって大丈夫なのかな?…っていうぐらい楽しい企画でございますけども。本日は〈邦楽BAR・J菊〉開店。ということでですね、私、無免許ながら「邦楽ソムリエ」としまして、皆さんのお便りにぴったりの、しかも日本人による日本の楽曲をあてていく、という回でございます。
え〜…まあまあ、先週・先々週とこの企画をこう…煽り、ワタシ番組内で「失恋した方、失恋した方、失恋した方…そして、失恋した方。」などと、失恋ハイプでですね、失恋、失恋でもう大わらわになりまして。大変な…番組開始以来、最大量ぐらいのメールをいただきましたが、その95%が失恋ということでですね、失恋インフレ時代到来(笑)。
ということで、まずほとんどの失恋メールが破棄される結果となってしまいまして(笑)。
…まあまあ、自分で煽っておいてですね、その溜まった紙を破棄してしまう…。ま、全部もちろん目を通しましたけどね。…なんとも言えない感じですね。まるでバブルが崩壊したような気分ですけれども(笑)。
ま、そんなわけで失恋物ではないメール…例えばこんなメールをいただいております。今日の一曲目となります。
(「食欲が増進するような曲を」というリクエスト・メールを読んで)
…お腹が空く音楽といったら、もう細野晴臣さんの音楽しかありません。「お腹が空く=細野晴臣」でいいと思います。
ワタシの、これはなんというか…ソムリエとしての経験値ですね。「なんか腹減っちゃったなあ〜、聴いてたら…」っていう経験の、80%以上が細野晴臣さんのソロアルバムを聴いている時ですからね(笑)。
なぜかお腹を空かせる力を持った…やはり、天才は貪欲なのだ、というようなところなのでしょうか。
これはシャレでもギャグでも何でもありませんで、やはり今週はソムリエということで、マジでいこう!ということでですね、真摯に選んだ結果なんですけどね。
細野晴臣さんのソロアルバムではありませんが、細野晴臣のプロデューサーの…修業時代ってわけじゃないですね、もうこの時、完成されたプロデューサーですけども、日本のプロデューサー・ワークの初期の決定版と言われています、ティン・パン・アレーいしだあゆみ…あ、逆だ。いしだあゆみティン・パン・アレー・ファミリーというクレジットになっていますが、「アワー・コネクション」という、いしだあゆみさんのアルバムがあります。
このアルバムは細野晴臣さんが楽曲提供、作曲・作詞・編曲…プロデュースですが、ほとんど細野晴臣さんのソロアルバムだと言っていいだけの内容でありまして。当然これ聴くと、お腹が減ります。
…お腹がね、空いてないんだ〜。冬、腹減らないのはやばいですよ。というわけで、この曲をどうぞ。いしだあゆみティン・パン・アレー・ファミリー、「アワー・コネクション」より、お腹が空く曲です。「私自身」。

アワー・コネクション

アワー・コネクション


ほぼ毎週、番組の一部を文字に起こしているのですが、これは個人的な楽しみとしてやっております。知識豊富な菊地先生の話題から、ミュージシャンの名前などのキーワードを検索したりすると、いろいろ勉強になるなと思いまして。
最初は前口上があまりに面白くて、そこを文字に起こすところから始めたのですが、前口上やZound Industries JapanのCMコント部分などには台本が用意されていて、後日サイトでも公開されたりしていましたので、だんだん番組中のトーク部分を起こした方が…、それもPodcastで配信されにくい部分や、ネット局での放送がない時間帯に話された内容を記録した方が情報価値があるかな?…などと考えながら、文字起こしするようになりました。
今回はリスナーの方のメールの内容を、無断で記録として残してしまうのは良くないんじゃないかと考えまして、文字起こしをお休みしようと思っていました。
まあ、公共の電波にのった時点でオープンソースなのだとは思うのですが、文字にするといろいろ証拠として残ってしまうのを嫌う方もいらっしゃるでしょうから。
ちなみに、先日、菊地先生に「実はこういう文字起こしをやっていまして…」と直接ご報告させていただきました。「生放送で勢いでポロッと言ってしまったことを残してしまうこともあるかもしれないのですが…」とも申し上げたのですが、「全然オーケーですよ。」と快く許可してくださいました。いちおう一部を公式サイトにも使っていただけているので、ご迷惑にはなっていないようなので安心しています。
「…ちょこちょこ文字起こししてたら、気付けばどえらい分量のテキストになってるやないか〜!」と言えるぐらい、この番組がずっとずっと続いてくれることを願っております。