「グランド・ブダペスト・ホテル」
仕事帰りに、コレド室町に初めて寄ってみた。
なんか「ちょい高級」なお店がたくさんあって、Tシャツでふらっと来てしまった場違い感。
新しく出来たTOHOシネマズ日本橋で映画を観るのも初。
仕事がたまたま早く終わったので、レイトショーではなく19時15分の回に間に合った。
21時の回だと観終わって帰宅するのが0時前になってしまうので、これはラッキー。
シネマイレージポイント会員デーでもあったので1400円。これから火曜の夜はちょいちょい利用することになりそうだ。
予告編を映画館で何度も観て面白そうだとは思っていたが、町山智浩氏の解説を聞いて、「これは絶対観に行かなきゃ!」と楽しみにしていた作品、ウェス・アンダーソン監督の「グランド・ブダペスト・ホテル」。
結果的にコレド室町で観るのにこれ以上ふさわしい映画はないように思えた。
オシャレでビューティフルでユーモラスでちょいセンチメンタルで…でも独特の味わいのある映画。
まず絵的に美し過ぎる。ほんとに絵画が動いているよう。どうやって撮ってるのだろう。
ウィキペディアによると「ウェス・アンダーソン監督は1.33:1、1.85:1、2.35:1の3種類のアスペクト比を時間軸ごとに使い分けている。」らしい。…よく分からないが、かなり絵作りにこだわりのある監督であるようだ。
これはウェス・アンダーソン監督ならではの作風なのだろうか。「ダージリン急行」とか、他の監督作品も観てみたくなった。
出演俳優も豪華キャスト。ちょっとしたカメオ出演まで至るところに通好みの名優が起用されていて、みな特徴的で印象に残る。
英国の役者が多く起用されているようだが、舞台は東欧のはずなのに、1930年代の架空の国という設定にうまくはまっている。スタイリッシュなのだが、ノスタルジーを喚起させる仕草や佇まい。
主役のレイフ・ファインズの魅力については言うまでもない。
ものすごく凝った絵作りなのに、それをじっくり見せるのかと思いきや、せっかちなほどのテンポで話はどんどん進み、あっという間の100分。
ちょっとチャカチャカしてるな〜と感じるほどだったが、エンドロールで延々と流れるバラライカがけたたましく鳴る、コサック風(?)の、まさに30年代当時のダンスミュージックを聞いていて、「なるほど、この音楽のテンポ感に合わせた編集になっているのか〜。」と妙に納得。
あっさり終わるが余韻の残るラストは、「ライフ・イズ・ビューティフル」を観た時のことを思い出させる。あのなんとも言えない悲しみを胸の中に収めようとしている間、ずっとこのけたたましいバラライカの音が鳴り続けていて、ここまで込みでの演出なら、もう参ったというしかない。
久々にいい映画観た。
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