「小料理屋『ものんくる』の名物女将。」

「粋な夜電波」第175回放送は、まもなく待望の新アルバム「南へ」が発売される、「ものんくる」の特集。
おなじみのサラ太郎こと吉田沙良さんに、今回はリーダーの角田隆太さんをゲストに迎えて、アルバムの制作秘話など充実のトーク
ソングライターとしての角田さんが、吉田沙良という絶対的な歌姫を擁するユニット「ものんくる」に対して、どういう姿勢で臨んでいるのかが語られた部分が、とてもユニークでした。
そのトークの一部を文字起こししてみました。

南へ

南へ

沙良 …あれ?…質問何でしたっけ?(笑)。
菊地 答えてないよね。
角田 (笑)。
菊地 答えてないわ。(メールの)質問の答えは…はい、どうなんでしょうか。「ミュージカル的な…踊ってる感じがするのは、どこらへんまでが…」。
角田 あ、そうだそうだ。それはあれですね、「狙ってやってることなのかどうか」みたいな質問ですね、確かね。
菊地 そうですね、はい。
角田 なんかよく言われるんですけど、「プロデューサー目線として、沙良ちゃんに合うような曲を作ってるんじゃないか」みたいなことを言われるんですけど。
菊地 当て書きってやつね。
角田 ええ、ええ。でも僕は全然当て書きしてなくて。もうただ単純に、出したものを歌うと、すごく上手く聴こえるっていう…状態が「ものんくる」です。
菊地 え?…当て書きじゃないの?
角田 そうなんです。
菊地 でも、当て書きじゃないけど、「ものんくる」って…角田くんが沙良さんに出会って、沙良さんも曲も作ったりもしてたんだけど、「もう、いいや…。」ってなってる頃に、「じゃあ、作るわ。」って言って作り始めたっていう話を、1年前にこの番組で聞いたような気がするんですよね。
沙良 ふんふん。
菊地 それ…は当て書きになんないですか?
沙良 うーん。
角田 それって当て書きなんですかね?
菊地 難しい。あのね…沙良さんのいない所でゆっくり話したい(笑)。
角田 (笑)。
沙良 じゃ、お疲れさまでした(笑)。
菊地 僕ね、あの…あんまり自分の話しても今日しょうがないんだけど、昔SPANK HAPPY」ってやってたの。
角田 ええ、ええ。
菊地 ほいで…ものすごい歌が上手いんだけど、曲も作ってたんだけど、なんか「いまいち自分の作る曲とか、どうかな?」っつって、沙良さんと違う所はもうすでにメジャーデビューしてて、一回…ま、いわゆるメジャー失敗っていうのをしちゃって…っていうハラミドリさんっていう人がいたんだけども。
角田 うーん。
菊地 その人と会って、初めて作詞したの。
沙良 うーん。
菊地 うん、それで始めたの。それまで「歌の歌詞なんて、書くわけねえだろ、ジャズミュージシャンが。」って思ってたの。
角田 へえ〜。
菊地 しかも、女の子の歌を
角田 ええ、ええ。
菊地 歌詞なんて書くわけない!と思ってて、それが…30とかですね。
沙良 へえ〜。
菊地 20年ぐらい前ですけど。それでバックバンドやってたんですよね。それで…事務所も解雇され、レコード会社も解雇され、アマチュアからやり直すんだっつって、バンドにしようっつって、「SPANK HAPPY」作ったんですよ。
角田 うん、うん。
菊地 その時に、「じゃ、ソングライトするわ。」っつって、全部やったの。ま、全部というか、もう一人の相方と二人で作り始めたんですけど。
沙良 ふんふん。
菊地 だから…そん時、当て書きでしたね、全部。
角田 ああ〜。もう「この人のために作るんだ。」っていう気持ちでやってたんですね。
菊地 そうそうそう。
沙良 ほー。
菊地 角田くんは、どうなんですか?…「この人のために作るんだ。」っていう気持ちは?(笑)。
角田 そ……
菊地 ま、いいですよ、ラジオ前で本当の事言わなくても(笑)。
角田 (笑)。…そうですね、なんか僕が思ってるのは…
菊地 はい。
角田 小ちゃい小料理屋をやってて、僕がカウンターの中でお料理作ってると。
菊地 うん。
角田 で、女将さんなんだ、と。
菊地 女将さんなの?
角田 女将さんって言うか、何て言うんですか?…接客をする…
菊地 ああ、女将さんね、うん。
角田 なんかそういう気持ちでやってるんですね、わりと。だから、その料理を…
沙良 プッ(笑)。
角田 料理は料理っていうか…
菊地 うん。
沙良 (笑)。
角田 あんまり女将さんとは関係ない、かな?…というような気持ちでやってるんですけど。
菊地 あーあー。
角田 うん。
菊地 ま、女将さんに当てて料理作んないもんね。
角田 そうですね(笑)。
菊地 あ〜。ま、料理人が料理作ってて、女将さんなんだ、沙良さんは。
角田 そうそうそう。それで、お店としては、ま…その「女将さんがすごい!」みたいな感じで来たりとか、でも「あそこの料理は美味しいわね。」みたいな。
沙良 あー、あー。
菊地 角田くん、詐欺師になれるよね(笑)。
角田 どういうことですか?(笑)。
沙良 (笑)。
菊地 うまい事言い過ぎです、それね(笑)。
沙良 (笑)。
角田 そうですか?(笑)。
沙良 うまい事言い過ぎて伝わらなかったですよね。
角田 ああ、そっか。
菊地 いや、今の伝わったよ、ビンビンに!
角田 ビンビンに?
沙良 伝わった?
菊地 ビンビンに伝わった。名物女将でしょ?
角田 そういうことです。
菊地 うん。「料理人はオレだけど、オレはサーブしないんだ」と。
角田 うん。
菊地 もう、サブがうんうん頷きまくってますよ。今ね、こん中で意味が分かんなかったの、沙良さんだけ!(笑)。
沙良 ああ〜。…ちょっと伝わらなかったです。
角田 (笑)。
菊地 沙良さん、今、軽く睨んでましたからね(笑)。
沙良 にらんでない…睨んでないですよ。
菊地 「何、意味分かんねーこと、言ってんだ、コイツ?」
沙良 ちょっと、いろいろ考えてましたね。
菊地 考えてたんですか。
沙良 どういう…おかみさん?
菊地 「女将さんって何だろう?」みたいな。
沙良 いやいやいや(笑)。
角田 そういう事が分かんないのが、またいいんじゃないかな?っていう気もするんですけどね。
菊地 なるほどねえ。
角田 うーん。
菊地 いやあ…今のはほんとにうまいこと言いましたね。…言えないもんね?…もし、あれだとしても。「いや、僕は…ボクは沙良のものなんです。」みたいなさ(笑)。
角田 (笑)
沙良 えっ!?
菊地 僕のミューズなんです。」とは言えないですもんね。
角田 あまりに恥ずかしいですね、それね。
菊地 もしホントだとしたって言えないですよね、そりゃね。
角田 (笑)。
菊地 とはいえ、今回のアルバムには、沙良さんの作詞のものが。
角田 そうなんです。
菊地 久しぶり…ですか、これは?…「ものんくる」的には。
角田 ものんくる」的には初めてですね。
沙良 そうですね。
角田 沙良的には何年ぶりなの?
沙良 3…4…4年ぶりぐらいですかね。自分の曲として書くのは。
菊地 なるほど。
沙良 人に提供して作詞とかはするんですけど。
菊地 自分が歌うためにっていうのはね、なるほど。そのタイトルがなんと…「たらけも」。
沙良 「たらけも」。
菊地 これは…聞いた人が、いろいろ想像すると思うんですよね。
沙良 はい。
菊地 「たらけも」って何なんだろうな?って。
沙良 それで、想像してもらったものが答え…っていう曲ですね。
菊地 なるほど。
角田 うーん。
菊地 はい、これねえ…「たらけも」最後まで聞かないと意味ないよね。
沙良 (笑)。
角田 はい。確かに、そうですね。
菊地 「たらけも」って途中で終わったらさ、楽しい行進曲だと…
沙良 いやー…ちょっとね。
角田 そうですね。
菊地 長いけど最後までプレイしますか。
角田 (笑)。
菊地 この、ラジオプレイ泣かせの盤ですよね。
角田 すいません(笑)。
菊地 これプレイすると、もう番組終わりなんですけど、聞いてみましょう。ま、「ものんくる」の…ワタシから見ると、世代的なこともあるんでしょうけど、理解できないぐらいシリアスで哲学的なんですけど…理解できないってのは、「こんなに若いのに、こんなにシリアスなのか!」っていう…。
角田 うーん。
菊地 チャラさがまったく無い。
角田 チャラさがない(笑)。
沙良 うーん。
菊地 今回はオジさんが、チャラい曲を突っ込んでますけどね、1曲(笑)。
角田 (笑)。
菊地 「キュンとするだけの曲はないもんだろうか。」っていう感じなんですけど。…ま、そういうものんくる」の世界観は、さっき言ったように角田くんがほとんど作ってるんだけど、その中に今回は沙良さんの作詞と、作曲もこれは二人ですね。
角田 そうですね。
菊地 共作で。
沙良 はい、共作で。
菊地 歌の始まりと終わりまでの間に、ほんとに交響曲っていいぐらいの流れがありますね。「たらけも」という曲を聞いてください。


「MY NAME IS」 standard of 90'sシリーズ

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※文字起こしの「NAVERまとめ」あります。